バンドワゴン / 鈴木茂 (1975)
元・はっぴいえんどのギタリスト、鈴木茂のファースト・ソロ・アルバム。評判は聞いていたが実際にアルバムとして聴くのは初めて。録音はサンフランシスコやハリウッドで行われたが、当初予定していた面子が集まらず、急遽呼ばれたメンバーでの録音だったらしいが、それにしては凄い面々。リトル・フィート(Little Feat)、サンタナ(Santana)、タワー・オブ・パワー(Tower Of Power)、スライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & The Family Stone)の各メンバーがレコーディングに参加している。作詞は全曲松本隆。鈴木は1951年生まれだというから…なんと、まだ当時若干24歳! それで単身アメリカに渡り、アルバムを作る(作らせてもらえる)ってどんな才能なんだ、全く。
”セカンド・ライン”(ニュー・オリンズ特有のタメの効いたリズム)と言ってしまっていいのか分からないが、一聴してアメリカ南部の音楽の影響が聴き取れる。もちろんセッションしたアーティストの影響もあろうが、作曲者、またリーダーとして指示したのだろうから彼の好む音楽性がその辺りにあったのだろう。奇しくも元バンド・メイトで「キャラメル・ママ」「ティンパン・アレー」と直前まで活動を共にした細野晴臣のソロ作品にもやはり同じような影響が見られるのが興味深い。鈴木自身のスライド・ギターも、ファンキーなカッティング・ギターも素晴らしい。かっこいいなァ。ヴォーカルの線は細いが上手く演奏と噛み合って個性になっている。当時このアルバムがどのように受け取られたのかは知らないが、今俯瞰して聴くと完全に当時の世界レヴェルって言っても過言ではないと思う。はっぴいえんど周辺の人達ってどうしてこう才能の塊みたいな人が同じ時代、同じ場所に集まったのか本当に不思議。今、この時代の日本のロックが外国で注目されているのもよく分かる気がする。
ネットオークションにて購入(¥659)
- レーベル : 日本クラウン
- ASIN : B00005HRW6
- ディスク枚数 : 1
日本の音楽シーンを支えた名ギタリスト。
ハリーさんが取り上げてくださって嬉しいです。
そして...
鮎川 誠 さんがお亡くなりになりました。
またしても巨星逝ってしまった...。
シーナさん在りし日、若松でお買い物を終え
仲睦まじく歩いて来られたのを
お見かけしたことがあります。
お二人ともカッコ良かったです...。
(緊張して声すら掛けられなかった...)
また、シーナさんと天国でロック出来ますね!。
ただ、ただ、感謝...。
本当にありがとうございました。
合掌
>鮎川 誠
大変な事になってしまいました。こう次々と…。昨日はテレヴィジョンのトム・ヴァーレインの
訃報を聞いて落ち込んだばかりでした。もう、なんだかこの最悪の展開に付いていけません。
私は学生の時に下北沢に住んでいたので鮎川夫妻を時々見かけました。シーナは後年になって
より派手な格好をするようになった気がしますが、何しろあれほど並んでカッコイイ夫婦は
見た事がありません。鮎川氏はよれよれのTシャツでビーサン履いてママチャリに乗ってコーヒー豆を
買いに行くところも見かけましたが(←ひそかに追跡)、そんな恰好なのにあんなにカッコイイ
男も見た事がありません。何度もライヴを観ることが出来て良かった。本当に感謝したいです。