照る日曇る日 第1985回
昔から私が好きな、北海道登別在住の歌人の第2歌集である。
例に拠って終わりの方からアトランダムに引いてみよう。
関根勤がラビット関根だった頃日本にはまだ未来があった
書を捨てて街へいったん出たものの結局は古書店に入った
岡井隆とミキーマウスは同い年どちらも不自然に元気なり
メメント・モリ、メメント・モリと繰り返せば森進一が泣いているような
いずれも一読切れ味明快。確固たる個性と主義主張の中に、どことなくユーモアとウイットが感じられる。
こういう歌を、平然とうたってのけるひとは、ニッポンひろしといえども、なかなかお目にかかれないだろう。
こいつなら大丈夫だと見極めて全国民が袋叩きす 蝶人