こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

全部スッたか4630万

2022年05月18日 | 日々思うこと、考えること
 誤送金されてきた4630万、全部をネット上の賭博で失ったとのこと。


 当人の言っていることが本当かどうかわからないが、もしも私がこの大金に手を出していたらどうだっただろうと想像してみた。

ーーー
 すでにネットカジノなるものに登録していて、結構頻繁に賭けていたとする。コロナ禍の折、街中のパチンコ、スロットに行くよりもずっと安全安心で、人口3000人の小さな町で目立つこともない。賭け事だってテレワーク。

 以前から、一回1000円、2000千円、突っ込む時は1万円、勝ったり負けたり。賭博というもの絶対に胴元が勝つ。たまに大勝ちしても、それをまた突っ込んで最終的にはマイナスとなる。そんなことを繰り返して過ごす毎日。仕事があるのかないのかわからないが、24歳なんて、そんなものだ。いや、年寄りだってすることがなければ似たり寄ったりだ。

 とにかく、そんなつまらない毎日を送っていたら、ある日突然大金が空から降ってきた。
 おっかなびっくり1万、2万をつっこむが当然負ける。というか、負けても負けても四千万までは大丈夫だろうととりあえず、630万負けるまで負ける。10万、20万と大きく賭けて負けを一気に取り戻そうとするが、ジリ貧は回復しようがない。こうなるともう、どうしようもなくなる。いまさら返そうにも1000万なんて、どこにもない。もう、どうでもいい、やるだけやろう。惰性で賭け続け、そもそも使っているのがお金かどうかもわからなくなる。やがて、負けは2000万を突破する。結構遊んだ。遊んだというかスった。

 どうしよう。心はゾワゾワ胸騒ぎばかりがするが、もうどうしようもない。100万単位で10回かけたらあっという間に1000万。残りの1000万も瞬く間に無くなって無一文。すっからかん。

 自分だったらこんなところかな、なんて想像してみたが、実際のところはどうだったのかな?

 こんなに使えるのか?

 なんて言っている人がいるが、賭け事なんてこんなものだとその人本当に知らないのか?ラスベガスに行けば一晩で億単位の金をスる人がいるわけだから、4630万なんてどうということもない。すでにネットカジノというのに手を出していたのならなおさら簡単だったろう。

 そういえば、IRでは実際のカジノが作られるが、そこでも大金を失う人が現れるだろう。でも、こうやって一足先にネット上で博打が普及していてはどれほどの集客が見込めることやら。こっちも大きな賭けになる!?

 それにしても、誤送金を防ぐためのチェック機構はなかったのか。お金は一番大事なものなのに。
 
知らなくてよかった

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迅速病理診断と私のカレンダー

2022年05月18日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
 久しぶりのスッキリした1日になるということで、元気が出る。

 ロシアに侵略され、抗ったものの力尽きたウクライナの兵士の姿を見ると気の毒になる。捕虜として相応の処遇に付されることを願うばかりだ。今のところこの日本ではそんな悲惨な戦争とは無縁に、日々の仕事に勤しむことができ、ブログも日々更新できることに心より感謝する。
 先日書いた分子病理専門医試験についてのメモのような体験記が何度か開かれていて、もしかしたらこのブログ、病理に興味のある方もしくは病理医が読んでくださっているのかもしれない(アラ還病理医の分子病理専門医資格試験挑戦記 2022年02月 )。そんなことで今日はちょっと病理がらみの話を書いてみた。

 腫瘍や腫瘍と鑑別する必要のある病変に対する手術の途中、検体を採取し、その一部もしくは全てを凍結したのち凍らせたまま薄切りし、凍結切片という標本を作製し、おおよその診断をつけることを術中迅速病理診断という。迅速病理診断は簡便な診断であってその適応範囲は限定的だが、乳癌や胃癌・大腸癌などの悪性腫瘍の手術では、切除断端に癌細胞がいるかいないかを決める重要な診断となる。また悪性リンパ腫や肉腫は、腫瘍が増大スピードが早くてすぐに化学療法、放射線療法を始めなくてはいけない場合があり、この”おおよその”診断で治療を始めることもある。

 術創を一旦閉じてしまったら早々容易にまた開くことはできないため、ある程度とはいっても相当な確度が求められるのはいうまでもない。迅速病理診断を行うのは熟練した病理専門医でなくてはならず、不詳コロ健ではあるが院内唯一の病理医として重大な責任を負っている。私が師と仰ぐ病理医は、

 病院にとって病理医は迅速診断のために必要なんだ

と言っていたが、常勤病理医が不在で困っているという院長の懇願に私が応じたのも、そのことを知っていたからだ。

 迅速病理診断を行う場合、一体どんな病変に対する手術なのか、手術中にトラブルがあったり、意思疎通不足があったりしたら術者と直接話す必要がある。少し早めにだいたいの結果が知りたい、などということで申し込まれる場合もある。いずれにしてもその場に病理医がいなくては始まらない。迅速診断が必要な時とか、病理医による検体処理が必要な時、臨床医は病理医の予定を確認してから検体採取のための手術を入れて、臨床医との事前に話し合う。この時私の部屋に来て直接確認する医者も結構いるのは情報が増えるという点で私としても嬉しいが、ほんの少しだけ困ったことがある。
 私の座っている椅子から鏡検室というこの部屋の入り口を見るとこんなふうになっている。画面左手にあるのが顕微鏡で、これを使って標本を診て、診断を入力する。必要に応じて、モニターに組織像を映し適当な写真を撮って診断と共にカルテに送信している。画面正面の机はあれこれのための作業台であり、病理の教科書(医学書)を開いたり、書類を書いたり、ノートパソコンを使っての論文検索、メール管理、スケジュール管理を行なっている。その先に見えるドアの外は標本作製室。私はこの鏡検室内ではマスクを外していて、誰かが入ってくるとその都度マスクをつける。
 で、この話は何かというと、この机とパソコンとカレンダーについて。

 臨床医が私のところにやってきてスケジュール調整をする場合、カレンダーを開いて日程を確認する。そこであの机の上のパソコンが重要となる。紙カレンダーもぶら下げているが、詳細な予定はパソコン内のカレンダーで管理している。

 スケジュール調整にやってきた臨床医は基本的にはこのパソコンの向こうに立って私が日程を確認するのを待つのだが、勢い余ってというか熱心に私と一緒にカレンダーを覗き込む。悪気がないのはわかっているのだが、個人的な予定も記入してあるので見られて困るほどではないが、見られたくはない。それに私にとってこの部屋には二重の結界があって、一つ目が入り口のドア、そして二つ目はこの机で、これを回り込んで来られ、後ろに立たれるとゴルゴ13ではないが不安な気持ちになる。

 この私の結界が破られることのないように、顕微鏡像を一緒に見る時には、

 先生、そちらからモニター見てくれる?

と言う。実際そちらの方が見やすいのでこれはいいのだが、スケジュール調整のときは、

 ちょっと待ってね

とパソコンの蓋を開きながら奥に入ってこないよう機先を制するのだが、

 失礼しまーす

と挨拶しながらささっと鏡検室に入ってきて、すぐに後ろを取られることがあり、なかなか難しい。こうやって部屋に来る臨床医だが、私がいることがわかっていても来る前にはPHSで連絡してくるし、ほとんどは礼儀正しく熱心だ。まあ、どうでもいいような話ではあるが、こんなことを考えながら私は日々仕事している。
千客万来

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