創業が明治31年(1898)という泉の麺類食堂「戸田屋」。道を挟んだところにあった古い建物が新しい店に生まれ変わって、洒落たHPなんかも出来ていた。現在5代目だとか。ある風の強い日に訪れてみた。店が新しくなってからは初めての訪問。店舗はモダンな意匠に様変わり。でも店頭の古いミニカー(正式には光岡のマイクロカー・写真下参照)は前のままだ(笑)。中はテーブル席が8つほど並んでいる。見渡すと、コロナ禍(第3波)ではあったが席はほとんど埋まる盛況ぶり。ちょうど入れ替わりで座れたが、自分の後にはすぐ待ちが出ていた。外看板に”名物・海老おろし”なんて書いてあったが前の店でそんなに推してたっけ?。でもそういうのを見ると試したくなるので「大海老おろしそば」をお願いした。「温かいの、冷たいのがありますが…。」と訊かれたので「冷たいので」と返事。
みんなおっかなびっくり外食している時期なのに、隣との仕切りが無い中で、ノーマスクで延々と大きな声で電話をしているどこかの親方らしき客。様子を伺っているとそのテーブルともう1つのテーブルは全員その親方の取り巻き。食べ終わっても誰も出ていかないのは、その親方の奢りだから…。みんな親方が食べ終わるまで下を向いて携帯電話をいじっているのだ(待ちが出ているというのに!)。他にも孫をあやすのにわざわざマスクを外すお婆さん、せっかくマスクをしているのに席に着いた途端にマスクを外してお喋りし始める家族連れなど、まだまだ感染予防の基本が出来ない人も多いようだ。先は長い。
なんていう光景を呆れかえりながら見ていると、思いのほか早く「大海老おろしそば」が供された。”大海老”の名に恥じない大きさの海老天がどーんと鎮座している。花も咲いているがしっかりと身も大きく揚げ立て。他には大根おろし、わかめ、かまぼこ、海苔。刻みネギは別皿に。こういう冷たい蕎麦で定番の練りわさびを付けてないのは”おろし”だからかな(付ける店もある)。麺が上に出るくらい少なめの量のつゆは黒いといって差し支えない濃さがあるが醤油辛い訳ではない。そばはコシとは言わないがしっかりとした張りがある。旨いなァ。だんだん大根おろしと、海老天の衣の脂がつゆに混じっていくのもいい感じ。するするっといただき、つゆに浮いた衣もすくってご馳走様。すぐに勘定してもらい、店を出た。次は丼物をいただこう。(勘定は¥980)
愛知県名古屋市東区泉3-30-2
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