ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

シングル・マン / RCサクセション 

2014年01月18日 | ロック(日本)

Rc

シングル・マン / RCサクセション (1976)

嫁:「ねえ、このアルバムって、レコードで持ってたよね」

私:「うん、持ってる」

嫁:「ん?CDでも持ってなかったっけ?」

私:「うん…、持ってる」

嫁:「え?どうしてまた買ったの?」

私:「えーっと…(汗)、これは94年再発盤で、実はボーナストラックが付いておりまして…」

嫁:「どれ……、ん?、でもこの曲…、別で持ってたよね」

私:「うん、持ってる…」

嫁:「……じゃ、どうして(怒)」

私:「えーっと…(汗)、これは数奇な運命を辿った76年の<シングルマン>というRCの名盤に、なぜか清志郎が坂本龍一とコラボした82年のシングルA・B面を強引に追加したという珍盤でして…、その…流れとか、時代を全く考えていない違和感というか…そういうものを…確認というか…何というか……」

嫁:「………(無言)」

と、ここまで完全フィクションでお送りしてきましたが(笑)、上の会話で全て言いきった感がある…そういういきさつのCDであります。まぁ、ファンなら誰しも激怒するだろうというこの盤は、ある意味RCサクセションの数あるアルバムの中でも一番の問題盤であるかもしれません。

アルバム「シングル・マン」は不幸な経緯がありつつも、今ではめでたく名盤という評価が与えられていますが、何をどうとち狂ったのか、この94年再発盤はなぜか上で記したような事になった訳です。これはキティ時代のくくりのベスト盤に、後年東芝から様々な問題で発売されなかった問題作「カバーズ」からの曲が時代を飛んで収録されているものに感じるような「違和感」をも上回る暴挙です。もちろん予想通りのひどい代物でお勧め出来ません。このフォーマットに反対する奴、ポリドールにひとりもいなかったのか。なんでも詰め込めばいいっていう訳じゃない証明ですね。それぞれは「とても良い」んですけどね。

ライナーにある、

「このCDは世界的なスタジオ・ミュージシャンを豊富に使用しておりますので安心してご利用下さい。」

という気の利いた言葉が、タワー・オブ・パワー(Tower of Power)やニューヨーク・フィル(New York Philharmonic)だけでなく、「Ryuichi Sakamoto」をも示していたとは…(笑)。

01. ファンからの贈りもの 
02. 大きな春子ちゃん 
03. やさしさ 
04. ぼくはぼくの為に 
05. レコーディング・マン(のんびりしたり結論急いだり) 
06. 夜の散歩をしないかね 
07. ヒッピーに捧ぐ 
08. うわの空 
09. 冷たくした訳は 
10. 甲州街道はもう秋なのさ 
11. スローバラード
--------------------------------------
12. い・け・な・いルージュマジック
13. 明・る・い・よ 

ブックオフにて購入(¥1,500)

  • CD
  • Disc: 1
  • Label: Polydor
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    Uncovered (MOJO Magazine) / Various Artists

    2014年01月17日 | 雑誌付録CD

    Stones_uncovered_2

    Uncovered (MOJO Magazine) / Various Artists (2013)

    英音楽誌「MOJO」の2013年5月号付録はこの2月に来日するローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)によってカヴァーされた曲を集めたCD。この手の企画は古い曲の使用権限が安いのか数多く存在するし、過去にもこのMOJO誌をはじめ、UNCUT誌でもいくつか存在する。ダイ・ハードなファンにとって、好きなアーティストが影響を受けた音楽を聴くのは、やはり楽しいもので、自分でも以前、文献などを参考にストーンズがカヴァーした曲(正規に加え、ブートレグでしか聴けない曲も)をせっせと集め、編集したCD-Rを7枚も作ってしまった(←まさに酔狂)。

    今回のMOJO版はまずなんといってもジャケがいい。ストーンズが71年に発表した「Sticky Fingers」のプロモ用に撮影した写真のアウトテイクで、ミック(Mick Jagger)とキース(Keith Richards)が持っているレコード・ジャケットはアーティスト写真(Freddy Cannon
    とHank Snowかな)に替えてある。書体もアルバムにちゃんと合わせてあって芸が細かい。

    そのプロモ写真はこちら↓

    Sticky

    1は以前ブートレグでしか聴けなかったカヴァーだが、現在は「Some Girls」のデラックス・エディションで正式発表された。あと目新しいところでは10、11、12、13がそれぞれストーンズがカヴァーしたと思われるアーティストのヴァージョンでないもの(注・個人的な推測ですが、それぞれChuck Berry、Bo Diddley、Chuck Berry、Little Walterと思われる)が収録されているのが珍しい。

    オークションにて購入(¥978)

    01  Tallahassee Lassie - Freddy Cannon
    02  Twenty Flight Rock - Eddie Cochran
    03  Around And Around - Chuck Berry
    04  I'm Moving On - Hank Snow
    05  Who Do You Love - Bo Diddley
    06  She Said "Yeah" - Larry Williams
    07  Mannish Boy - Muddy Waters
    08  Cry To Me - Solomon Burke
    09  Learning The Game - Buddy Holly
    10  (Get Your Kicks On) Route 66 - Nat King Cole   
    11  Cops and Robbers - Boogaloo and His Gallant Crew      
    12  Down The Road A-Piece - Will Bradley Trio
    13  Confessin' The Blues - Jay McShann
    14  I Just Want To Make Love To You - Muddy Waters
    15  The Red Rooster - Howlin' Wolf

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    信濃屋 @岐阜県多治見市

    2014年01月16日 | 岐阜県(東濃・老舗)

    Photo

    岐阜県多治見市のJR多治見駅近くの老舗うどん屋「信濃屋」。創業は昭和5(1930)年頃との事。名古屋から戦後にこちらへ疎開して来たんだとか。うどんで有名なだけでなく、「支那そば(中華そば)」でも有名なので、ラーメンを食べ歩いていた頃から名前はよく聞いていたが、日・月・火休みで昼のみの営業という高いハードルがあり、なかなか行く事が出来ずにいた。とうとう念願の訪問チャンスが到来し、平日の12時近くに店へ。自動車で行ったのだが、狭い路地の中にちゃんと駐車場があったので安心した。

    2

    店の前に立っただけで、「あぁ、もうこれで口に合わなくても別にいいや」という位に思える風格ある店先の素晴しい佇まい。これだけはどんなにお金をかけても作り出せないよね。暖簾をくぐり、中に入るとテーブル1つに3つの卓袱台の小上がり、そして奥の座敷、とこじんまりしている。すぐに女性給仕の方から声がかかり、空きがあったのでテーブル席に着席。店主が顔を出し、温かい「うどん」か、冷たい「ころかけ」か、「支那そば」の3つの品があると丁寧に説明を受ける。どれも食べたいが、中から「ころかけ」を注文。老舗でメニューも限られているという店なので、どんなに頑固な人が出てきても驚かないが、とても腰の低い主人で、こちらが恐縮してしまうほど。

    注) 私の住む中部地方では「ころ(香露)うどん」というメニューがよく見られますが、これはうどんやきしめんにやや濃いめのつゆをかけた、冷たいものを指します。ただし店によっては完全に”冷やし”のところもあれば、”ぬる”ぐらいのところもあります。”香露”とはたまり醤油と鰹節の(香)るつゆ(露)という意味らしい。そういえば他所では聞かないと思い調べたら、この「ころ」という呼び名の発祥は、まさに戦前名古屋にあった疎開前のこの信濃屋からだそう(※諸説あります)。

    調理場の様子は扉があって伺い知ることが出来ないので、長い年月を経た味のある店内の造作を眺めながら待っていると、意外なほど早く丼が置かれた。中には胡麻を散らした太いうどんと摺り生姜、刻み葱がたまり醤油由来の濃いつゆに浸っている。麺をひとくち口に入れて驚いた、今までに味わった覚えのない食感。ふわっとした口当たりだが柔(ヤワ)ではない。かといって麺に強いコシがある訳ではない。でもしっかりと存在感はある。何とも言えない旨い麺だ。その麺が風味の良い濃いめのつゆに浸かり本当に旨い。食べ始めると店主が扉を開けて、「つゆの濃さを調節しますので教えて下さいね」とひとりひとりに声をかけてまわる。思わず「おいしいですっ」と返事してしまった。

    量的にはあまりないし、値段も決して安くはないが、この麺と味は唯一無二だと思う。うどんでこんなに感動出来るとは思わなかった。追加で温かいうどんか支那そばも食べようと思ったが自重して勘定した(後から「小盛」があったと知る・残念、また行こっと)。(勘定は¥660)


    3

    店舗の外のガラス窓には変体仮名で品書きが書いてあり、意外にも昔は色々なメニューがあったことを偲ばせる。写真の右から順に、

    手打
    宇登ん(うどん)
    古ろかけ(ころかけ)
    支那楚バ(しなそば)
    志能多(しのだ)
    阿んかけ(あんかけ)
    花ま喜(はなまき)
    天婦ら(てんぷら)
    鳥奈んバ(とりなんばん)
    お可免(おかめ)
    玉子登じ(たまごとじ)
    松月(しょうげつ)

     

    信濃屋

    岐阜県多治見市上野町3-46

     

    この後の記事はこちら

    -------------------------------------------------------------------------------------

    <追記>

    自分の考えとしては「香露」から”ころ”っていうのはちょっと綺麗過ぎやしないかと…。こういう俗称はやっぱり市井の人々が馴染む言葉から生まれるものだしね。しかも発祥といわれるこの店でも「古ろかけ」(古は変体仮名)と書いてあり、”香露”の文字は見当たらないし。

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    20 From 20 (MOJO Magazine) / Various Artists

    2014年01月15日 | 雑誌付録CD

    Mojo

    20 From 20 (MOJO Magazine) / Various Artists (2013)

    昨年10月に発売された英音楽誌MOJOの20周年記念号の付録CD。副題は「20年に渡る音楽的嗜好を祝う選りすぐった楽曲集」(あってるかな?)などとされていて、様々なアーティストが20組20曲収録されている。今まで調べた事はなかったけれど、この雑誌の創刊はもっと古いと思っていたので、自分も結構初めの方から(定期購読ではないけれど)集めていることになる。自分に全く興味のない特集や付録CDの事もあるので買わない事もあるし、以前はタワーレコードやHMVで毎月扱っていたのに最近はあまり見なくなってしまったので(取扱いを止めてしまったのかな?)、遅れてオークションや中古店を利用しての購入になる事が多い。

    今回のこの企画、正直言って的が絞られた特集と比べると散漫だが、02、11、12などが選ばれているので買わない訳にはいかない。この雑誌が得意の未発表曲、ヴァージョンが収録されていないし、いつもピンとくるこだわりのアートワークがありきたりなのはちょっと残念だ。贔屓にしているこの雑誌もさすがにネタ不足か。それでもいわゆるメジャー誌とちょっと違う視点で選ばれる楽曲はどれも「らしい」ものばかり。

    01 ? Arctic Monkeys ? Teddy Picker
    02 ? Black Keys ? Set You Free
    03 ? Raconteurs ? Steady, As She Goes
    04 ? Teenage Fanclub ? Sparky’s Dream
    05 ? Midlake ? Roscoe
    06 ? Mercury Rev ? Opus 40
    07 ? Fleet Foxes ? Sun It Rises
    08 ? Palace Brothers ? (I Was Drunk At The) Pulpit
    09 ? Bill Fay ? Thank You Lord
    10 ? My Morning Jacket ? Golden
    11 ? Joe Strummer ? Johnny Appleseed
    12 ? Jack White ? Take Me With You When You Go
    13 ? John Grant ? Marz
    14 ? Aimee Mann ? Save Me
    15 ? Ali Farka Toure/Ry Cooder ? Soukora
    16 ? Bjork ? Mouth’s Cradle
    17 ? Animal Collective ? My Girls
    18 ? Boards Of Canada ? Roygbiv
    19 ? Cornershop ? Candyman
    20 ? Eric Matthews ? Fanfare 1

    オークションにて購入(¥719)

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    Let Love Rule (20th Anniversary Deluxe Edition) / Lenny Kravitz

    2014年01月14日 | オルタナティヴ・ロック

    Lenny

    Let Love Rule (20th Anniversary Deluxe Edition) / Lenny Kravitz (2009)

    レニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)のデビュー作「Let Love Rule」のデラックス・エディション2枚組。オリジナル・アルバムのリマスターに加えて、ボーナス・トラックや当時のライヴ音源を収録している。もちろんオリジナル・アルバムのCDは持っているが訳あり盤(傷あり)を格安で見つけたので購入。

    彼が登場した80年代終わりはロック復権の時でもあり、シンセを多用したデジタルな音楽性を持つバンド全盛の時にあって、思いっきりレイド・バックした70年代のアナログなロックという意味で「古くて新しい」アーティストだった。多分ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N' Roses)などもその範疇に入るのでは(そういえばガンズのギタリスト、Slashはレニーの同窓生だそうです)。ギター、ベース、ドラム、何でもござれのマルチ・プレーヤーであるレニーは器材や録音もアナログを好み、そのヴィンテージ・コレクションはマニア並みだとか。確か3枚目のアルバムにそういった器材の写真が載っていたはず。

    自分は2作目をちょこっと聴いていて、3枚目からリアル・タイムで購入し始めたので、この1作目は完全にあと聴き。正直最初は1で声が裏返ったり、恥ずかしげもなく「Love」と連呼する表題曲2などに抵抗を覚えた記憶がある。当時は誰もが時代遅れと感じてちょっと口にするのを憚られた70年代の「Love & Peace」という空気を恥ずかしげもなく前面に出していたし、ギターはフライングVだし、ファッションも裾の広がったベル・ボトムだったりしたので、今考えるよりももっと奇異な感じで捉えていたのだろう。その頃、巷ではまだスリムのストーン・ウォッシュのジーンズ(!)が流行っていたのだ(←今はコレの方が恥ずかしい…)。

    デラックス盤となると気になるのはボーナス・トラック。1枚目にはデモ音源が追加収録されているが、あまり感触は正規発表ヴァージョンと変わらない。もともとスタジオで全部自分で演っちゃうような奴だからある程度出来あがっているのだろう。2枚目にはライヴ音源(90年、89年)を収録。特にライヴ音源は当時の彼の勢いがよく分かる好ライヴで素晴らしい。最後の2曲は音飛びで聴けず(涙)。←そう、これが激安で手に入れた理由なのです。

    中古店にて購入(¥315)

  • CD (2009/3/27)
  • Disc: 2
  • Format: CD, Original recording remastered, Import
  • Label: Virgin Records Us
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    とんとん亭 @愛知県犬山市 (※閉店)

    2014年01月11日 | 愛知県(尾張)

    定期的に用事があり、よく訪れる愛知県犬山市。でも食事をする店を探すとなると自分としては結構苦労する土地。良い店もあるのだけれど、チェーン店が多いのと、男1人で入り辛い店(カフェとかイタリアンとか)が多いのが難点。チェーン店は基本興味がないし、嫁や娘を連れていない事が多いので意外と選択肢が少ない。一番入り易いラーメン屋で評価出来る店は無い(偉そうにスイマセン)。そんな中、人気のあるとんかつ屋がここ「とんとん亭」。駅周辺からは外れた郊外にあるが、盛りの良い定食で人気の店。昼時に通った事はないのだが、ランチでも満員だとか。

    いつ頃から営業しているか知らないが、店内は相応に年季が入っている。広めの厨房をカウンターで囲んでいて(テーブル席もある)、厨房内は5人程で切り盛り。この夜も盛況で、次々と客が入れ替わってとても活気があった。「わらじカツ」(未食)が名物とのことだが、この日はあまりお腹が空いていなかったので、個人的に好物の「かきフライ」を注文。

    まずサラダが運ばれてくるが、これが結構なヴォリューム。玉ねぎのドレッシングは自家製かな。旨い。そしてかきフライ。サイズは揃っていないがなかなかの大きさの粒で9個も盛られている。ご飯は小どんぶり、味噌汁(この辺りでは珍しく赤だしではない)も普通サイズで、さすがに盛りの良さは評判通り。かきも二つ程あまり香りの良くないものがあったが、他の味は問題なし。ソースとタルタルソースで平らげた。カウンターの隣りの人が頼んだわらじカツを見て、この日は注文せずに正解だった事を知る。大きめのアルマイトの皿にカツがこれでもかとのっている。いつか本当に腹ペコの時にしよう…。

    メニューの豊富さや、組み合わせる事の出来るサラダなどのサイド・メニューが豊富な事、そして手作り感の伝わる調理と味で、人気なのも頷ける。食欲旺盛な若い子でもここの盛りだったら満足出来るだろう。この日座った席ではちょっと歓迎出来ない排水と思われる臭いが気になったのが残念だったが、今度こそはわらじカツに挑戦してみよう。(勘定は¥1,050)

    この後の記事はこちら (2

     

    とんとん亭

    愛知県犬山市五郎丸字堀端4-3

    ※ 令和3年8月を以って閉店されたようです

     

    ( 犬山 いぬやま 洋食 とんとんてい 閉店 廃業 )

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    2009 Remasters (Promo) / The Rolling Stones

    2014年01月10日 | クラシック・ロック

    Stones

    2009 Remasters (Promo) / The Rolling Stones (2009)

    ユニバーサルで2009年にリマスターされたローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の70年代以降のカタログのサンプラーとしてEUで出回ったプロモ盤(非売品)。もちろん目新しい曲が収録されている訳ではないが、ジャケがかっこ良かったのと、選曲が意外な点が興味深くて購入。自分がCDを揃えたのは1994年のヴァージン盤(Bob Ludwigリマスター)なので、ユニバーサル盤マスターでこれらの曲を聴くのは初めて。プラケースではなく折りたたみのカードボード仕様。

    ストーンズの代名詞でもあるベロのマークはもうありとあらゆる派生デザインが出尽くしていて、もうこれ以上いじらなくても普通でいいのに、と思っていたので(笑)、このデザインは気に入った。ま、それでもベロ・マークの周りはベロ・マークをデザインしたものですが…センスは悪くない。

    気になる曲目は、71年の「Sticky Fingers」から最近作の2005年「A Bigger Bang」までの作品から1曲づつ選ばれている。名盤の誉高い72年の「Exile On Main St.」から選ばれていないのは、同時期(2010年)にデラックス盤で様々な仕様が発表されるスケジュールだったからだろうか。ちょっと不可解というかバランス悪い。そういえば「Exile~」って今でこそ名盤の扱いだが、自分がストーンズを聴き始めた1980年頃でさえ、「通」受けこそすれど、こんなに持ち上げられておらず、一般的にはやや掴みどころのないアルバム扱いだったはずだ。

    いきなりアルバム・トップの曲らしくない1から始まるのが意外で面白い。このプロモ盤がどんな意図を持って選曲されたのか全くの謎だが、ファンならこういうコンピ盤の選曲を一度はやってみた事があるはずだし、事実自分も昔はレコードからカセットに好きな曲を入れて編集盤を作っていた(どこかに残っているはず…)。収録時間の限られるベスト的選曲ならどうやっても選ばれる事のないだろう6、9、10あたりが聴きどころか。うーん、やはり「Exile~」から1曲入れて欲しかったな。ここの2曲目に入れるなら何だろう? ベストには入らないがストーンズらしい曲…「All Down The Line」なんかどうかな。それとも曲調の変わるカントリーの「Sweet Virginia」の方がまとまりがいいか…。

    あぁ、こうやって考えるの、楽しいわ、やっぱり(笑)。

    01  Moonlight Mile   
    02  Dancing With Mr. D   
    03  Time Waits For No One   
    04  Hot Stuff   
    05  Beast Of Burden   
    06  Let Me Go   
    07  Hang Fire   
    08  She Was Hot   
    09  Winning Ugly   
    10  Break The Spell   
    11  Thru And Thru   
    12  Saint Of Me   
    13  Rain Fall Down 

    オークションにて購入(¥1,038)

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    東筑軒 @福岡県福岡市・博多駅

    2014年01月09日 | 福岡県

    昨年の北九州出張。充分食べ尽くしたと思いきや最後の最後。帰りの新幹線が名古屋へ行くまでの間がちょうど夕飯時になるので、折角ならと、この地方の有名な弁当屋の弁当とお酒でも購入して車内でいただこうと博多駅付近をウロウロ。

    どこを歩いてもお土産と弁当、お惣菜の店があり、目移りしてしまいますが、まず自分が向かったのは普通のスーパー。その土地で本当に親しまれている食材や調味料を確認するにはお土産屋さんではなく、地元の人も使うスーパーが一番。なので、旅先ではなるべくスーパーに入る事にしています。ここで、一回り見ておくと、いわゆるお土産屋さんに置いてある製品やメーカーと、一般の人が普段使いしているものとの違いをある程度知る事が出来ます。この日に自分が買い求めたのは、九州特有の甘い味が興味深かった醤油と、お土産でないごく普通の高菜漬、それに地元の八女茶。スーパーで売っている物は価格も量も適量なので気の置けない方ならお土産としてもお勧めですよ!

    そして肝心のお弁当。ここはベタだけど博多駅構内で東筑軒のちょっと豪華な「大名道中駕籠かしわ」を購入。大正10(1921)年から立ち売りの弁当を始めたという老舗です。お酒は近所の酒屋で福岡の酒造「萬代」の小瓶を購入。お店の人に「小さいカップはありませんか」と尋ねるとさすがにちゃんと用意されていた。さすが駅近。

    そういえば列車での弁当は久しぶり。幸い新幹線は空いていたので周囲ににおいなどで迷惑をかけることなくゆっくりいただいた。残念ながら車窓からの眺めは暗くなって望めないので弁当に集中(笑)。紙製の箱は大名駕籠のような形になっており、籠の持ち手のところに箸が入っている。2段になっており、甘い味付けのかしわと錦糸玉子、海苔の3色に分かれたご飯とおかずに分けられている。まぁ、おかずはごく普通の弁当ものだがやはりご飯が特徴的。味のついたご飯でお酒をやるっていうのも結構好きで、最後までおいしくいただいた。(勘定は¥1,350)

    福岡県福岡市博多区博多駅中央街1-1 博多駅構内

    (とうちくけん 株式会社東筑軒 ばんだい)

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    ロック画報 10 「RCサクセションに捧ぐ」

    2014年01月08日 | 雑誌付録CD

    Rc

    まだ忌野清志郎が存命時にブルースインターアクション社から発売されたCD付ムックの10号。副題は「RCサクセションに捧ぐ」としてRCサクセションの歴史と音楽性をメンバー、元メンバー、関係者のインタビューや記事で振り返った密度の濃い特集記事。元メンバーの破廉ケンチと清志郎が一緒にインタビューを受けているのもすごいし、ディスコグラフィーも完備して今読んでも充分に楽しめる内容だ。以前この号は購入して持っていたが、事情があって手放したので、また読みたくなって再度購入した。

    なんといってもこの雑誌の素晴しいところは未発表音源を付録CDとしているところ。以前、05号「最も危険なロック」という頭脳警察と村八分の特集号でも記事にしたが、権利関係とか大変だろうに、よくクリアしたなと感心する。この号のCDの内容もすごい。初期のRC(清志郎・林小和生・破廉ケンチ)の未発表ライヴ音源だ。フォークのくくりで登場したRCがその枠に納まらず、ライヴの過激さもあってジャンルからはみ出て売れなくなったり、レコード会社や事務所から干されていた時期があるのは有名。当然その時期のライヴ音源が発売されることはなかったが、ここに初めて登場した。当時から清志郎の声は独特で、一瞬にしてステージの雰囲気を変えてしまう力を持っている事が分かる。オフィシャルでこの頃の録音テープはしっかり残っていないようで、最近発売されたオフィシャル・ブートレグでも元はカセット音源らしい(出所も同じようだ)。

    自分の愛聴したRCのアナログ・レコードに「HARD FOLK SUCCESSION」というコンピ盤があったが、ここで聴けるRCはまさに、既成のロックに対するハード・ロック、既成のフォークに対して「ハード・フォーク」といった感じでやっぱり周りと違う。自分はもちろんその時代の人間ではないので、全てを網羅している訳ではないが、あの頃のフォーク、ニュー・ミュージックのヴォーカリストでここまでシャウト出来る人は果たしていたのだろうか。

    1.つまらない仕事
    2.ぼくとあの娘
    3.忙しすぎたから
    4.内気な性格
    5.もっと何とかならないの?
    6.ぼくの自転車のうしろに乗りなよ

    オークションにて購入(¥1,118)

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    大勝軒 @岐阜県岐阜市

    2014年01月07日 | 岐阜県(岐阜)

    言わずと知れた「東池袋大勝軒」の流れを汲む暖簾分け店。自分はその歴史にそんなに詳しくはないが、東池袋大勝軒の元主人である山岸一雄氏はレシピの公開に関してとてもオープンで、色んな雑誌や専門誌にその作り方を詳しく露わにしているくらいで、行列を作るラーメン店として評判の最中でも、一夜漬けの人や電話での質問を含めて、かなりの数の人に親切にもレシピを教えたそうだ。すごい事ですね。ここ岐阜の店主は直接教えをいただいたようで、「大勝軒のれん会」にも名を連ねている。

    この店は開店が2001年頃との事なので、この界隈(名古屋を含めて)ではかなり早い時期からつけ麺(この店では「もりそば」)を提供した店ということになる。当時はまだつけ麺がどういうものかという認知がされていなかっただろうし、今のように多種多様なつけ麺が乱立していなかったので、大勝軒と現在世間一般に定着した濃厚豚骨魚介系のつけ麺を一緒に論じると「ちょっと違う」ということを念頭に入れる必要があると思う。というのも、この岐阜の店に関する昨今のブログなどの評価は不当に低く、曰く「麺が柔らか過ぎる」、「水切りがなされていない」、「ぬるい」、「味が薄い」、「玉子が半熟でない」、などと酷い評価が与えられている事が多いのだ。それらの仕様の全てが山岸氏によって「わざわざ」なされた事で、この岐阜店でもその教えをたぶん忠実に守っているだけだというのに。

    自分が最初にここを訪れたのは濃厚系のつけ麺がこの地方でもちらほら出来始めた頃なので、それらの店と比べると、確かに時間はかかるし、予想したより麺が柔らかいし、味は薄めだし、でも食べきれるかなと思うほど量は多いし(当時比)、とその頃に流行り始めた他店とは別物だった。正直自分も最初は良さが分からなかった。その後、ここの中華そばを食べて印象は変わるのだが、「あぁ、こういう事なのか」と合点がいくようになったのは、自分がこの地域のほとんどの有名店や、首都圏のラーメンを食べまわり、何かの媒体で山岸氏のインタビューを読んで、上記の仕様が全て氏の想いがあってなされていると分かってから。特に5年程前から濃厚が売りの店ばかり乱立して食傷気味になってからだ。

    以前と比べると行列は少なくなったような気がするが、根強い人気があり定着している。店に入るとカウンターと小上がりがあり、基本的に店主1人が調理作業をしていて、給仕を複数女性に任せている。麺の茹であげには珍しく大ざるを使い、ある程度の数の注文は一緒にこなしていく。もりそば、中華そばのどちらの場合でも提供までには割合時間がかかる事が多いので、昼休み時とかは要注意。柔目の麺が甘酸っぱいスープに絡まり、喉越し良くスルスルと腑に落ちる。麺量もスープもかなり多いのであまり食べられない人はあらかじめ少なめで頼んだ方がいい。麺の水分も加わりマイルドになったつけ汁はやさしく、濃厚系を食べ飽きて、だんだんクドく感じるようになってきた自分のようなおじさんにはぴったり。この歳になってやっと旨いと感じられるようになった訳だ。ただつけ汁やスープの印象は以前よりもやや食べ易く、分かり易い味に寄ってきた感じはするが。

    猫も杓子も、という状態の最近の濃厚なつけ麺やラーメンに飽きた方にこそ、いまお勧め。

    この後の記事はこちら

    大勝軒

    岐阜県岐阜市茜部菱野3-51-1 1F

    (岐阜大勝軒 岐阜・大勝軒 ぎふたいしょうけん たいしょうけん)

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