そろそろ 夏の疲れが出てきますね。
夏の暑さで、体力を消耗しています。 免疫力も下がっていますので、あまり 無理を しないほうが(私も含めて) 良いと思われます。
のんびりするのも 脚のために 良いのでは。
4.人工股関節の手術方法
手術はクリーンルーム ( 浮遊している粉塵などをとりのぞいた、清潔な部屋) を使用して、全身麻酔で行います。 術者・看護師も通常の清潔な術衣に加え、清潔な頭巾や二重の清潔手袋をするなどして、細菌の感染に注意を払います。
体位は前方進入法では、仰臥位 、 後方進入では、側臥位 で行います。 麻酔がかかったら、皮膚を切開し 皮下組織、筋膜を切り 筋肉わけて 関節包を切り開いて 大腿骨頭を臼蓋から脱臼させます。
次に、大腿骨頭の少し下の頚部で専用の のこぎりを使い 骨を切り
大腿骨頭を取り出します。 残った関節包を必要なだけ切除し、臼蓋がよく見えるように展開します。
変形した臼蓋を半球型に 近づけるようにリーマーという 回転する
ヤスリのようなもので削ります。 日本人の場合、 臼蓋形成不全 が多く、 外側の骨が足りないことがよくあり、 この場合は 骨を移植します。 移植には 通常摘出した 自分の大腿骨頭を用います。
このようにして ソケツトの形に合う 臼蓋ができたらソケットを設置します。 この時の方法として、ソケットを臼蓋に たたき込む方法 ( セメントレス) と セメントを充填してソケットを圧入 する方法 ( セメント使用 )
があります。
次に 大腿骨の骨髄腔を ステムの形状に合わせて、削った上で ステムを設置します。 この場合も、セメントレス と セメント使用 の 2っの方法があります。
設置されたステムの先端に ヘッド(人工の骨頭)を取り付けます。 ヘッドは、大腿骨頚部の長さが調節できるように、 数種類 用意されており、脚長や関節の 安定性・可動域 をみて適宜選択されます。
装着されたヘッドをソケット にはめて(整復) 人工股関節の完成です。
次いで、手術創内を大量の 滅菌生理食塩水 で洗浄して、落下細菌などを洗い流します。
手術創内に血液が貯まらないように、ドレーンという細い管を入れた後、 短外旋筋群・筋膜・皮下組織・皮膚 の順に縫合し 手術は終了します。
股関節専門チームがある病院で、股関節専門医が行った場合の手術時間は、セメントレスで 1時間~2時間 、 セメント使用で 1時間30分~2時間 程度です。
手術中の出血は、通常の麻酔では 平均500㌘程度です。 低血圧麻酔(出血を抑えるために、手術中の血圧を低めに コントロールすること) を併用した場合は、200~500㌘未満になります。 輸血は、自己血採血( 手術前に自分の血液を、採取して蓄えおくこと) 400~800㌘を行えば、他人の血液の輸血は 不要です。
次回 続きます。