西暦2021年師走蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第405回
枝野がつくった立憲民主党を、元国民党の泉が乗っ取る。それこそ庇を貸して母屋を取られたようなものだね。12/1
中村吉右衛門が77歳で亡くなるや否や、すかさず「徹子の部屋」が追悼。新旧の在庫が豊富だね。12/2
児玉竜一という人の吉右衛門の偉大な功績を讃える追悼文を読む。「演じる自分を見つめているもう一人の自分がいた」という指摘は秀逸だが、吉右衛門の「声音そのものが観客を酔わせた」というのは疑問。彼の喉奥でぶつぶつ内向する声音は、いつも殆ど聴きとれなかった。12/3
家出した愛猫を探し出すために、写真入りのビラを持った母と息子が、町内のあちこちを尋ねて協力を求めている。ふだんあまり近所づきあいをしない人たちなので、これがきっかけで新しい人間関係が生まれるかもしれない。12/4
逗子文化プラザで開催された「らせんの映像祭2021」は久しぶりに楽しかった。念願の鈴木野々歩さんと村岡由梨さん、眠さん、花さん、仲本拡史さんにもお目にかかることが出来て、おらっち超嬉しかったずら。12/5
暫くしてから振り返ると、「ああ、あの頃が一番平和で幸せないっときだった」、と思うに違いない。12/6
生涯で遭遇した名人歯医者は二人だけ。一人は原宿の木下歯科、もう一人は横須賀の岸本歯科。2人とも名人なんだけど、前者は他人の歯として上手に治すが、後者は自分の歯のように大事に治す。12/7
今から半世紀以上も昔の大昔、私の祖父は琵琶湖ホテルで行われた聖書贈呈式の挨拶の途中、「主イエス・キリストは」と言ったところで脳出血に襲われ、そのまま不帰の人となったのであるが、なかなかカッコイイ死に方ではないか。12/8
私が「大芸術」と呼ぶものは、ただ単に、ひとりの人間のあらゆる能力がそこで用いられることを要求する芸術、その作品を理解するために、もうひとりの人間のあらゆる能力が求められ、関心を向けなければならないような芸術のことである。P.ヴァレリー「ドガダンスデッサン」塚本昌則訳 12/9
あれやこれやの国家が、我こそは「民主命」だと自慢ゴッコしはじめたが、本来「民主」とは、民衆が主体であることだ。国権の内部においても「民草第一主義」が担保されている国って、どこかにあるのだろうか。12/10
民主主義がまだ生きている国もあれば、完全に死滅している国もあり、その中間に位置する国は多いが、理想的な民主主義国家は、まだ地上では誕生したことはない。かつてナチ政権が登場したのは、理想に近いとされたワイマール憲法治下の独逸でだった。12/11
昔「くうねるあそぶ」という日産電通陽水のCⅯがあったが、なかなか「遊ぶ」なんてことはできない。基本的には「くうねるくるしむ」のがこの世のありようで、本当に稀にゲイジュツヤやらマージャンやら異性などで遊ぶ瞬間があったらメッヶものということ。12/12
ブロムシュテット&N響の録画でみる。この演奏のどこがベートーヴェンであり、「運命」なのか。音楽家はいたずらに歳をとればいいというものではない。大喜びで拍手している連中の気が知れない。12/13
久し振りの大病院。MRIなんて、行けばその日に撮ってくれると思っていたのだが、甘かったずら。12/14
昨日は地獄、今日は天国。やはり陽の恵みは大いなるかな。12/15
もはや日本人は、日米安保体制を離脱した国の姿かたちさえ想像できないほど、衰弱、あるいは耄碌してしまったようだ。12/16
我が家の洗濯機を修理に来た職人が、日大の会長の不祥事を「昔なら切腹したもんですよ」と罵っていたが、その後も森友赤木財務相文書書き換え、国土交通省データ書き換えで本来なら腹を切るべき役人や政治家共がのうのうと生き長らえている。12/17
洗面所の水道を捻ったら怒涛のように水が出てきて止まらないので驚いて妻を呼んだら、しばらくして直った。時々蝶番が外れてこうなってしまうそうだが、おらっちには絶対に無理な作業だ。本当は自分の仕事だと思うのだがあ。12/18
立憲民主党の枝野落魄以来、ある言説や人物や組織を一刀両断に論難したり、全面的に否定するのを嫌う世の中になったそうだが、だからというて、論難や斬り捨て御免の一言居士が自粛するのも、いかがなものか。12/19
寛容が最上の知恵と知りつつも、その知性が暴力によって冒されると、人は寛容も知性もかなぐり捨てて,何よりも大切な生命の防衛のために、暴力を揮って不寛容の泥沼に堕ちる。12/20
労働生産性が低すぎるから、なんとかせんといかんという議論を聞いいていると、そうかい、そうかい、元気で頭のいい人はせいぜい頑張ッとくれ。でももうそんなこたあもうどうでもええじゃんか、という捨て鉢な気分がやってくる。12/21
三井住友愚銀行に来年のカレンダーをもらいにいったら、「今年は、或いは今年からは、作らないことになりました」と受付嬢が言うたが、さすが大阪。ドけちな銀行じゃのう。横浜銀行のをもらったから別にいいけど。12/22
それにしても維新と国民民主党が目障りじゃ。ていうか、ああいう存在が嫌いなんだよね。12/23
MRIの洞窟に入ったのはこれで3回目。今回はスチーヴ・ライヒの轟音音楽を楽しむつもりだったが、だんだん堪えられなくなって、最後の電撃ミサイル21発連射で轟沈せられてしまった。蒙御免ずら。12/24
NHKの「その時歴史が動いた」で時折鋭い発言をしていたが、トンでも無い女性差別発言で下ろされた呉座勇一選手を、いつもどうでもいい脳科学?的な莫迦話をしてお茶を濁している中野某女に替わって、また出場させて欲しいものだ。12/25
そもそも保険証があれば、マイナンバーカードなんか要らない。見境なしの鳴り物入りキャンペーンの裏には必ず政府自民党の陰謀がある。12/26
おらっちが通っている大病院の掛かり付けの医者は、世間的にはある程度名の知れた老医師なのだが、病院内の後輩のだれかれをおとしめるような発言を一患者であるおらっちに洩らしてくれる。どうにも厭な感じだ。12/27
猛烈な勢いで回転する2021年製の絨毯に敷きこまれそうになって、その瀬戸際でやっとこさっとこ持ちこたえているおらっちであった。12/28
江戸文学専門の神保五弥氏の講義を聞いたことがあるが、全部忘れてしまって、ただ彼が戦地から戻って電車に乗っていた時の、負傷した脚のギプスの中のノミが大暴れして血を吸いまくるのに一掻きもできない搔痒の苦しみの話だけを覚えている。12/29
デルタが出ると、なんちゃらかんちゃら、オミクロンがでてくると、またなんたらかんちゃら。毎度お馴染みの自称専門家たちが、今日も我々シロウトと同じレベルの、毒にも薬にもならない「解説」をしてるずら。12/30
「津久井やまゆり園事件」に触発されて次男が亡きおばあちゃんチで企画した「佐々木健個展・合流点」が、美術、障害者、福祉にまたがる大勢の方々の好評を得るという思いがけない反響をもたらしたことは、今年の我が家の一番の事件であり喜びだった。感謝、感謝。12/31
正月の病院はどこも混んでいてロクソニン飲んで患者は堪える 蝶人