ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Astronettes Sessions / Ava Cherry

2019年07月20日 | クラシック・ロック

The Astronettes Sessions / Ava Cherry (2009)

ボウイ(David Bowie)のファンでありながらエイヴァ・チェリー(Ava Cherry)という女性がどんな人物かはよく知らなかったのだが、話によると名曲「Rebel Rebel」は彼女にインスピレーションを受けたというし、1975年のアルバム「Young Americans」にはバック・シンガーとして参加。ボウイとは公私共パートナーとなったという彼女。このCDはそんなモデル兼シンガーの彼女が1973-74年に録音した幻のファースト・アルバムのセッションを収録したCD。全然知らなかったのだが1995年にAva Cherry And The Astronettes 名義で「People From Bad Homes 」というタイトルで一度正式に発売されていたのだとか(写真下)。

このThe Astronettsというバンドの実体はよく分からないのだが、バンドメンバーがAva Cherry、David Robert Jones、Geoff Maccormack、Jason Guess。もちろんDavid Robert Jonesはボウイの本名だ。このバンドがただのお戯れだったのか、それとも本気だったのかは知らないが、音源を聴く限りある程度完成されていて、しっかりとしたプロダクションだったことが分かる。ボウイがプロデュース、トニー・ヴィスコンティ(Tony Visconti)がアレンジ、そしてエンジニアはストーンズ(The Rolling Stones)の「It's Only Rock'n' Roll」(1974)にも参加していたKeith Harwoodというから凄い。

この音源の存在を知ったのはアルバムに収録されている「I Am A Laser」(ボウイの80年作「Scary Monsters」<写真下>に収録の「Scream Like A Baby」の原曲)を聴いた時。エイヴァがヴォーカルで歌詞こそ違うものの、曲構成は全く一緒だったので驚いた。そんなに前から完成していた曲だったとは。

その外にもボウイが1、4、5、7、8、12を作曲しており、他のカヴァー曲もBrian Wilson、Frank Zappa、Bruce Springsteenとボウイの好みとピッタリ(当たり前か)。ボウイのヴォーカルはしっかりと特定するのが難しく(彼の声らしいしゃべりは聞こえる)、特に後半の彼女以外のヴォーカル曲ははっきり言って魅力に乏しいが、当時アメリカン・ソウル・ミュージックに接近していたボウイが早い段階のサイド・プロジェクトでもこういう音楽をやっていたとは。何しろ興味深い内容だ。

amazonにて購入(¥657)

  • CD  (2009/7/14)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Black Barbarella Records
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