岐阜市の水海道にある食堂「ゝ助(ちょん助)」。以前は看板の通り中華そば等の品も出していたらしいが、現在はほぼホルモン焼肉のみ。ご主人が亡くなってご高齢のお母さんが1人でやっていらっしゃる。以前この店の定休日を知らずに開店時間の店の前で「あれ?全然開かないなァ…」と棒立ちしていたことがあったなァ(←周りに店が無いのでつぶしが効かない)。その店がそろそろ営業を止めるらしいと聞いて、ある日に電話で確認を入れてみたが、その日はもうカウンターも満席で入れないと言われてしまった。もちろん以前はそこまでの店ではなかったが、廃業の噂が広まって名残惜しい人々が連日押しかけているようだ。5時に始まる店も営業時間は長くないのでなかなか訪れる機会が無く、もう入ることは叶わないかなと思っていたある寒い日、急に夜の予定が消えたのでいつもの「のはら湯」で汗を流した後にダメモトで電話をかけてみると「どうぞ。」との返事。市バスを使って店まで行ってみた。
営業開始時間ちょうどに店に着き、中に入るともう3組もの先客。以前は玄関先に掛かっていた暖簾ももう掛けていないようだ。名前を告げてカウンター席に座る。お母さんに尋ねるともう「盛合せ」ぐらいしか出来ないとのこと(実際は「焼そば」ぐらいは出来るようです)。それをお願いして、自分で冷蔵庫にある瓶ビール(アサヒスーパードライ)を取り出し栓を開ける。銭湯で喉がカラカラだったのでコップに注いだビールをグイッグイッと2杯飲み干した。寒いけどウメー。後から入ってきた客も「めし」大盛不可(ここは盛りが良いことで有名)、品書き限定などの制約がある旨を告げられている。しばらくして平皿に盛られた「盛合せ」とたれが登場。「盛合せ」も壁に掛かった品書き通りではなく、通常だと入っている「ホルモン(とんちゃん)」や「心臓」も入っておらず、豚バラ、かしわ、きもの3種のみ。「すみません、今日とんちゃんが無くて。」とのこと。これに少しだけ玉ねぎが付いていて、目の前のガス・ロースターで焼いていく。
肉には少量のたれがかけてあるが、漬かっている訳ではなく、ほぼ生のままの状態。量は1人前としてはかなり多め。焼いて特製のたれをつけていただく。玉ねぎやニンニクが擦って入れてあるだろうたれは、爽やかな酸味もあってめっぽう旨い。この日は肉質を計れるものは「きも」ぐらいだが、しっかりと張りがある。肉、そしてビールを繰り返す。ウマイナー。ビールでお腹がいっぱいになってしまうので「お酒」をお願いしたが、これも無いとのこと。なので2本目のビールを自分で取り出した。時々現役の黒電話がリーン、リーンと鳴るが、お母さんは「すいません、いっぱいで…。」と断っている。順番に肉を焼いていくも量が多いし、さすがに3種類だけの繰り返しでは飽きがくる。このたれは絶対「めし」と「みそしる」に合うんだけれど、ビール2本と肉を平らげたらもう入らないのが悔しい。「無いものがあってごめんねェ。」と恐縮するお母さんに勘定してもらい、薄暗くなった外に出てバス停まで歩くと、今季珍しい寒風で一気に酔いが醒めた。(勘定は¥1,800)
※2020年3月末を以って閉店されました
↓ 店のすぐ近くの「白山神社」境内にある「水海道公民館」(建築詳細不明)◇。隅切りの屋根、屋根上の用途不明の塔屋、逆読みの立派な看板があるなかなか面白い建物。どの位古い建物なのか、中を見せてもらいたいなァ。
↓ 野一色2丁目の旧街道沿いにあった看板建築(建築詳細不明)◇。以前どんな商店だったのかは分からないが、窓際がタイルで装飾してあってなかなかかっこいいデザイン。
ホルモン ゝ助 (ゝ助食堂・ちょん助食堂)
岐阜県岐阜市水海道2-13-21
( 岐阜 ぎふ 水海道 みずかいどう ちょんすけ ゝ助 水海道分店 焼肉 ホルモン とんちゃん 中華 洋食 大盛ごはん 近代建築 はかま腰屋根 半切妻 閉店 廃業 )