謎の多い病理医、それは一体どんな医者なのか。あらかじめ断っておくが、病理医になるには内科とか外科とかの医者と同様、医師免許を取得しておかなくてはならない。さて、なにをもって病理医とするかにはいろいろ意見があるだろうけど、一応、病理専門医の資格を取った人で、その資格を用いて病理診断業務を行っているということにする。男性か女性かということも考慮しなくてはいけないが、病理医の場合、男性女性の仕事内容は同じなので勤務形態以外は考慮しなくてもいいだろう。
一般的な病理業務を行う場はたいてい病院だ。病理医が働いている病院には大学病院、臓器や疾患、世代などに特化した専門病院そして一般的な市中病院がある。私は大学病院、専門病院、市中病院と移ってきた。大学病院では研究、診断業務および教育。専門病院では診断業務と研究。そして市中病院では診断業務を中心に仕事をする。病理で開業したり、検査センターで働いたりしている病理医もいる。こういうところに勤めている病理医もほとんどは病理診断を行っているが、電子顕微鏡の診断など特殊な診断とか、研究目的の実験動物の検査とかを行っている場合もある。それぞれの施設にそれぞれの特徴があり、ところ変われば品変わるで、いいところもよくないところもある。
それぞれの業務内容まで言及するときりがないが、一般的な市中病院での病理医の仕事はそんなに差違はない。“一般的”といっても病理医を雇って収益が見込めるというような病院となるとそれなりの規模のもので、病理医がいるようなところはそれぞれの地域の基幹病院ということになる。そしてそういう病院の病理医はとても忙しい。次回はそんな市中病院に勤務する病理医の1日を紹介する。といっても、ネタはもちろん私だが。
病理医も十人十色