岐阜市の喫茶店の至宝、昭和50年(1975)年創業の「ル・モンド」。ご高齢の主人が1人でやっていらっしゃるコーヒー専門店。ある日曜の昼下がりに寄ってみた。外れた時間とあって先客は若い女の子2人のみ。最近この店では若い子を見ることが多い。奥の席に腰掛けてメニューを眺める。こちらコーヒーの種類も沢山あり、以前にいただいた「アイリッシュコーヒー」の他にも様々な味や淹れ方のコーヒーがあってとても興味深い。ちょうど主人の死角だったのか自分が店に入ったのを気付いていない様子だったので、カウンターまで行って「ターキッシュコーヒー」をお願いした。「ターキッシュコーヒー」がどんなのか知って注文した訳ではないのだが、メニューの注釈によると”1634年以来からのコーヒーの歴史を物語るトルコ風コーヒー”だそう。ワクワク。主人がゆっくりとテーブルにアルコールランプと銅製の小鍋を用意してくれた。断って写真を撮らせてもらう(写真下)。
挽いた粉を鍋でしっかり煮出す原始のやり方なのだそう。主人は火をつけるとテーブルを離れ、孫のような歳の女の子に「お腹ぽんぽんになったかな?(お腹はいっぱいになったかな?)」と優しく語り掛けている。女の子達はわざわざ名古屋から来たのだそう。主人に「何しに岐阜に来たの?」と尋ねられ、「この店に来たくて来ました!」とお上手。ガチャガチャと音のするレジスターにも大喜びで写真を撮っていた。この後の客も若い女の子ばかり。モテモテだなァ(笑)。主人は「今、学校が休みやでね。」と飄々とおっしゃるが、いやいやこのクラシックな店の雰囲気と主人の優しい人柄ゆえでしょう。
しばらくして小鍋の蓋が躍り始め、隙間から湯気が吹き出てきた。主人に告げると一度蓋を取って様子を見た後、まだ煮詰めるようでまたテーブルを離れた。またしばらくして戻って来た主人がカップに小鍋のコーヒーを濾して注ぎ、完成。添えられた菓子はなぜか「ばかうけ・ごま揚げしょうゆ味」(笑)。「ターキッシュコーヒー」は想像通りしっかりと濃くエスプレッソ(あるいはドッピオ)のような感じに濃縮されている。苦味はしっかりなのでさすがに胃にグッとくる。途中でザラメの砂糖を少し入れるとまとまりが良くなった。旨いナー。「歳をとったから。」とゆっくり後片付けをされる主人の手を煩わせないよう勘定をカウンターに置いて店を出た。次はどんなコーヒーに出会えるかしらん。(勘定は¥500)
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コーヒー専門店 ル・モンド
岐阜県岐阜市殿町1-4
( 岐阜 ぎふ 殿町 ルモンド LE MONDE アイリッシュ・コーヒー コーヒー専門店 コーヒー専門 珈琲 サイフォン 純喫茶 喫茶店 Irish Whisky )