こんにちは。稼!プロ17期の小口です。
今回は「セレンディピティ」についてのお話をしたいと思います。
先日受講したある著名な先生の講義中にでてきた言葉です。ご存知の方も多いかもしれませんが、意味は「偶然に思いがけない幸運な発見をする能力、またはその能力を行使すること」です。その先生の講義では「発想をスパークさせる」という文脈で出てきました。
その先生は、現代のインターネット社会においてはこの能力を養うための「偶然の出会い」をすることは難しい、と言われ、その理由のひとつとして、アマゾン等のネットショッピングサイトの存在をあげていました。皆さんもご経験があると思いますが、ネットショッピングサイトでは、書籍等購買の際、過去の購買傾向から「おすすめ」を提示してくれます。確かに、タイトルや著者からは興味をそそられるものばかり。私も乗せられてついつい大人買いをしてしまいます。再び訪れると同じ事の繰り返しで、結局同じような本しか読んでいないことにしばらくたってから気づきます。これは、本との「必然の出会い」ですね。他にも、多くの購買サイトで同様の機能により日々「必然」が創造されています。また、日常業務での問題解決に際して、ネットを駆使し他社事例や、既存モデル、理論を引用する仕事スタイルも「必然」の創造と言えるかもしれません。
この状況をいかに考えるのか?
確かに、企業の立場に立てば、消費者の購買を誘導するためにBIG DATA等を活用し、多くの「必然」を生み出すのが成功のKeyとなっています。それで消費者も気持ちよく買い物ができるのであれば、社会全体としても生産性の髙い状況が生み出されていると言えます。仕事も、昔に比べればネット活用により、はるかに生産性は向上しています。しかし一方で、企業内では「イノベーション」がKeywordであるのも然り。社員には「発想をスパーク」することが求められています。「必然」の中にどっぷりつかって暮らしていては、新たなる発想を生み出すのは難しそうです。私も会社部内にイノベーティブな発想を促すための取り組みを仕掛ける人間として、この先生の問題提起は、はっとさせられるものでした。
では現代社会で「セレンディピティ」を養うには? 偶然の出会い、発見を行うためには?うーん、難しい課題ですね。時間をかけて考えてみます。まずはこの週末、大きめの本屋内を、目的を持たず「偶然の出会い」を求め徘徊することから始めようかなと思うところです。
皆さんは、偶然の出会い、発見のためにされていることは何かありますか?
例えば、独立したとき、
1)CSの故佐藤知恭先生がコーディネーターを務めると知り、大阪のリッツカールトンの講座を受講⇒佐藤先生との再会でTTWを知る⇒インストラクターの資格をとる⇒16年間にわたり研修で活用
2)独立して直後、訪中の誘いを受ける⇒訪中団で国際部に入るきっかけを得る⇒国際部の新年会でその直後からベトナムに駐在される方と名刺交換⇒その方にある1冊の本を贈呈⇒その方から、SARSのため、ピンチヒッターでベトナムの日本センターの講師依頼がくる⇒その後、毎年のように海外での仕事に恵まれている
3)稼プロ!の初日の懇親会で、ある方から、「消費生活アドバイザーなら多変量解析ができるよね」と言われる⇒この言葉をきっかけに、有給をとって多変量解析を学びに行く⇒独立後、多変量解析のプロの方と出会い、その方のアシスタント講師の機会を得る⇒調査分析の仕事をこなせるようになった
長文になりましたが、そのときに受けた助言は、支障がないかぎりは、まずは行動することで、次々と予想もしていなかった展開になっています。
ご参考まで。
偶然の出会いを求め、ちょっとでも気になったら、まずは行動してみます。