ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Sound Of The Jam / The Jam

2016年04月10日 | パンク・ニューウェーヴ

The Sound Of The Jam / The Jam (2002)

ザ・ジャム(The Jam)のディスコグラフィーは、初期のシングルやBBC音源の他、4枚目のオリジナル・アルバムまではアナログで、CDになってからは1983年のCompact SNAP!」というベスト盤1枚で愛聴していた。ただ「Compact SNAP!」は2枚組のアナログ収録曲を時間の関係上削っていたはず。その後はオリジナル音源をまるっと収録した5枚組ボックス・セットを購入した後、永らく聴いていなかったが、最近オリジナル・アルバムをCDで買い直したりしていて、安価だったこともあってついこの編集盤も手に入れた(よく考えたらボックス・セットがあるんだからどれも必要ないナ…)。2002年の編集だから、90年代のドンシャリ・リマスター(当時アナログ発売音源をCD化するに当たって、高音と低音を作為的に強調するリマスター作業が流行った)期を抜け、ごく自然に聞こえるのは有り難い。

選曲はちょっと変わっていて、いわゆる有名曲の収録はほどほどで、前述のベスト盤と比べても26曲中10曲かぶっているだけ。自分の好きな初期音源が少ないのは、彼らの音楽的評価からいって中・後期の方が評価が高いので仕方がないだろう。そんな中・後期でも、らしさを残しつつ少しマイナーな曲(シングルB面曲など)が選ばれているのが特徴。しかもいわゆる通常のヴァージョンでないものを織り交ぜていて、全部揃っているファンにも対応している。彼らのデビュー25周年を記念してコンパイルされた企画だったので過去のベスト盤と毛色の違った編集を目指したのだろう。通して聴いてみるとなかなか新鮮でいい。アナログ、シングル、CDと色々持っていながら、初期に思い入れが強すぎて自分が今までしっかり聴いてこなかったことを改めて認識。

中古店にて購入(¥180)

 

  • CD (2012/6/20)
  • Disc : 1
  • Label : USMジャパン
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天ぷらとワイン 小島 @名古屋市中村区・柳橋

2016年04月09日 | 名古屋(中村区・西区)

名古屋駅からすぐの柳橋市場の中にあるまだ新しい店「天ぷらとワイン 小島」。ものすごくそそられるシチュエーションだけに、せっかくなら朝(8時から営業)に天ぷらとワインを楽しもうと出掛けたのだが、休みが取れた日がたまたま休市日。HPの営業案内で確かめると休市日でも特に休みではないようなので、早い時間から出掛け、人気の無い暗い市場に足を踏み入れて店の場所まで来ると、透明なビニール・シートで仕切ってあるだけの店にちゃんと灯りが点いて、人が居る。でも訊いてみると休市日は昼の営業だけなんだとか。えーっ!ガッカリ…。書いといて欲しいな、そういう重要な情報はHPに…。貴重な平日休みの大切な時間が…。仕方がないので日を改めて訪問。ただ朝は無理なのでランチ・タイムに店へ。すでに何人もの客がカウンターを囲んでいて、横のテーブル席にも客が座っている。

ビニール・シートを開いて中へ入りカウンターに腰を下ろすと主人に「お酒を召し上がりますか?」と訊かれたので、せっかくだしと「ハイ」と返事(最初から呑む気だったくせに)。ただし、つまみは一部を除いて注文出来ず、天ぷらも定食の盛り合わせ(=お好み天定食)しか無理なのだとか。呑む気満々の気勢をそがれたが、ハウスワインの白を注文し、好物のホタルイカ(白と合うかどうかは別として)を注文。次々に客がやってきて定食を注文していく。詰めて座っているので落ち着かない。もう自分も天ぷらをいただいちゃおうと、盛り合わせを注文し、ワインをもう一杯追加した。天つゆと皿が用意され、塩はカウンターに置いてあるものを使う。天ぷらはカウンターの上のステンレス製バットに揚がったものから置かれていく。この日の品は、めごち、海老、かしわ、レンコン、サツマイモ、茄子、竹輪(順不同)。旨い。旨いけれど、せっかく市場に来ているんだからもう少し海のものを食べたいなァ。次は何とかして夜(あるいは朝?)に来て、思う存分海のものを楽しみたい。(勘定は¥2,300程)

↓ 店が入っている柳橋中央市場の「マルナカ食品センター」のビル。

↓ 名駅の西側の旧・中村遊郭跡「大門(おおもん)」近辺を散策。下左は放置されているように見える「旧・料理旅館紫水」(大正12年頃・1923・建造)。下右は中島町にて(詳細不明)。

 

↓ 現在は蕎麦屋「伊とう」が使用している「旧・牛若楼(旅館牛わか)」(大正12年頃・1923・建造)。こうして綺麗に再利用されているのは素晴らしい。待ちがあり、入るのは次の機会に。

 

天ぷらとワイン 小島

愛知県名古屋市中村区名駅4-15-2 マルナカ中央市場総合食品センター

( 名駅 めいえき 柳橋 やなぎばし 柳橋市場 柳橋中央市場 こじま 天麩羅 天婦羅 てんぷら 場内 近代建築 中村遊郭 大門 おおもん 妓楼 妓楼建築 蕎麦いとう )

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Empyrean Isles / Herbie Hancock

2016年04月08日 | ジャズ

Empyrean Isles / Herbie Hancock (1964)

「訳も分からずブルーノートのアルバムを激安で買っちゃったよ」シリーズ第9弾は、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)、ブルーノートでの4枚目のリーダー・アルバム。収録曲の中で突出して有名な曲が「Cantaloupe Island」。元々キャッチーな有名曲だったが、1993年にUs3によってサンプリングされてから、ダンス・ミュージック愛好者を中心とする若い世代(いわゆるクラブ・ミュージック世代)の認知度が飛躍的に上がった。自分も当時そのUs3のアルバムを購入して、新しいジャズの解釈に興奮した覚えがある。彼ら(Us3)は確かブルーノートの音源を自由に使っていいパーミッションをもらっていたんじゃなかったっけか。そんなダンサブルなアレンジを聴くまでもなく、この曲独特のピアノ中心のリズムは独創的、都会的でかっこいい。

ただこのアルバム、「Cantaloupe Island」だけでなく、他の曲もすごい。疾走する冒頭の1、クールな2、件(くだん)の3、ちょっと不穏な響きのある長尺の4、とどこを切り取っても素晴らしい。パーソネルはこちら(↓)。

Herbie Hancock − piano
Freddie Hubbard − cornet
Ron Carter − bass
Tony Williams − drums

そうフレディ・ハバードを除いてマイルス(Miles Davis)のクインテットの連中。あのマイルスとの活動と並行しての作品なのだ。どれだけ濃密(ハード)な時を過ごしていたんだか。恐ろしや。

中古店にて購入(¥180)

  • CD (2004/12/8)
  • Disc : 1
  • Format: Limited Edition, Original recording remastered
  • Label : EMIミュージック・ジャパン
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RACCONTO (ラコント) @岐阜県岐阜市 (2)

2016年04月07日 | 岐阜県(岐阜)

知らないうちに復活していたジェラート屋「ラコント」に娘を連れて再訪。娘はもちろん昔の店は知らないから(生まれてもいない)、こちらのジェラートを食べるのは初めて。店に車で乗りつけると駐車場に空きがあるものの、盛況。店の中はもちろんだが女性ばかり。最初は2色か3色にしようと思っていた娘の背中を押して「レインボー」という7種盛りを勧める。自分は「いちご」と人気の「パイパイパイ」というパイ生地が中に混ざったものを注文した(これ注文しづらいナ…)。娘が満面の笑顔で次々とケース内を指差してを味を選んでいる。以前は下の看板写真のように、コーンの上に器用に7種類のせられていて落とさず食べるのも難しかったが、今は店員から事前に皿盛りになると説明された。ごそっと落としちゃったりした人がいたのかな。

自分の注文したジェラートは安定の旨さ。いちごはフレッシュ感たっぷりで、舌触り、溶け具合も申し分なし。パイパイパイ(赤面…)は、口に残るパイ生地がアイスクリームと相まって食感が面白い。娘の頼んだ味が何だったかはほとんど覚えていないが、「ウマーッ」とはしたない声を出しつつ次々と口に放り込んでいた。少し味見させてくれたものの、ほとんど1人でぺろっと平らげた。こんなもの女子高生にしたら別腹以前の問題なんだろう。帰ってから嫁に報告したら、なぜお土産を買ってこない、と叱られた…。(勘定は¥1,010)

以前の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3

Gotoya Dolce RACCONTO (ラコント)

岐阜県岐阜市美園町2-11

 

( 岐阜 ぎふ ラコント 後藤家 イタリアンジェラート stracciatella ストラッチャテーラ アイスクリーム ジェラテリア GELATERIA 徹明町 )

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ヴィンテージ・トラブル @名古屋・ダイアモンドホール

2016年04月06日 | ライヴ(日本公演)

ヴィンテージ・トラブル (4月5日 名古屋・ダイアモンド・ホール)

前回のライヴから1週間と置かずに、またライヴ(嬉)。今度は大注目のヴィンテージ・トラブル(Vintage Trouble)。会場は新栄のダイアモンド・ホール。ビルの5階にあり、キャパはそう大きくない(スタンディングで1,000名だそう)。入場者は階段に並ぶので、売れ行きの状況は会場入りするまで分からないが、中に入ってみると、うーん、ちょっと少なめ。自分も去年までは知らなかったので偉そうなことは言えないが、注目株でも洋楽はこの程度か…。ポスターとかフライヤーとか全然見なかったもんなァ(呼び屋はもっと努力しろっ)。開演までのBGMはマディ・ウォータース(Muddy Waters)やジミー・リード(Jimmy Reed)のブルースや、アイク&ティナ・ターナー(Ike & Tina Turner)などのR&B中心(ちなみに追い出しはレッド・ツェッペリン)。これで大体のテイストが分かるというもの。

この日は前座(サポート・アクト)があり、日本のバンド「Scoobie Do」が演奏。若く見えてキャリアは長いらしく、ヴィンテージ・トラブルの面々と以前の来日時に面識もちゃんとあるそう。このバンドの演奏がなかなか良かった。骨のあるファンキーなロックで、演奏も小気味良く、ヴォーカルもしっかり会場を盛り上げていた。音作りやステージ・スタイルのセンスも良く、ヴィンテージ・トラブルの前座にぴったり。

時計の針が8時半を指した頃、やっとメインのヴィンテージ・トラブルがタイトなスーツをビシッと決めて登場し、開演。いきなりギアをトップまで上げて、大丈夫かというくらいの高いテンション。桜の花を胸に飾ったタイ(Ty Taylor)のヴォーカルは、生で聴くとやはり凄い。狭いステージを駆け回り、アクションもド派手。JB(James Brown)とリトル・リチャード(Little Richard)を合わせた感じって言ったら言い過ぎだろうか。だがこのバンド、バックの3人が負けず劣らず良かった。3ピースなので持ち玉は多くないだろうに、タイトな演奏で、バンド・アンサンブルが素晴らしい。そして何よりファッションを含めた立ち姿がめちゃくちゃかっこいい。

 

MCの内容からも分かるがこのバンド、「音楽の力」を信じ切っていて、ピュア過ぎて眩しいくらい。今どき珍しい。でなきゃ歌詞知ってるかも分からず、誰も歌わないかもしれないのにマイクをオフにして観客にシンガロン(sing-along)させないよなァ、日本人に…(過去にうっかり日本人に歌わせて、盛り下げてしまったバンド数知れず)。もちろん盛り上げ方も上手いのだが、日本人が英語で上手く歌えないなんて、全く気にせず、強引に勢いで口を開かせてしまうのだからエライ。観客も多くないのに(フロアーで他の客と体が触れない…)客席の後ろまで全身汗だくで駆け回り、観客の中にダイヴしてサーフィンするんだから勇気ある。またそれをスーツでやるからかっこいいのだ(知らなかったが彼、なんと現在46歳!)。なんだか清々しい。

 

時にジミー・ペイジ(Jimmy Page)を思わせるようなギターを弾くナル・コルト(Nalle Colt)、クラシックな低いドラム配置でビシビシ決めるグッドルッキンなドラマー、リチャード·ダニエルソン(Richard Danielson)、ノッポで存在感ばっちり、このバンドの音が好きでしょうがないといった風情で微笑ましいベースのリック·バリオ·ディル(Rick Barrio Dill)、そして全身エネルギーの塊のようなタイ・テイラー。バンドの一体感が完璧。演奏時間は1時間20分くらいと長くはないが、濃密な楽しい時間だった。エエもん見た。

 

 

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Maria Muldaur / Maria Muldaur

2016年04月05日 | クラシック・ロック

Maria Muldaur / Maria Muldaur (1973)

マリア・マルダー(Maria Muldaur)に関しては年下の音楽好きな友人に勧められるまで全く知らなかった。「このアルバムは必須っすよ」と言われていたのだが、なかなか手を出さず、ふと思い出して買ってみた次第。えらく人数が多い参加ミュージシャン(下参照)をクレジットで確認すると、どうして今まで自分のアンテナにヒットしてこなかったのかというくらい、折に触れて聴いている面々が揃っていた。60年代から活動しているとはいえ、どうして初のソロ・アルバムにこれだけ豪華な面子が揃ったのか興味深い。

Ry Cooder - acoustic guitar
David Lindley - Hawaiian guitar
Dr. John - keyboards
Jim Dickinson - piano
Klaus Voormann - bass
Jim Keltner - drums
Jim Gordon - drums
(※抜粋)

とてもリラックスした雰囲気で始まるこのアルバムは、全編アコースティックな手触りで、フォーク、カントリー、カントリーブルース・タッチの曲が多く、取り上げた曲もそういったジャンルの作曲者から選ばれている。ビルボードのポップ・チャートで6位と大ヒットした2をはじめとして、強い個性がある曲は無いが、聴いていて心地良い。70年代らしさがいっぱい。彼女のヴォーカルはものすごく声量があるという訳ではないが、特に高音を出した時になんとも切ないというか、独特の雰囲気があって心に残るのだ。

amazonにて購入(¥680)

  • CD (1995/1/27)
  • Disc: 1
  • Format: Import
  • Label : Reprise / Wea
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ほっとこ @岐阜県関市 (※閉店)

2016年04月04日 | 岐阜県(中濃)

岐阜県関市の古い通り、大門町にある居酒屋「ほっとこ」で知人と飲み会。まだ5年くらいの新しい店。昔は賑やかだっただろう商店街も、役目を終えて現在は住宅街になりつつある。そんな中にモダンな意匠の店があり、向かいにある仏壇店のご子息がやっているのだとか。この日は幹事役にお任せなので、座って呑むのみ。奥の掘りごたつ風の小上がりに案内され、生ビールから乾杯。寒いのでさっそく日本酒に切り替えようとするも、メニューを見ると焼酎やカクテルは揃っているが日本酒にはあまり力を入れていない様子。一応訊いてみると、あるとの事だったので燗をつけてもらう(でもこういう場合は大したことない場合が多い)。

「創作ダイニング」と称しているので、アジアンな小品、刺身、チーズ系のつまみ、出汁巻き玉子などいろいろな物が出てきた。無駄話で盛り上がりながら次々と平らげる。酒はもう何度お代わりをお願いしたか分からないが、気分でカクテルに替えてみる。こちらの名物料理は「ひきだし鍋」。ステンレス製の四角い鍋にホルモンやつくねと野菜を入れて卓上コンロで煮込むもの。最初は山と積まれたもやししか見えなかったので「何コレ?」と訊いてしまった。もやしの下にスープと共にホルモンなどが隠れていた。豚骨ベースらしきスープで、しっかりと味が付いているので、何もつけずそのままグツグツと煮立ってきたところをみんなでつつく。旨い旨い。締めはうどんか中華麺を選べるので中華麺を選んで綺麗に平らげた。

幹事がこの店に慣れた人だったからかもしれないが、料理、食べ方の説明がおざなりだったり、給仕する女性の皿置きが雑だったり、と気になるところはあったが、楽しい時間を過ごすことが出来た。でも、もう少し日本酒もあるといいナ。(勘定は¥4,000程)

この後の記事はこちら

 

↓ 店の近くにある古い家屋。長良川鉄道(旧国鉄)関口駅の横で、煙草屋兼自転車預かり所だったよう。間口が広いので以前は料理屋か何かだっただろうか。2階屋根の軒下には隣にあった大衆食堂の古い看板が。すぐ近くには妓楼建築(のち改造しスナック)も発見。さすが旧国鉄駅周辺。

 

 

創作ダイニング ほっとこ

岐阜県関市大門町2-13

( 関市 関 せき 大門町 だいもん ほっとこ 居酒屋 ひきだし鍋 引出し鍋 引き出し鍋 無国籍料理 創作料理 )

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芳光 @名古屋市東区・徳川 (2)

2016年04月03日 | 名古屋(東区・北区)

日曜定休なのでなかなか行く機会が、と思っていた御菓子所「芳光」。祝日は営業だと知って、思いのほか早く再訪する機会が訪れた。強い日差しで、もう春かと思えるほどの陽気の中(注・訪問時2月)、車を横の駐車場に停め店内へ。この日は店内で飲食をしている客が3組も。自分の前には自転車で訪れた若い母親とまだ幼稚園位の子供の客。何かの用で店の人に包んでもらうお菓子を相談をしている母親に対して、ショーケースを覗いた子供が、

「ママ、このお店高いのばっかりだねー」

と子供らしくはっきりと大きな声で発言し(笑)、店中が凍りついてしまった。そりゃそうだ、おじさんもそう思うよ、と心に飲み込みつつ選んだのは、定番のわらび餅と「下萌」と名付けられた練り切り。それに小さい子が、

「あ!これなら買えるかもー」

と指差していた(涙)「貝づくし」と名付けられた落雁。いたたまれなくなったのか、何も買わずに店から退散した親子に心を痛めつつ、家に持ち帰る。

女性陣(嫁・娘)と包みを開ける。定番のわらび餅は、中にあんこが入ったもの。相変わらず柔らか過ぎて箱から取り出すのもひと苦労。頬張ると、餅とこし餡が口の中で溶けて無くなっていく。何度食べても旨い。艶やかに照りの付いた「下萌」の中はつぶ餡。「さるや」の黒文字(楊枝)で切って口の中に入れると何とも言えない滑らかな感触。自然とあんこの風味だけが口の中に残る。旨い。茶席に慣れた嫁と違い、練り切りを食べる機会が少ないので嬉しい。ひと口食べたところで、抹茶を点てなきゃとあわてて用意。我流で下手くそなので(いつまで経っても適量が分からない)ちょっと苦い抹茶と一緒に楽しんだ。和三盆糖で作られた「貝づくし」は貝の型で押してあり、色とりどり。口に含むと独特のニッキのような香りが少し。これは後日煎茶でいただいた。ところで和三盆って舐める?噛む?(勘定は¥2,000程)

前回の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3

御菓子所 芳光

愛知県名古屋市東区新出来1-9-1

 

( 名古屋 名古屋市 なごや 徳川園 出来町通 よしみつ 蕨餅 わらびもち わらび餅 こし餡 つぶ餡 練りきり 練きり 貝づくし 和三盆糖 落雁 干菓子 塩芳軒 川口屋 )

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1 Hopeful Rd. / Vintage Trouble

2016年04月02日 | オルタナティヴ・ロック

1 Hopeful Rd. / Vintage Trouble (2015)

今月に来日公演を控えている、いま最も熱いバンドのひとつと言っていいヴィンテージ・トラブル(Vintage Trouble)。公演(4/5・名古屋・ダイヤモンドホール)を控えているのでレヴューの順番を繰り上げてこちらを先に。様々なジャンルの音楽に精通していらっしゃる旧一呉太良さんのブログで初めて知って、You Tubeでライヴ映像をちょっと見てみたら、その爆発的なエネルギーと、目茶苦茶かっこいいスタイルにいっぺんでやられてしまった。すでに来日実績もあり、ストーンズとAC/DCの前座もやっていたらしいのに、今まで全然知らなかったのが恥ずかしい…。ヴォーカルのタイ・テイラー(Ty Talor)以外は白人男性。このタイ・テイラーのパフォーマンスが熱いのなんの。エネルギーの塊といったかんじ。ただ、ヴォーカリストが凄いだけならよくあるバンドだけれど、バックの連中も目茶苦茶かっこいい。全員タイト・スーツでビシッと決めて、ブルース・フィーリング溢れる何とも味のあるいい演奏をするのだ。音楽性からいったらかなりベタで、もっと古臭く感じてもおかしくないのだが、彼らの場合はしっかり「今」の音になっているのがイイ。1周回って新しいと言うべきか。

ロック・ファンにはファーストから入った方がベターと旧一呉太良さんからアドヴァイスをいただいていたのに、このセカンドを先に購入してしまった(結局すぐにファーストも買ったけど)。何とこのアルバム、かのBlue Noteレーベルから発売されている。ま、今のブルーノートはユニヴァーサル傘下に入り、ディラン(Bob Dylan)やストーンズ(The Rolling Stones)と仕事をしているドン・ワズ(Don Was)が関わっているから不思議ではないか…(このアルバムのプロデュースも)。後に聴いたファーストと比べると、荒々しさは控えめでしっとりとした曲も多いが、引きの強い曲もしっかりあって楽しめる。アルバムの構成としてはもう少し最後が何とかなったような気もしないでもないが…。濁り酒が好きだという(笑)タイ・テイラーの熱いパフォーマンスを目撃する日も近い。今からメチャクチャ楽しみ!

amazonにて購入(¥1,393)

  • CD (2015/8/14)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : Blue Note Records

 

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朝日屋 (2) @岐阜県大垣市

2016年04月01日 | 岐阜県(西濃)

「ねじりまんぽ」と聞いたら何か分かる人はどのくらいいるだろうか? ポッと頬を赤らめる人もいるかもしれない(いないか)。大丈夫、そっち方面には行きませんよ(笑)。自分も全然聞いたことがなかったのだが、本で日本の近代化遺産を調べていたら名前が出てきた。これ特殊な煉瓦積み橋梁(実質はトンネル)の呼び名だそうだ。しかも全国で現認出来る場所は30箇所程度しかなく、そのうちの4箇所は岐阜県内にあるとのこと(愛知県には無いはず)。すぐに見に行かなくては、と勇んで出かけた次第。写真は下を見ていただくとして、その後の腹ごしらえ。東海道本線近辺から大垣市街に入り、以前に中華そばをいただいた「朝日屋」へ。近くの駐車場に車を停めて店の暖簾をくぐると、昼の開店時間直後にも関わらず、広くない店内にはすでに先客が3組。人気あるなァ。この日はカツ丼に決め打ちだったので、土間のテーブル席に座るなりカツ丼を注文した。

日頃、岐阜県内に点在するカツ丼の亜種を食べ歩いているが、こちらのカツ丼は「とじ玉子のせ」タイプ。カツ丼の亜種はタイプが同じでも出来上がりが全然違ったりするので配膳されるまでもワクワク。丼ぶりに入って、2切れのたくあんと一緒に登場したカツ丼は、カツの上に泡立つほどにフワフワな、出汁でとじた玉子がのっていた。これは旨そうだ。カツはしっかりめに揚げられており、つゆはご飯にたっぷりかかっている。アッツアツなのでお約束通り軽く上顎に火傷を負いながら口に運ぶ。ふわっとした玉子とカリッとしたカツ…旨い。つゆは香り良く淡い色でやや甘め。カツの衣と合わさると独特の甘さが増幅されて箸が止まらない。あっという間に平らげた。(勘定は¥670)

以前の記事はこちら

この後の記事はこちら

 

↓ これが件の「ねじりまんぽ」。揖斐川を渡る東海道本線の両側に現存していて、こちらは大垣市側の「甲大門西橋梁(こうだいもんにしきょうりょう)」(明治20年頃・1887・建造)。

 

↓ トンネル内部の写真。一見普通の煉瓦積みトンネルに見えるが、綺麗にねじれているのが分かる。線路などの土手に斜めに道を通すアーチ状の橋梁(斜拱渠・しゃこうきょ)に強度を持たせる為に成された工法なのだとか。

↓ こちらは揖斐川を越えて反対側(東)の穂積市にある「甲中吹橋梁 (読み方知らず)」(明治期・建造)。ちなみに近くには普通の(ねじりまんぽではない)煉瓦拱渠(こうきょ)も現存します。

 

↓ ねじりまんぽの中に入ると不思議な感覚に…。トンネルを抜けると、どこか違う次元に抜けそうだ…。ついこの間までちょんまげだったというのに明治の職人ってすごいなー。近代建築好きにとって揖斐川近辺はいろいろと面白い場所です。

 

 

朝日屋

岐阜県大垣市東長町40

( 大垣 大垣市 おおがき あさひや かつ丼 穂積市 ほづみ ねじりまんぽ ねじりまんぼ 拱渠 こうきょ 煉瓦拱渠 甲中吹橋りょう 甲大門西橋りょう )

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