こうしてあわただしく午前中が過ぎたら何はともあれ昼休み。楽しくお昼を食べたあと、メールの整理、スケジュールの確認などしてから、少し伸びをして午後の仕事に備えて気合いを入れ直す。
こんな風にいつものんびりする時間が10分でも15分でもあったらいいけれど、病理解剖があったり、迅速診断の時間がちょうど重なっていたりしたらそうもいかない。迅速診断は基本的に予約制なので、少しホッとしていられるが、飛び込みで依頼が入ることも時々ある。こうしている間にも病理医、さらには患者さんのために働いてくれている臨床検査技師がいてくれることを忘れてはいけない。
午後のルーティンワークは、通常の病理診断検体の診断が主なものとなる。午後の早い時間に前日作成した標本が染色されて上がってくるのだ。ここからが病理医最大の仕事となる。1例1例おろそかにすることなく診断する。30例、40例、同じような検体が積み重なっているけど、それはそれぞれの患者さんの人生そのものだ。1例も油断することなく、全身全霊を傾け診断する。大きな手術の症例だったりすると、1例を診断するのに一時間以上かかる。こうしている間の病理医は固まってみえる。というか、顕微鏡にしがみついたまま何もしていないようにみえる。時々、マーキングのためにペンをとるか、取り扱い規約を開くかぐらいしか動かない。病理医はヒマと勘違いされるゆえんだ。傍からはそう見えても、病理医は時間と空間を超越するほどの集中力で所見をとり、診断しているのだ。
今日(土曜日)は半ドン