天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第23回富士通杯/ベスト4は中国3、韓国1に

2010-04-18 21:39:15 | プロ棋戦

24名の代表が世界一の座をかけて争う、第23回世界選手権富士通杯の準々決勝が4月14日に東京・市ヶ谷の日本棋院会館で行われた。
準々決勝には韓国4名と中国4名が勝ち進んでいたが、準決勝には中国から孔傑九段、邱峻八段、朴文尭五段の3名が、韓国からは李世ドル九段のみ勝ち上がった。
準決勝は7月3日に同じく東京・市ヶ谷の日本棋院会館で行われる。
       ◇
4月12日に行われた2回戦、日本勢は10日の1回戦を勝ち上がった羽根直樹九段、石田芳夫九段、高尾紳路九段、安斎伸彰六段の4名と2回戦シードの山下敬吾九段と張栩九段の合計6名が出場したが、全員が敗れ準々決勝進出はならなかった。
富士通杯で日本選手が準々決勝に進めなかったのは初めて。

   (日本棋院HPより抜粋)

「新時代の嵐、日本隊落伍」

   (週刊碁より抜粋)

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日本勢の苦戦は予想されていましたが、ベスト8に進めなかったというのは辛いですね。
日本勢は全体的に中盤から終盤で崩れていくケースが多かったようです。

4/17に放送されたNHK-BS2「囲碁・将棋ジャーナル」でマイケル・レドモンド九段が日本棋士の課題について「読みの力」と「勝つための勉強」が必要と語っていました。
確かにその点で中・韓の選手に遅れている印象を感じました。

日本勢の後退は残念なことですが、これも日本社会の実態とも云えそうです。
中・韓の熾烈な競争原理の中で勝ち抜いてきた戦闘モードに比べ、「競争意識の低下」、「文化、芸道としての囲碁観」などは日本のよい点だと思いますが、弱点でもあります。

国際棋戦で中・韓の後塵を拝している日本碁界ですが、棋戦だけではなく文化、教育、余暇、囲碁人口など、総合的な面で「囲碁大国」に成長したいものです。

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本棋戦を協賛している富士通は、社長の交替劇を巡って訴訟問題になっているようです。
ビジネスの世界でも中・韓の追い上げに苦戦している日本の業界ですが、社長の交替劇などでゴタついている場合ではないですね。
日本全体、余計なところにエネルギーを浪費しているようで・・・。

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