皆さんこんにちは、稼プロ!24期生の寺岡です。
突然ですが、和歌山が誇るご当地歌手、ウインズ平阪さんをご存知でしょうか。
先日、テレビで各都道府県の地元代表歌手をランキングする番組をやっていましたが、そこでもウインズ平阪さんは和歌山県代表の5位に選ばれておりました。
和歌山県出身の歌手と言えば、坂本冬美さん、コブクロさん、hydeさん、天童よしみさんなど、そうそうたる方がいらっしゃいますが、ウインズ平阪さんはそれに次ぐ5位です。
なんと、和歌山ブルースで有名な古都清乃さんよりも上位であります。
ウインズ平阪さんの唯一にして最大のヒット曲は某家電量販店のCMソング。
「ジョ、ジョ、ジョ、ジョー〇ン」で有名なあれです。関西人なら皆が口ずさめるはず。逆に言うと、企業名丸出しの企業タイアップの曲しかヒットソングがない人が、なぜここまで和歌山で知名度があるのか。
このCMソングは私が小学生の頃からありますが、これを歌っていた方が、和歌山のご当地歌手としての地位を築き上げていたことを知ったのは2年程前です。
私は和歌山県出身なので、何の気なしに和歌山のラジオを聴いておりましたところ、ウインズ平阪さんの番組が放送されていました。
軽妙なトークと自分の楽曲をこれでもかと流しまくる営業魂に感銘をうけました。
それ以来、かかさずウインズ平阪さんのラジオ番組を聴いているのですが、最近、ウインズ平阪さんは歌手というより、マーケッターとしての能力を発揮して、芸能界に生き残っているのではないかと思うようになりました。
例えば先日の放送で、「クリスマスソングって世の中にいっぱいあるねー」、という話題を話していたウインズ平阪さんが、突然こう言いだしました。
「クリスマンスソングは競争が激しいけど、正月ソングってないよなぁ。ずっといけるんちゃうかと狙ってるけど、どうですかねー」
そう、まさに差別化戦略であります。ウインズ平阪さんは常々、「いかに世間の隙間を縫って細々とやっていくかだけを考えている」と、歌手とは思えないニッチ戦略を語っています。
小さいころから長渕剛や矢沢永吉のような、まさにアーティストみたいな人がシンガーソングライターだろ、と思ってきた私には、作品どうこうよりもいかに生き残るかをこんなにも堂々と語る歌手がいることに感嘆する次第であります。
そんなウインズ平阪さんは、営業面でもオープンです。彼のホームページには、なんと、料金表が公開されています。1曲制作を頼んだらいくらとか、ライブは1回いくらとか。
明瞭会計を前面に押し出す営業マインドは、もはや経営者としての理念を感じます。
そもそも、和歌山のご当地歌手と呼ばれるようになったのも、徹底して和歌山ソングを作り続ける集中戦略のたまものです。ウインズ平阪さんはこうも語っています。
「僕はラッキーでした。誰も和歌山に特化してやっている人がいなかったから」
和歌山有数のイベント会場、和歌山マリーナシティのカウントダウンライブで今年もトリを務めるのは我らがウインズ平阪。鉄板であります。
なるべくしてなった和歌山代表歌手。歌手の世界も戦略がいかに重要か、思い知らされる年末でありました。
どんな世界でもマーケティングはあり得るのですね。新たな気づきでした。
地域特化のニッチ戦略、地方創生と相まって注目浴びるかもしれませんね。