こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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よりよく生きるにはどうしたらいい?

あくびに関する疑問

2016年01月28日 | 日々思うこと、考えること

昨夜、娘に「何であくびは出るの?そしてどうしてうつるの?」と聞かれ、しどろもどろになった。

昔からよく言われるように、脳の細胞が酸素を必要とするからとか、何とか誤魔化したが、言っている自分もよくわからない。そもそも脳の細胞が低酸素状態になったりしたらあくびどころでは済まない。
もう一つの“あくびがうつること”については、他人のあくびを見て自分も眠気というかそういった感覚を呼び覚まされてしまってつられてしてしまう、まあ疑似体験のようなものだろう。


娘が、「あくびは眠気が関連しているのでしょう?」と、話題を進めたときには、そうそうと相づちを打ったのだが、「何で眠くなるの?」と聞かれて、しばし沈黙。「何で、寝るの?」とも聞かれ、困ってしまった。睡眠が脳の神経の休息のためであることなんて、娘にだってわかっている。
考えていくとわからないことが多い。なぜ、寝ている間にも目を動かす時間帯(REM睡眠)があったり、夢を見たりするのか。寝ている間でも、姿勢は保持されているし、尿意、便意もある。呼吸や寝返りも中枢神経系の高度な働きがなくてはできない。火急の時にすぐさま飛び起きることができるのは、寝ている間にも周囲に対して警戒をしていることによる。こうでなくては、目覚まし時計は役に立たない。


高校生の頃、私の親友のうちの一人に、「人間とは、生と死を繰り返しながら生きていると言えないか?」と尋ねられたことがある。この場合、“生”は覚醒時のことで、“死”はそうでないとき、すなわち睡眠時を意味している。
その時は、夢の説明ができなくて、彼の考えることに同意することはできなかったけど、忘れることのできない考え方だ。「生きているとか、死んでいるというと哲学的な話になってしまうな、よくわかんないや。」と応えて終わりにしようと思ったのだが、三の矢があった。

単純に考えたら、睡眠というものが細胞の休息であることは明白だ。例えば何かの仕事をするためによく使う脳の神経細胞、勉強に使う脳の神経細胞、などどんなことも続けて行ったら疲れる。だから、個々の領域の休息には気分転換が必要だし、もう少し広い範囲の関係領域の休息に睡眠が必要になるのだろう。


 

というようなことに感づいたらしく、娘が「ずっと寝ていられるのかな」と尋ねてきた。
その時はすぐに答えてあげられなかったが、こうして考えてみると、寝ていることを保持するための細胞群があって、その細胞たちが疲れると睡眠が終わり、覚醒するのだろう。だから、寝過ぎると、「寝過ぎて疲れた」なんてことになるし、寝溜めはできない。
この辺りの研究、ずいぶん進んでいるのだろうけど、まだまだ不思議なことばかりだ。

 

 月と木星が寄り添って見える

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