ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Biscuits / Living Colour

2015年04月13日 | ソウル・ファンク・R&B

Biscuits / Living Colour (1991)

黒人ロック・バンド、リヴィング・カラー(Living Colour)の編集盤。この盤は海外では同名の6曲入りEPとして発売されたものに、日本で曲を多数追加した「来日記念盤」だそう。未発表曲やライヴ曲で構成されていて、カヴァー曲が多くを占めている。1・JB(James Brown)、2・ジミヘン(Jimi Hendrix)、4・アル・グリーン(Al Green)、5・クラッシュ(The Clash)、8・ぺル・ユビュ(Peru Ubu)、10・トーキング・ヘッズ(Talking Heads)、12・レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)、13・バッド・ブレインズ(Bad Brains)と錚々たる面子の名曲をカヴァー。ストレートなカヴァーのみならず、凝ったアレンジの曲も多いが、どれも独特なトーンのギターと、跳ねるようなドラムで、リヴィング・カラー色に染めている。この稿を書くにあたっても、ジャンルをどうしようか迷ったが、(無理矢理だけれど)結局「ソウル・ファンク」としてしまった。彼らの場合、どうしても「黒人による」ロック・バンドという注釈が付いて回るし、音楽的にもストレートに「ロック」とは表現しにくい。当時から音楽的評価は高かったが、どうしてもちょっと特殊な扱いになりがちだったと記憶する。

80~90年代の音って独特で、(DX-7のように)多用されたシンセのお蔭か、今聴くとやけにやせっぽちなプロダクションに感じることが多いが、彼らの音はギリギリ聴くに堪える、かな。ただ、ヴォーカルの節回しなどは、「いかにも」な所があり、ちょっと気恥ずかしい部分がなきにしもあらず。このバンドではギターのヴァーノン・リード(Vernon Reid)に注目が集まる事が多かったが、今聴いてみてもジェフ・ベック(Jeff Beck)的な、ちょっと硬質で無機的な音が黒人らしからぬ所を感じさせる。…って、やはり自分も「黒人」っていう注釈を付けて語ってしまう。それだけこのバンドがあの時代に特異な存在だったと言えるのかもしれないが。こうして考えると、始祖がどの人種であれ、「ロック」って基本的には白人のものがほとんどなんだなァと改めて認識させられる。

ブックオフにて購入(¥108)

  • CD (1991/9/1)
  • Disc: 1
  • Label: エピックレコードジャパン
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする