見た目にはいつも病理診断科の部屋で顕微鏡にしがみついてばかりいる病理医だけど、年がら年中いつも同じというわけではない。
毎日のルーティンワークは基本的に同じだけど、春夏秋冬、若干の変動はある。というようなわけで、それぞれの時期、病理医がどんなことをしているのかを簡単に紹介していこう。
病理診断科に限らず4月は多くの診療科でスタッフが入れ替わる。このためか、生検や手術も若干減るようで、ほんの少しだけ、ペースが落ちる。といっても異動などのない科はそんなことどこ吹く風で、バンバン手術を行っているし、異動のあった科も4月も半ばとなれば元通りのペースとなる。
5月前後には日本の多くの病理医が専門医資格をとって所属している日本病理学会総会が開催される。とにかくこの学会に参加して、各種のポイントを取らないと、日本専門医機構の専門医資格が維持できなくなるので、みんな大変だ。資格のための資格になりつつあるようで、将来が心配だ。
病理医の数は少し少なくなるが臨床細胞学会というものの年次総会も春にある。この学会はがん診断のために行う細胞診断技術の向上のために産婦人科、外科、内科、泌尿器科など、病理医以外の臨床医、細胞診断のスクリーニングを行う臨床検査技師などか主な構成員で、これもまた、専門医資格があって、その維持が一苦労となる。この、専門医機構には問題がいろいろあるようだけど、私たち一般学会員がどうこう言えるような話ではないので、割愛する。
さて、二つの大きな学会が終わると、もう6月も終わり。ホッとひと息ということで夏休みの予定をたてることになるが、多くの病院病理医は1人か2人、おいそれとは休みを取ることもできず、結構苦労することになる。
待ちに待った夏休み(のわけないか)