照る日曇る日 第1911回
仏蘭西の外交官ガロアが、日光の中禅寺湖の「ガレ場」で発見して、1914年に「ガロアムシ」と命名された、体長2センチくらいの原始生物の面影を留める不思議な生態を、その他の数多くの土壌生物、洞窟生物と共に、精密に描き尽くした驚異的な生物科学絵本です。
我々が暮している地面の下には、暗黒多湿を好む無数の生き物たちが生活していて、それらの生態は、すなわち地上の人間生活と直結しており、多重多層の循環型ライフサイクルを構成していることが、本書を眺めていると、よーく分かります。
いわば絵本、生物科学書といった既成の観念を超越した、この宇宙的な書物を、都会の到るうところを開発しまくっている阿呆莫迦ゼネコン野郎どもに、ぜひとも読ませてやりたいものです。
緑色のスゥエーターを着たコンドウ嬢がにっこり笑う1分天気予報 蝶人