ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ホテルパーク @岐阜県岐阜市

2021年09月07日 | 岐阜県(岐阜)

コロナ禍で普通の旅行が困難になり、ホテル等の宿泊施設は全国的に大打撃を受けている。まだ”まん延防止重点措置区域適用”、そして緊急事態宣言が出される前の7月末。どこにも出掛けられないと家で燻っている母の気を紛らせるために近場で遊ぶことに。「地元に泊まろうキャンペーン」なるものが岐阜市で企画されたのでのってみた(注・現在は8月27日に発出された”緊急事態宣言”の為、企画内容は一部変更されているようです)。

今回ネットで予約した宿泊先は「ホテルパーク」。岐阜城を頂く金華山の麓にあるホテルで、自分達の世代には「ホテルパークみなと館」という古い呼び方の方が馴染みが深い。実は自分はこちらに泊まるのは初めて。そもそも岐阜市内で泊まることも珍しいが、仕事の会合後の宴会終わりで宿泊するとしても川向こうばかりだった。なので母に岐阜市内で泊まろうと言っても近過ぎてピンと来ず、最初は「私は別にいいわ。」と断られる始末(苦笑)。そりゃ、車で30分かからず自宅に着いてしまうのだから仕方がないところもあるが、このキャンペーンは鵜飼見物や金華山ロープウェーなど観光施設の券がセットになっているので、ウン十年ぶりにそういう所を訪れてみようと考えたのだった。

母は高齢の今も、とある女性団体に所属しているので、ホストとして他所から来た客を案内して鵜飼見物を何度もしたことがあるとのこと。それでもその頃の鵜飼は船の上で酒も呑んで宴会船ともいうべき音楽や盆踊り付きの、いかにも昔の観光地の趣向だったそう。自分も大昔に乗ったことはあるはずだが、内容は全く覚えていない(酔っ払っていたか…)。

昼に「美乃壱」で食事をした後に、キャンペーンのプレミアム観光券が付いていた「うかいミュージアム」を見学。ところがここで仕事の電話が入るアクシデント。自分にしか出来ない仕事だったので急遽会社へ逆戻り(苦笑)。改めて夕方にホテルにチェック・インした(近くて良かったような悪かったような・笑)。母は家ではいつもベッドなので、以前に養老の「千歳楼」に泊まった時は畳敷きの布団がちょっと辛かったそう。なので今回はベッドのある部屋を予約しておいた。脚が弱くなってよちよち歩きの母に付き添ってゆっくりと部屋へ。窓から眺める景色(写真下)は見慣れた長良川だが、こちら側から川向うを見るのはちょっと新鮮かも。

まだ腹はそんなに減っていないが、鵜飼見物の時間の関係で夕食が早い。部屋食だったのでビールと酒をお願いし、食事が始まった。前菜、吸物、造り、焼物、陶板焼、揚物、ご飯、香の物、水菓子、とひと通り。飛騨牛(ステーキ)や鮎(塩焼、雑炊)など岐阜の名産はもちろん、吸物の高麗人参の入った「薬膳スープ」が旨かったし、ひと口サイズの「五平餅」が付いてるなんていうのは観光客向けで面白いナ。

意外としっかりと食べて呑んだが、まだ鵜飼見物がある。時間になったのでホテルの人の案内で歩いて船着き場まで。母の歩みが遅いので転ばないかとヒヤヒヤしながら到着。日中はずっとどんよりとした薄曇りだったのに、この時間になって素晴らしい夕焼けになった。乗り込んだ船から水面に映る夕焼けが美しい(写真下4枚)。見慣れた風景も川面からだとまた違ってワクワクする。

 

 

同じ船に乗ったのは自分たちの他にたった4組11名程の客。船頭を担当する若い衆に訊くと、やはり観光客は今年もかなり少ないらしい。それでも船が少ないと鵜匠の舟と並走する時間が長くなるので、実は見物にはとても良いのだとか。なるほど。川を遡って出発地点へ移動。この日も暑かったが、水際はやはり気温も低く、昼間の湿って重い空気も無くなって心地良い。

 

 

船頭の鵜飼の説明と豆知識を聞きながら待っていると川上から鵜舟が現れた(写真下1枚目)。今回我々が付く鵜舟は山下哲司鵜匠(宮内庁式部職)の船とのこと。テレビ等にもよく出演する有名な方だ。本来なら入れ替わり立ち替わり鵜舟の横に並ぶらしいが、ほぼずっと並走して真横で見ていられる。近いので篝火の熱さが伝わってくるし、火の粉が飛んでくるほど。鵜匠の所作や掛け声、表情まではっきり見え、船の腹を叩く「ゴンゴン」という音が響き渡る。川底を覗くとしっかり底の石までも見え、鵜が泳いで鮎を追う姿もばっちり。見物の経験がある母も、ここまで近くで長い時間じっくり見たことは1度も無いらしく、すごいすごいと喜んでいた。

 

 

 

 

 

乗船地点近くまで下ってくると、全ての鵜舟が並んで追い込みをかける「総がらみ」(写真上8、9枚目)。壮観。後で鵜が吐いた鮎を見せてもらったが、鵜は必ず頭から飲み込むので鮎をくわえ直す時に付く食み跡が腹に付いていて珍重されるのだとか(写真上10枚目)。いやあ、鵜飼がこんなに楽しいものだとは。船に乗って弁当を食べたり酒を呑んだりするのも楽しいだろうが、こうやってじっくり鵜飼だけを見ることが出来るのはいい経験だった。これをいわば街中で毎晩やっているんだものなァ。凄いゾ、岐阜。見直した(笑)。

本当は鵜飼見物のあと「金華山ロープウェー」の夜営業に行けたらと思っていたが、母の歩みが遅いし、歩いて乗り場まではちょっと無理で断念。大人しくホテルに帰る。風呂を浴びに大浴場へ行くと…貸切り。広い風呂を独り占めした。長良川温泉は赤茶けた色。露天風呂に行くと岐阜城が近い。汗を流した後は部屋で2次会(笑)。冷蔵庫は空っぽで自分で買ってくるようになっていたので、ウイスキーのボトルを買って持ち込んだが、興に乗って2人でボトル半分空けてしまった(笑)。(←母はウイスキー好き)。

コロナ禍でいろいろ制約がある中での営業はホテルも大変だろう。実際キャンペーンを利用していても客数はそう多くなかったし、この記事を書いている時点でまた「緊急事態宣言」が出てしまったし。それでもこのキャンペーンで、地元であるが故に普段あまり行かない施設や鵜飼をじっくり楽しめたし、ホテルの人も脚の弱い母に気を遣ってくれたりと楽しい思い出になった。(勘定は¥40,000程/2名)

↓ 自販機のある地下にあった、米原に置かれていたという開業時の野立看板(写真下左)と鵜飼観光船から見た「ホテルパーク」全景。

 

ぎふ長良川温泉 ホテルパーク

岐阜県岐阜市湊町397-2

 

( 岐阜 ぎふ 長良川 ながらがわ ホテル 宿泊 鵜飼 うかい 鵜飼見物 地元に泊まろうキャンペーン )


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6 コメント

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Unknown (ゆめ未来)
2021-09-07 10:32:14
ハリーさん、おはようございます。

親孝行が出来て、良かったですね。
高齢の方とご一緒するときは、近場でのんびりが何よりです。

 >いやあ、鵜飼がこんなに楽しいものだとは。船に乗って弁当を食べたり酒を呑んだりするのも楽しいだろうが、こうやってじっくり鵜飼だけを見ることが出来るのはいい経験だった。

このような「鵜飼見物」なら、ぼくも行ってみたくなりました。

ずっと昔、一度だけ鵜飼見物に行ったことがあるのですが、船中でお弁当を食べて、ビールを飲んで、日が暮れるまで鵜飼の開始を待ちました。
ビールを飲めばアレですよね。
広いひろい石ころだらけの長良川の河原をえっちらおっちら簡易〇〇〇へ急ぐ。
岐阜市、営業努力が足りんなぁ。
鵜飼船登場と思ったら、たちまち通り過ぎて行ってしまった。ゴンゴンと音だけ残して。長い時間待っとったのに!

ハリーさんは、すごい経験をされましたね。羨ましい限りです。
美しい写真の数々が、その感動を物語っていますね。

ぼくも、「ホテルパークみなと館」の時代に研修で一泊したことがあります。
当時は、確か、屋上に露天風呂か何かがあった気がします。

 >見慣れた長良川だが、こちら側から川向うを見るのはちょっと新鮮かも。

ぼくも風呂に浸かりながら、そんな感想を持った気がします。
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Unknown (ハリー)
2021-09-07 11:08:40
ゆめ未来さん、こんにちは。

>近場でのんびり

最初は渋っていたのに結構楽しんでいたみたいで良かったです。

>近場でのんびり

今は何と空調付きのトイレ専用船が横に来るんですよ! これにはビックリ。
ただ冷房が効いているのは女性側だけだそうです(笑)。
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Unknown (ゲンゴロウ)
2021-09-07 20:28:29
ハリーさんの親孝行物語が好きです。
近くても素敵な旅サイコーです。
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温泉旅館FOREVER (ムンドリ)
2021-09-07 21:00:48
ハリーさん素晴らしい親孝行!素敵です。

昔 まだ会社も社員も元気だった頃、忘年会は大体が温泉旅館でした。今はこんな宿泊行事は無くなってしまったが。どんな高い有名旅館でも遠い所でもほとんど酔って覚えちゃいない(酔って暴れる輩も多かった!・・・幹事は翌日旅館へ平謝り 笑)ので結局、近場(岐阜・長良川沿いの旅館でも‥名前忘れた)でやったりしました。
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Unknown (ハリー)
2021-09-08 06:43:23
ゲンゴロウさん、こんにちは。

うーん、自分は母をダシにして自分の欲求を満たしてるとしか…。
いってらっしゃいと見送る妻はたぶん気付いているでしょう(笑)。
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Unknown (ハリー)
2021-09-08 06:50:33
ムンドリさん、こんにちは。

>忘年会は大体が温泉旅館

そんな時代がありましたねー。んでみんなでストリップ見に行ったりとか(笑)。
もう今は昔ですが。時代もあるし、コロナもあってそういうのが全く無くなったんだから
温泉旅館の窮地も仕方がないところでしょうか。

>酔って覚えちゃいない

覚えているのは、あいつが鍋ひっくり返したとか、財布無くしたとか、そんなこと
ばっかりなんですよね。
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