Da Capo / Love (1966)
60年代中後半に一世を風靡したフラワー・ムーヴメントを語るに外せないバンド、ラヴ(Love)。彼らのセカンド・アルバム「Da Capo」のリマスター版CDを購入。どんな評でも”アーサー・リー(Arthur Lee)率いる”と称されることが多いので彼のワンマンバンドと見ていいのかもしれない。自分はこの後の名盤「Forever Changes」をアナログで所有しているが、お気に入りだったわりに系統立てて聴くことはしなかった。最近買ったコンピ盤に彼らの曲04が入っていて、また聴きたくなり購入した次第。通して聴いてみると、この盤も「Forever Changes」に勝るとも劣らない内容。なるほどその後の活動がパッとしなかったわりに本国アメリカでは一目置かれている訳だ。
最後の曲「Revelation」を聴いて驚いた。18分を超えるジャムっぽい曲なのだが、ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の同年のアルバム「Aftermath」(1966)に収録されていた「Goin' Home」(こちらも11分以上のフリースタイルな曲)に展開がそっくり。特に後半のインプロヴィゼーション部分の歌詞は、”It Feels So Good...”、”Make Me Feel Alright...”、”…All The Time”とフレーズまでそっくり! 慌てて調べてみると何と同じスタジオ(RCA Studio)で録音されていて、録音時期はストーンズの方が先のよう。ということはアーサー・リーがストーンズの真似をしたと考えるのが普通なのだが、当のアーサー・リー曰く「自分達が演っているのをストーンズの連中が見て、次のアルバムに長い曲(Goin' Homeの事)を録音して発表した」とのこと。「曲の発表が後になった自分たちがストーンズの真似をしたと責められた」のだそうだ。当時はまだシングル用の3分前後の曲ばかりで(長い曲の創始は65年のディランとも)、その後ロックがアルバム重視になっていく過渡期でもある。10分を超えたストーンズはその先駆けとも言われていたのだが…。ストーンズは67年に発表した「She's A Rainbow」でも、ラヴの曲名と同じフレーズ”She Comes In Colors”を使っているし、アイデア拝借の常習犯なので…、何となくアーサー・リーの言い分に分がある気がしないでもない(笑)。
オークションにて購入(¥480)
- CD (2008/1/13)
- Disc : 1
- Format: Import
- Label : Warner Bros UK