北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

外国人ドライブへの支援実験

2006-10-16 23:05:25 | Weblog
 寒いくらいの気温ですが、今日は快晴。今日明日は海外のお客さんを迎える出張です。

【まちめぐりナビプロジェクトの視察】
 国土交通省が全国から、外国人のための誘導案内事業を募集していたのが、「まちめぐりナビプロジェクト」です。

 このプロジェクトでは、全国各地のアイディアを募集して、外国人が旅をするための情報提供方法などを求め、良いアイディアに対して必要な予算をつけてくれたのです。

 北海道では、シーニックバイウェイ支援センターなどを中心とする「北海道における外国人ドライブ観光推進協議会」が応募をしたアイディアが採用されました。
 
 この協議会に参加してくれているのは、携帯電話会社やレンタカー会社、航空会社、観光系の大学、シンガポールの旅行会社、その他道内シンクタンクなどで、それぞれの得意技を持ち寄って、「外国人ドライブ推進事業」を行おうというのです。

 この外国人ドライブ観光推進事業は、今後個人型が進むと予想される外国人観光客に対して、北海道ならではの観光形態であるレンタカー観光の可能性や課題を把握することや、道路を始めとした外国人がドライブしやすい環境を整えることをねらったものです。

 そのためにまず、シンガポールの旅行会社と連携して、北海道でレンタカーを借りてドライブをするというツアーを販売してもらいました。
 シンガポールは国の面積が東京23区と同じほどの広さしかなく、おまけに自動車に対して高額な税金をかけ車を簡単には持たせない政策をとっているのだそうです。そのため、免許は持っていても車は持っていないという人が多く、広い道路でドライブをすることに対する憧れを強く持っているのだとか。

 そうしてその旅行商品を購入してやってきたシンガポールの人たちにレンタカー会社がレンタカーを貸します。ただしそのときには車の操作やカーナビの操作などに対するしっかりとした英語のマニュアルを用意します。

 しかも借りられる車はトヨタのプリウス。日本が世界に誇る環境に優しいハイブリッドカーを運転出来るのです。これも魅力の一つかも知れません。

    *   *   *   * 

 旅をする人たちは6泊7日の旅の間、宿泊するホテルだけは決められていますが、その間の行動はレンタカーで自由に行えるのです。

 しかも各車にGPS機能のついた携帯電話を備えています。これはまず、トラブル時に24時間対応出来るコールセンターを保証しているのです。

 事業の一環として、英語と日本語の話せるスタッフを雇い入れて、旅行期間中何かトラブルがあったときには24時間対応してくれるよう措置されているのです。

 さらに、GPS機能を有していることを利用して、それぞれの車が道内どこにいるかを札幌に置いたパソコンのソフトから時々刻々と把握することが出来るのです。

 これらによって、仮にカーナビ入力に失敗して道に迷っても、助けを求めることが出来ますし、主催者の側も誰がどこにいるかを把握して正しい道案内を指示することができるのです。

 さらにはGPS携帯のすごいところは、GPSで指定したエリアに入ると自動的にその地域の情報をメールで提供するということもできるのです。

 その場合の問題は、ユーザーが求める情報やユーザーに役立つ新鮮な情報が安定して遅れるのかどうか、ということです。そのための情報収集スタッフやそれを英語に訳して配信するスタッフなどを取りそろえて、北海道でのドライブをより快適にしようという、総合的な取り組みなのです。

 今日と明日はその事業の進み具合を視察したいというご一行様が東京からやってくるのでその視察対応というわけです。

    *   *   *   * 

 実際千歳空港近くのレンタカー屋さんへシンガポールのお客さん達が来て、説明を受けてはドライブの旅へと出て行く姿を見て、その現場の感覚を味わいました。

 やってみての課題はやはりこの手のサービスが一つのビジネスとして成立するのか、ということでしょう。

 私から旅行会社の美人のスタッフに「このような一連の携帯コールセンターサービスを購入するのにどれくらいなら支払ってもらえるでしょうか。3千円?千円?」と訊いてみました。

 するとその女性は「3千円は厳しいと思います。しかし海外旅行の際には数千円~1万円の傷害保険をかけるということはもはや常識化してきていますので、それに千円が上乗せされるような保健と一体化したような商品なら買ってもらうことは十分可能だと思います」と明確におっしゃいました。

 問題はその額で十分なサービスを提供出来るのか、ビジネスになるのか、というあたりでしょう。

 実験の途中経過では、それほどトラブルで困ったというコールセンターへの電話はないものだ、ということでした。

 それよりは、「(日本語表示の)カーナビの使い方が分からないので教えてほしい」というような連絡の方が多いとか。

 まだ英語表記のカーナビは需要が見えないためにメーカーもあまり力が入っていないようです。こういうサービスを一歩一歩充実させてゆくことが観光立国日本に繋がるはずです。

 我々の地道な努力も、ドライブ観光あこがれの島北海道に繋がることを目指しているのです。さて、明日はニセコ方面へ実際にカーナビやGPS携帯の実力を試す旅です。

 晴れると良いのですが。

コメント (4)
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