今日の日経新聞の記事に、身に着けて撮影する「アクションカメラ」というジャンルを開拓したGopro(ゴープロ)の記事が載っていました。
このゴープロ、ごく小型のカメラで自分のヘルメットや自転車などに装着して自分が見ているままを撮影できるというもの。
今ではアウトドアを楽しむ人たちの支持を得て、指名買いをされるブランドになりました。そのビジネスポイントはこれをyoutubeなどのネットに配信して多くの人に見てもらえるという仕組みづくりにあります。
そもそもこのカメラが欲しいというニーズは、サーファーが「サーフィンをしている自分の姿を格好良く撮りたい」という発想から生まれたもので、この製品にスキーやバイクなどあらゆるスポーツ愛好家が飛びついたのでした。
カメラ単体としてみた場合は、手振れ防止機能もないしズーム機能もありません。しかし、撮影者が自分で撮った自慢の映像をネットにアップして多くの人に見せることができるようになった時代にマッチして、多くの共感を得たのでした。
創業者兼CEOのニコラス・ウッドマン氏へのインタビュー記事も掲載されていました。
この中で彼は、「競争相手としてソニーやパナソニックをどう見ていますか」という問いに、「ソニーもパナソニックも尊敬しているがビジネスモデルが違う」と断言しています。
「彼らはハードを売っているだけだが、われわれは撮影した動画を編集し、共有して楽しむソフトやサービスも一体として提供している」
「我々は製造業というよりコンテンツ産業に身を置いていると考えている。ハードウェアは大事だが、あくまでコンテンツを生み出す過程の入り口にすぎない」
そして彼はこう言います。
「ゴープロの顧客はカメラという『モノ』ではなく、この製品を使うことですばらしい作品が作れるという『体験』に対してお金を払っている。この違いをソニーやパナソニックは必ずしも理解していない」
モノがある程度満たされて、物を持つ喜びが薄れてゆく中真に幸せに近づけるものとは何かと考えたときに、幸せとはモノではなくコトなのだ、という言い尽くされた本質に、このCEOはしっかりと気づき、人々の満足と幸せを満たすシステムを構築しています。
人がお金を使う値のあるコトとはこういうことだ、という成功事例の一つです。
私も釣りをしながら、魚がヒットする瞬間を映像として納めたいと思いますし、それを可能にするのがこの道具だと思うととても魅力的に思います。
モノが満たされた日本でのこれからの新のビジネスモデルを考えてはどうでしょう。
人の幸せとは何かを考え、それをどうやったら実現できるかを考えましょう。
幸せの経済をまわしましょう。