岐阜市の古い店が残る街並み、美殿町(みとのまち)にある手打ちうどんの店「田毎」が閉店すると知ったのは5月の終わり。ギリギリに訪問するのはよそうと思っていたが、なかなか時間の都合がつかない。あれよあれよと言う間に閉店2日前。日曜日だったのでもう無理かなと諦めかけていたが、ここのうどんを食べずして…と思い直し、出掛け先の名城公園付近からとんぼ帰り(笑)。何とか昼営業開始直後に着いたが、店の前には10人以上の待ち。若い人が多いのはSNSの効果だろうか。普段ならしないが、この日は特別。行列に並んで30分以上待ち、やっと店内へ(その頃には20人以上の並びに…)。カウンターに座るなり「天ころうどん」を注文。女将さんから「”揚げ”か”玉子”が付くけど?」と言われて玉子を選択した。タイル壁に掛かった品書きの札の「にこみ」は売り切れと表示されていたので、人気はあれど時間のかかる味噌煮込みは最初から外していたのかも。主人はいつもと変わることなく淡々と調理を続けていき、さほど待つことなくガムテープで補修してあるカウンターの上に丼ぶりが置かれた。
うどんは強いコシのあるものとは違うが、しっかりとした弾力と存在感のある旨い麺。こういうのが毎日でも食べたくなるうどんだ。締め加減もあまり冷たくなり過ぎず、ちょうどいい。いつもの揚げ置きのどデカい海老天が麺の上に鎮座しているので、つゆに押し込み硬い衣をほぐしていく。刻み海苔、練りわさび、そして玉子の黄身を崩したり、ふやけた天ぷらの衣を巻き込んだりして(天ぷらの海老の身は…ネ・笑)。名残惜しいうどんを楽しんだ。外で客が待っているのでゆっくりは出来ない(と言っても自分は早喰いなので一番後に入っても、たいてい店内の誰よりも早く席を立つが)。勘定してもらい外に出た。角が丸くなった木製の麺箱や岡持ちが目に入る。今までの美味しいうどんに感謝。(勘定は¥860)
※6月20日を以って閉店されました。
岐阜県岐阜市美殿町40
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