ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Best of Delaney & Bonnie

2015年04月29日 | クラシック・ロック

The Best of Delaney & Bonnie (1990)

ライノ(Rhino)社から出ているデラニー&ボニー(Delaney & Bonnie)のベスト盤(※最近では「ディレイニー」と発音基準での表記が多い)。「The Shindogs」(米TV音楽番組「Shindig!」のハウスバンド)出身で、ミュージシャンとしての才能に加えて、コンダクターとしての魅力で、既に超メジャーだったエリック・クラプトン(Eric Clapton)やジョージ・ハリソン(George Harrison)など錚々たる著名ミュージシャンが周辺に集まってきたデラニー・ブラムレット(Delanery Bramlett)と、当時の妻ボニー(Bonnie)のコンビ。ゴスペルやソウルなどの黒人音楽を上手く消化して、しっかりと地に足が付いた白人らしからぬソウルフルな楽曲が魅力の彼ら。両人共にまるで黒人シンガーのように歌えるという恵まれたコンビ。自分は周辺アーティストから入ったクチだが、正直最初は彼らの魅力が分かるまでに時間がかかった。何しろ派手なところの全く無い人達なので、曲の印象が残りにくいというか…。でも一度その音楽がしっくりハマると、豊潤な世界にどっぷり浸かることが出来る。そんな音楽はそう多くない。

彼ら周辺のアーティストを聴いていると、もれなくレオン・ラッセル(Leon Russell)、デレク&ドミノス(Derek & The Dominos)、ジョー・コッカー(Joe Cocker)、ブッカーT&ザ・MGズ(Booker T. & The MG's)、ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)、オールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)などの大物も聴くことになる。彼らの場合、取り巻くセッション・ミュージシャンも実力者揃いなので聴き逃せない。それらを辿っていくだけで大変だけれど、珠玉の音楽世界が待っているのは確実だし、色んな点が線となって結びついたりして新しい発見もあるので、掘り下げていく価値はある。ネイティヴな英(米)語スピーカーだったらというジレンマはいつもあるが、耳に入ってくる音楽だけでも充分に語りかけてくるから、難しい事は抜きにしても楽しめる。

まだ大企業レーベル化していなかったこの頃のライノ社は無敵で、リイシューもの、編集ものに関しては他の追従を許さなかった。アナログからデジタルへの初期のリマスタリングにも関わらず、マスタリング・エンジニアのビル・イングロット(Bill Inglot)の造る音は今聴いても違和感を感じないほど素晴しいもの。選曲も的を射ている。今となっては昔ほどの魅力を感じないレーベルになってしまったが、少々ジャケがイモ臭くても、この頃のライノの編集盤だったらジャンルに関わらず何でもおすすめです。

オークションにて購入(¥607)

  • CD (1990/11/27)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Import
  • Label: Rhino

 

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