ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Wail'n Soul'm Singles Selecta / Bob Marley and The Wailers

2021年01月24日 | レゲエ・スカ

Wail'n Soul'm Singles Selecta / Bob Marley and The Wailers (2005)

ご存じボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ(Bob Marley and The Wailers)がアイランド・レコーズから世界デビューする前にジャマイカで録音され、自身のレーベル「Wail'n Soul'm」から発売された楽曲のシングルを集めたCD。いわゆる”JAD”のカタログだ。1967年から68年の録音だそう。この辺りはジャマイカならではの混沌(プロデューサーの搾取)があり、カタログをしっかりと把握するのは難しい。近年になってボブの版権が遺族によって整理されてからも後から後から色んな盤が色んな会社から発売されるし、それがオフィシャルなのか、データも正確なのかどうか判断しづらい。バンド名も当時のシングル盤には「Bob Marley and The Wailing Wailers」と記されていたりするし、演奏は元スカタライツ(Skatalites)のメンバーらでスタジオ・ワンのハウス・バンドだった「The Soul Brothers」とあったりすることもあるが、実際そうだったのかよく分からない。

ただ音楽はそんな混沌とは別に素晴らしい。アイランド期に発売された彼の有名曲は多くがこの時期までに録音された楽曲のリメイクなので、その原曲を知るという楽しみもある。当然だがよりナチュラルで、より裸のアレンジで聴くことが出来、アイランド期に勝るとも劣らない輝きがある。スカの跳ねるようなリズムから、グッと腰を落とした後の典型的な70年代レゲエのリズムとの過渡期とも言えるかな。もちろん当時は付いたり離れたりを繰り返して不安定な関係だったというピーター・トッシュ(Peter Tosh)やバニー・ウェイラー(Bunny Wailer)の歌も聴け(女性の声はリタかな)、世界に飛び立つ前の戦略的なオーバーダブ無しのウェイラーズの姿がここにある(→アイランドではより白人受けするようにロック的なギター等がオーバーダブされた)。もちろんアイランド期のウェイラーズも素晴らしいが、こちらもお勧め。自分はまだこの頃のボブ・マーリーのディスコグラフィーがちゃんと把握出来ていないが、奇才リー・ペリー(Lee “Scratch” Perry)と短期間組むのはこの後になるのかな?

オークションにて購入(¥567)

  • Label : Universal UK
  • ASIN : B000AA5X20
  • Disc : 1
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