昨晩、スタジオジブリの故高畑勲監督の追悼番組として映画、『かぐや姫の物語』が日本テレビで放映されていた。なんとなく観始め、コマーシャルの多さに閉口しながらも結局最後まで観てしまい、最後は涙してしまった。
もともと、おとぎ話というのは、いろいろな寓意が含まれていたり、それこそ実際あった話であったりする。このお話も、実際に平安時代にあった高貴なお姫様の話だったのかもしれない。観終わってから、妻が、”あんな素敵な音楽に囲まれて月に帰っていくなんて、いいわね”と言っていたけど。確かにそうだった。かぐや姫は美しく描かれていたし、音楽も素敵だった。
今のように平均余命が90歳に迫ろうという時代からは程遠く、平安時代の平均寿命は30歳前後だったから、せっかく子供を授かっても、20歳前後で失うなどということなんて、よくある話だったに違いない。
赤ん坊が、育つのも早かったろうし、女性は男性に比べてあっという間に大きくなる。10歳ぐらいで今の高校生ぐらい、そして初潮がくればもう立派な大人の女性。5人の公達にプロポーズされたのは、15、6歳だろうか?十八、九でミカドに見染められ、ほどなく月に帰っていく。今より、ずっと時間はゆっくり進んでいたから、そんなところでいいのではないか。
おじいさんおばあさんとの別れのシーンで、これって、親に先立つ悲しい子供の話なんだと、気がついた。こんな歳になるまで、ただの平安ファンタジーと思っていたのが恥ずかしくなる。高畑監督は大したものだと思い、この映画、劇場で観たかったなあなどと今更ながらに後悔した。公開当時、妻はぜひ観たいと主張していたのだが、私が女々しい映画だと別のを観た。DVDを買ってCM無しで観てみようかと思う。
昔々は、今でもおなじ