先日、ギャング・オブ・フォー(Gang Of Four)のギタリスト、アンディ・ギル(Andy Gill)が亡くなった。昨年10月に来日したばかりのはず…(東京公演のみで行けなかったが)。最初に彼らの曲を聴いたのは、もちろんファースト「entertainment!」(アナログ盤)。とはいっても自分はポスト・パンクの連中を後追いで聴き出したので80年代も半ばを過ぎてから。かっこよかったなァ。ザクザクと切り刻むような硬質なギター、ぶっといベース、熱量は高くてもクールなヴォーカル。ネット時代の現在と違い、当時はまだこの辺りのバンドの情報は多くなく、写真さえあまり出回っていなかったので、バンドの中心だったアンディ・ギルの素性は左翼寄りの大学生だったぐらいしかよく知らなかったし、彼らの政治的なバックグラウンドも理解しないままだったが、音だけでイケるカッコよさがあった。それからアナログを集め始め、シングル以外で所有しているアナログ盤は以下の作品。
これ以外は編集盤CDを2作品。後期(再結成前)に行くにしたがって女性コーラスとラッパの度合いが大きくなって、初期にあったようなソリッドで尖った音楽性は影を潜めてポップな曲調が多くなっていったが、その辺りの音も今聴くと意外と良かったりする。初期レッチリ(Red Hot Chili Peppers)のファンでもあったので、アンディ・ギルがファーストのプロデュースを担当したことは知っていたが、今でこそヒレル(Hillel Slovak)のギターやフリー(Flea)のベースに強い影響を認識できるものの、誰が聴いても成功したとは言い難く、その名を聞くことも少なくなっていった。再結成後のオリジナル・アルバムのCDは3作品程所有。それぞれ悪くない出来だし、2011年の「Content」なんかは往時を思わせる鋭さも。けれど、どうしたってファーストの衝撃は越えられない。
64歳とまだ若かったが、この時代のアーティストも訃報を聞くことが多くなったので、若い頃に聴き倒したファンとしては寂しさがつのる。一度でいいからライヴ会場であのギターを聴いてみたかったナ…。R.I.P.
Andy Gill ( 1956 – 2020 )