岐阜市の長良川河畔にある風情ある日本料理の「美乃壱」。以前から入ってみたいと思っていたが、こういう店に1人ではなかなか難しい。訳あって妻はなかなか家から出られないので、老母を誘って行ってみることに。ネット上にHPを見付け、そこから予約出来るようだったので入力してみた。だけれど2日経っても予約確認の返信メールが送られてこない。心配になって電話したら「あぁ、休んでおりまして…。」みたいな事を言われ、改めて電話で予約しなおすことに(HP利用の方は要注意です)。
曇り空ではあったがやはり暑い(訪問7月末)。駐車場に車を停め、店の脇の細道から河畔に出る。平日の昼間とあって付近はのどかな感じ。川に入って泳いでいるおじさんがひとり。滔々と流れる長良川とそびえる金華山(写真下)。その頂上に建つ岐阜城。普段目にしていると慣れてしまうが、他県から来た人に訊くと、市街地のすぐ側に山と大きな川がある風景っていうのは何とも素晴らしいとのこと。なるほど(笑)。建物の際には昔大きな木があったはずだが撤去されていた。枯れたか折れでもしたろうか。
風情ある店の玄関に戻り、暖簾をくぐって声をかける。名前を告げて靴を脱いで上がり、部屋に案内された。母は脚が悪いので椅子の席をお願いしておいたが、畳の部屋にカーペット敷きでテーブルと椅子の部屋。襖で仕切られているので他の部屋の様子は分からない(声は筒抜け)。窓から眺める雄大な景色(写真下左)、それにかつては旅館で築100年近くだという時を重ねた建物の佇まいは素晴らしいのひと言。他の部屋の話し声こそ筒抜けだが、静謐で別世界。BGMも何もないのもいい。
食事は鮎料理をお願いしておいた。運転があるので乾いた喉はノンアルコールビールでごまかす。先付けから運ばれた。食事の写真と内容はゆめ未来さんのブログでどうぞ(ほぼ同じ内容でした)。造り、煮物、鮎の塩焼と甘味噌がけ、天麩羅と料理は進んでいく。鮎の塩焼はもちろん旨いが、稚鮎の天ぷらの苦味がいい。碗のつゆなども流石にいい塩梅。こうして箸をつけていると、やはり日本料理には酒(日本酒)だなァと思う。ビールでは苦味や魚の生臭さが増幅されて料理の味を変えてしまう。タクシーで来なかったことを後悔。
給仕を担当してくれたベテラン女性はざっくばらんな感じの方。皿出しは早かったり遅かったりとまちまち。そして締めのご飯は鮎の釜飯。1人用の釜(にしては大きいが)ごと運ばれ、沢山の鮎の身を混ぜ込んだ飯を味噌汁と一緒にいただく。旨い。食べ切れない母の分も回ってくるのでお腹はいっぱいに。さすがに釜飯は全部平らげることが出来ず、包んでもらって持ち帰ることに。そして水菓子で了。
この晩にウン十年ぶりの鵜飼見物で船に乗って店の前を通り過ぎたのだが店の明かりは落ちていた。夜はやっていないのか、コロナ禍で営業を縮小しているのかな。昼席はいくつか種類があるようだしコロナ禍で弁当も取り扱うようになったらしいので、次はまた昼に寄ってみよう。(勘定は¥14,000程)
岐阜県岐阜市長良鵜飼屋22-1
( 岐阜 ぎふ 長良川 ながらがわ みのいち 料亭 割烹 和食 鮎料理 あゆ料理 鵜飼 鮎めし あゆ釜めし 塩焼 近代建築 老舗 )
ハリーさんの美乃壱のブログは、“課題レポート”でしたら 評価A 間違いなしですね。
お店の外観や室内の内装、食事のことなどお店の事がまるごと余すところなく表現されています。
驚きは、美乃壱を取り仕切る名物女将のあの特異なキャラまで表現されているなんてねえ(笑)。
ぶっきらぼうのようでいて、どこかほんのり。
奥様と早く一緒に出かけられるようになると良いですね。
もったいないお言葉、傷み入ります。
やっと念願の美乃壱で食事をすることが出来ました。あの空間はやはり特別ですね。
ゆめ未来さんや奥様のように”時の流れるのも忘れてぼんやりとゆったりと一日を過ごせたら”
と夢想してしまいました。ま、自分の事だから30分もするとウロウロし始めそうですが(笑)。
ずいぶん昔のことですがあまり変わっていないように見せていただきました。
アユ料理は一昨年まで(コロナ前)毎年小瀬鵜飼い鵜匠のお宅岩佐にフルコースをいただきに行っていました。
仲間の1人が岩佐と親せきなのです。
最後は鮎雑炊でした。
6月のアユは小さいけれど皆子持ちが嫌いで若鮎を
好みます。
またそんな日がくるのを待ち焦がれています。
親孝行の良い日でしたね。
母をだしに使っただけですから親孝行と言えるかどうか(笑)。
>小瀬鵜飼い
小瀬もいいですよね、岐阜とはまた違って素朴な感じで。一度、船に乗ったことがあります。
食事をしたのは「足立」だったかな。
>そんな日がくるのを
本当に普通の日々や楽しみが簡単に出来ない困った時代になってしまいました。1年前には
終息しているだろうなんていう予測もあったくらいなのに、かえって状況は悪くなって
いますからね。早く普通の気分で出歩きたいものです。