北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

【番外編】国籍法改悪と社会を支えるもの

2008-12-04 23:34:56 | Weblog
 心配していた国籍法の改悪が明日(5日)参議院で可決成立するという流れになりました。

 いままではほとんど核心に触れずに来た報道関係ですが、成立後もあくまでもスルーか、またはこの間のいきさつにはふれずに、与党が提出した天下の悪法として喧伝されるのかもしれません。

 この先は請願法に基づく請願を行うことも考えられますが、祖先から子孫までに思いをいたしながら、日本人として日本という国の有り様を考えなくてはなりますまい。

 大ベストセラー「ローマ人の物語」の著者の塩野七海さんは、「ローマ帝国はなぜ滅亡したのでしょうか?」という問いに対して、「ローマ人がローマ人らしさを失ったことが原因ではないでしょうか」と書かれていました。

 自分たちの身近な社会とその先にある国という現実をないがしろにして、日本人が日本人らしさを失ってしまったのでは日本という幸せな国が存在し続けることは出来ません。

 歴史上にはカルタゴのように、ローマによって完全に焼き払われ、その土地には塩がまかれて100年先まで草一本生えないように殲滅された国もあります。

 豊かな社会を守るのは自分たちであって、フリーライダー(ただ乗り者)でいることは許されないのだと思います。 

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50年先のホラ話

2008-12-04 23:30:56 | Weblog
 札幌の広場に関する委員会が開かれていろいろな方と意見交換をしてきました。

 札幌の街並みになぜ魅力がないか、魅力を増すためにどうすべきか、という話題がありました。

 自治体関係者からは、自分たちが関われるのは街路の整備だけで街路樹や歩道の整備くらいかな、と思うが、これらはすでに補助金をもらって整備は終わっているので現段階では現実的な手はない。ビルの建て替えは民間の領域なのでなかなか力が及ばない、という意見が出されました。

 私が思うに、責任ある自治体としては軽々しいことはいえないのでしょうが、そうした目先の手法にとらわれるべきではないのではないでしょうか。

 たとえば北三条通りはかつては開拓道路と呼ばれ、道庁赤煉瓦庁舎、サッポロビール工場、永山武四郎邸などが連なる歴史ある道です。

 良好な街並みを形成するのは道路上の施設ではなく道路から見た建物の立ち上がりの姿や建物の高さの揃い方などです。

 現実にはこの道路沿いのビルも建て替えが終わってしまったものが多いのですが、今からでも改めてこの歴史ある道路の街並みのあるべき姿を沿線の関係者で話し合って高さをそろえるなどの景観コードを作ったり、自ら提案によって次の50年後の立て替えの時のための地区計画をかける、などといったことは可能です。

 そんな50年後、いや100年後にはこうなろうという目標を示すようなまちづくりがあっても良いと思うのです

 もっともそんな話はあまりに気宇壮大なので、だれも相手にしてはくれませんが、どこかに一辺の理想がなくては目指すところのないつぎはぎになるのも仕方のないこと。

 50年後のまちのイメージというホラ話くらいあってもよさそうです。 

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朝の占い

2008-12-03 23:55:56 | Weblog
 最終便で札幌へ。今週は明日は札幌、明後日は旭川へ向かう予定です。たくさんの人に会う予定を組んでいて楽しみです。

  *    *    *    *    *

 人生は、会うとなると実にたくさんの人に会う日もあれば、全く人に会わない日もあってその波は周期的に訪れてきます。

 世の中にはたくさんの占いがありますが、これらの周期と人に会う会わないはなにか関係があるのかな、と思うのですが、調べたことがありません。

 この星回りの時は人に会うことが多いとか、この干支の時は人に会わないなどという組み合わせがあるのかどうか、過去を振り返って統計を取れば何か分かるのでしょうか。

 人は不安な未来のためには占いの本を広げますが、それがどれくらい当たっていたのかを過去を振り返って検証しようとはしないようです。

 それともそういう神秘のベールを取り去るようなことはすべきではないのでしょうか。

 朝の占いに一喜一憂しても日中はほとんど忘れているというのに。 凶!
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幕張ベイタウンの見学(その2)

2008-12-02 23:54:59 | 東京ウォーク
 幕張ベイタウンの続きです。

 打瀬(うたせ)小学校には敷地境界にフェンスがありません。変わりに公園を帯状に配置して緑あふれる校庭になっています。

 

 

M先生「この建物も建築学会賞を取りました。『学校もまちの一部である』という発想で中に通路もあるんですよ。今は一部のドアが閉められているようですが」
私「学校に不審者が入り込むという事件もあって、学校関係者はぴりぴりしそうですが」

「回りをご覧なさい、建物に囲まれているでしょう。たくさんの人の目から学校が見られているんです。そういうところは大丈夫です。大体フェンスがあったって本気で入ろうと思えば入れますからね」
「なるほど」

「この小学校は最初にすばらしい校長先生を配属してくれました。開校当時は毎日学校便りを近隣に配ってくれたりして、学校と地域の関係性を構築してくれました。おかげで、非常に優秀な生徒さんたちが集まってレベルの高い小学校になりました。そしてそのことが『子どもを通わせるんだったらここの学校だ』というので地域の価値をさらに上げました。成績の良い学校は地域の価値を上げる資産になりうるんです」

 以前掛川にいたときに、名古屋に自宅のあるお医者さんとお話をしましたが、家族で移住をしようかどうかの決断の鍵は、行く先に良い学校があるかどうかだ、という話題になりました。

 全国的に医療崩壊や医師不足が叫ばれて、「国はもっと予算をつけるべきだ」という声が高まっています。しかしお医者さんも家庭を持つ人間です。いくらお金を積まれるかどうかに関わらず、行きたい場所、行っても良い場所、行きたくない場所の別があります。

 そのときのポイントの一つが地域の学力なのだとしたら、教育にもまちづくりの資源としての新たな見方をしなくてはなりません。

 良い学校の回りにはそれを求めてより収入の高い人がきやすくなります。そのことが地域の質を上げて行くことにも繋がることでしょう。

    ※    ※    ※    ※

 いよいよロの字の住宅の方へ行きました。

 日本の集合住宅は基本的には多くの住戸が南に向いたつくりをしているので、ニの字型に配置をされます。

 最近はタワー型の超高層マンションなどで北向きの住戸も作られますが、値段が低かったりします。日本人には南向きで光を受ける生活がすばらしいというライフスタイル上の神話が生きているのです。

私「北向き住戸ができてしまって人気がないというようなことはなかったのですか」
M先生「それがなかったんですよ。南向きが良いのは神話の世界です。もちろんそれを好む人は多いのですが、北向きでも良い、北向きの方が良いというニーズだってちゃんとあるのです。例えば高級な家具や高級な絨毯をもっている人たちは直射日光でそれらが痛むのを極端にいやがります。日中は仕事が遅いので夜遅くに帰るから、北向きで安い方が良いという人だっています。万人に受けるいろいろなニーズがあっても良いのです」 

    ※    ※    ※    ※

 M先生がこの街区の一角にお持ちの部屋に案内されて、中庭なども見れました。植物なども実に立派に手入れがされていて素晴らしい雰囲気です。

 

私「こうしたまちづくりはどんどん周辺に広がっているのでしょうか」
M先生「そこが問題です。最初のうちはデザイナーグループが認めなければ建築をさせないシステムが機能していたのですが、後代になり人も代わり開発が周辺部に及んでくると、容積をもっと取って儲けたいという要望が強くなり始めて、高層のマンションが建ち始めました。質の高いまちづくりを継続するには行政と住民を含めた継続した取り組みが必要なので、今まさにそれをやろうとしていますがね」

 初期の先駆者たちが頑張って質の高いまちづくりを行っても、その周辺でその恩恵を貪ろうとする力学も働いてくるものです。自分たちは景観づくりにも貢献せずに、良質な景観の地域ブランドの恩恵を利用するのです。

 こうして日本の街並みは乱れて行くのですが、M先生はそもそも日本人がコンクリートで出来た集合住宅に住むという文化を持ってからまだ50年なのだとおっしゃいます。


M先生「かつて『住宅すごろく』という言葉がありました。独身時代の小さな賃貸アパートから始まって、結婚して子どもが生まれ育つに従って大きな住居に移ってゆき、最後は郊外の一戸建てが上がり、というわけです」
私「そうですね、今でもあるのではないでしょうか。やはり最後は郊外の一戸建てに住みたいという希望は多いと思います」

M先生「そうですね。そしてその頃は集合住宅なんて一時の仮住まいという認識でしかありませんでしたが、今や集合住宅が終の棲家になる時代になったのです。こういう住居環境で生活をするという文化がもう少し育たなくては。それには、南向き一辺倒の考え方の転換も必要になるかも知れませんよ」

    ※    ※    ※    ※

 幕張ベイタウンを見学してM先生と意見交換をしながら、これからの日本の住まいについて深く考えることが出来ました。

 だだっ広い郊外に展開した戸建て住宅は人口減少と共に衰退が予想されています。コンパクトシティとはよく言われますが、その実現の方向性について興味深い示唆を得ることが出来ました。

 日本人はどういう暮らしをすることになるのでしょうか。

【おまけ】
 中庭に配置されたこのコンクリートの建物は集会場なんだそう、へー!

 
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【番外編】国籍法に関するネット上のうねり

2008-12-02 23:31:52 | Weblog
 以前にも書いた、国籍法の改正(悪)案が衆議院を通過して、参議院で審議されようとしています。そしてこのことに、多くの国民が問題意識を持ち、ネット上で個人レベルが集まって集合知を形成し、反対を唱えています。

 一体どういうことが行われようとしているのか、についても、これまでの動きや何が問題なのかをまとめたサイトが登場しています。関心を持った人たちが情報を持ち寄ってつくりあげたまとめサイトです。

 「国籍法改正案まとめWIKI」 http://www19.atwiki.jp/kokuseki/

    ※    ※ 【中身の冒頭を引用】 ※    ※ 

■国籍法改正案って何?
今国会、可決予定の法案 現在、参議院で審議中

2008年6月の最高裁にて、現行法の国籍法3条1項が憲法14条の法の下の平等に反するとして違憲判決を下したことから端を発しています。

その結果、国籍法・改正案は
日本人男性に認知してもらうだけで、婚姻関係の無い外国人女性との間にできた子供に対しても、・・・ 本人たちがそうだと名乗れば誰にでも ・・・日本国籍を与えることができる。 (結婚要件の撤廃)

発展途上国を含む海外の人間 ” 誰でも日本人になれてしまう ”法律となってしまいました。

■問題点
 ・DNA鑑定等の科学的根拠が不要(DNA鑑定を設けていないの)で、日本国籍の取得が容易かつ無制限に可能。
 ・出生後に認知された「子供」にも国籍を付与される = 満19歳で認知 → 国籍取得も可能   【補足 子供の定義:父又は母が認知した子で二十歳未満のもの】
 ・罰則が20万円以下の罰金、懲役1年以下とかなり緩やかで、抑止効果は無きに等しい
 ・科学的根拠に基づく証明手段がなく、自己申告である認知と聞き取り調査のみなので虚偽の申請を見抜く確実な方法が無い
   → 実の子でない者を認知することは出来ないので、その場合の国籍申請は虚偽の申請にあたります。 しかし、実の子でないことを証明できる手段(DNA鑑定など)が義務付けられていない・・・ということは。


 結果:本改正案の悪用を防止することはかなり困難。

 人身売買・児童買春などの悪質な犯罪に利用される可能性が高い。

    ※    ※ 【以下略】 ※    ※

 ということで、日本国民一人一人が支え、その恩恵を受けている国籍という資格が危ういことになっていると多くの人が危機感をもっています。

 多くのネット住人たちもこのことに気がついてから、各方面へ反対運動を展開し、法案の採決も先延ばしが続いています。最近は少し野党の方にもこれでいいのか、という雰囲気も生まれつつあるようですが、まだどうなるかわかりません。

 一方マスコミはいまだにこのことに対してほとんど報道をしようとしていません。なぜなのでしょうね?

 そこでネットで繋がった人たちは面白い試みを始めました。時事問題を扱うテレビ番組のなかには、「今国民は何を問題だと思っているか?」というネットアンケートをするコーナーを持っているものがあります。

 番組の中でそれを紹介するのですが、そこの一番にこの問題を挙げよう、という運動です。

 番組の取り上げて欲しい問題応募のコーナーに、国籍法改悪反対を書き込んだら同時に、世話人のブログに「今書き込みましたよ」とコメントを載せるのです。

 世話人のブログに書き込みを登録した人の人数は確実に応募をしているはずなので、番組の中でこの問題を取り上げた人数がどのように発表されるのかをみんなが注目しています。

 一番になれば取り上げざるを得ないでしょうし、ランクに入っていないと言うことであれば数字を操作したことが疑われます。もしかしたら臨時にそのコーナーをカットするかも知れませんね。

 この動きに対して各テレビ局がどのような対応をするのかを注視して、その対応はまたネット上をにぎわすことでしょう。

 今週の各番組を多くのネット住民が注目しています。

 マスコミ対ネットは戦いの様相を呈してきました。取り扱いをひとつ誤るとマスコミ側にも禍根を残すかも知れません。

 私自身はこうした動きを集合知の行く末の一つとして興味深くウォッチしています。

 マスコミの報じない水面下でネットを舞台としたおおきなうねりが生じつつあるようです。

 「実に興味深い…」(ガリレオby福山雅治風に) 
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【おまけ】「何で俺が払うんだ発言」へのぶらさがり一問一答

2008-12-02 02:25:09 | Weblog
 ネットを見ていたら先の「なんで俺が払うんだ発言」に関する麻生総理へのぶらさがり一問一答がみつかりました。

 本当はなんて言ったのか知りたかったのですがやっと見つけました。なかなか探せないもんだなあ。

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/081127/stt0811271400001-n3.htm

    ※    ※ 【以下引用】 ※    ※
【諮問会議発言に関して】 
 経済財政諮問会議の議事録が公開され、首相の(「何もしない人の医療費をなぜ私が払うのか」という)発言に対し与野党から批判がでているが。

 「どの話? それは、その前の部分と前後の部分を切って、話つくっておられるんですな。【その話が今、病の床におられる方の気分を害したのなら、その点はおわびします。】趣旨はいわゆる予防というのをぜんぜん考えていない、今の制度はいかがなものかと。健康管理をする人としない人、予防に注意する人としない人、きちんとしている人していない人、すごい差があるわけで、君もふしだらな生活していると、将来考えた方がいいよ」

 「予防の方をきちんとすべきというのが主旨です。そこのところだけ切りとられて、そこだけ読まれて、いかがなものか。そこだけ読まれて気分を害したのなら、あやまりますが。いきなり追突されて脊髄(せきずい)を損傷とか、先天的なものとか、人によっていろいろ状況が違いますが、同じような状況でも、同窓会であうと、えらい差がでるのは、予防や健康管理している人で、ずいぶん差がある。予防にもっと力をいれることによって、医療費全体を抑制できる。その一部だけ、オタクの新聞にでたんだろうね」

    ※    ※  (引用終わり)  ※    ※

 テレビでは【 】書きの部分しか写されていなかったようでした。「首相が陳謝した」という見出しだけが踊るのかと。

 こういう発言は、探せば見つかるんだけど大概は探してまで見ようとはしませんからね。

 真実はソース(原典)にしかない時代になってしまったかな。
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幕張ベイタウンを見学する(その1)

2008-12-01 23:54:20 | 東京ウォーク
 先週の土曜日に幕張ベイタウンを見てきました。

 幕張ベイタウンとは、千葉県企業庁が手がけて千葉市美浜区打瀬(うたせ)に作られた集合住宅群のことです。

 この地域の特徴は、建物の高さを一定にした中庭のあるロの字型の建物をヨーロッパ風のデザインで統一したことで、素晴らしい街並み風景を作り出すことに成功しています。

 (幕張ベイタウンHPより)

 今回はこの地区のプランに初期から携わったM先生にご案内をお願いして見学をさせてもらったのですが、まちづくりの上では面白い話が満載でした。

    ※    ※    ※    ※

 M先生とは京葉線の海浜幕張駅で落ち合って、まずは駅北側の商業エリアを解説していただきました。

M先生「ここは駅前の商業機能を計画しました。最初はあまり店がなかったのですが、見ていただくと分かるように今では非常に安い作りの建物にフランチャイズの居酒屋などがたくさん入っています。売り上げも良いようです。建物はとにかく安く仕上げて3年くらいで減価償却をして、うまくいかなくなったらすぐに処分するつもりで商売をしているんですよ」
私「大型の建物に入るのはフランチャイズばかりのようですね。地元の優良な個店が商売をやる余地はないのでしょうか?」

 

「もう40年以上も前にアメリカに留学していた頃にすでに、アメリカの地方都市では個店がどんどん消えて行きました。みんな車に乗って大きなショッピングセンターに行き、安くたくさんのものを買うというライフスタイルが始まっていたのです。私はそのときにもう単純な形では個店は勝てないと思いました」
「しかし例えばヨーロッパなどではまちなかに大型店ではない小さなお店が商売をしていられているように思うのですが」

「私もそれを少し調べてみたのですが、どうもヨーロッパでは新しく移民で入ってきた人たちがそうした個店という形態の商売を昔ながらの形で営んでいるのが多いようです。そういう意味では現代的ではない商売の形態を継承している移民層がいるうちは個店も残るということなのかもしれませんね」
「なるほど、そういうことですか」

「ええ、しかしヨーロッパなどでは大学進学率が低く、学問で身を立てる人は限られていて職人層とホワイトカラーが分けられているのに対して、ほとんどの人が大学へ進学して、サラリーマンになろうとしている日本では個店の商売を次ぐ人は少ないでしょうね」

 駅の南側には今度は二階建てのショッピングモールが展開されていました。衣料系のお店がたくさん入っていて、結構な賑わいです。

    ※    ※    ※    ※

 さて、そこから緑の多い公園を抜けるといよいよ幕張ベイタウンです。歩道橋の上から見ると、建物の高さが揃っていてヨーロッパの街並みを思わせます。こんな事が本当に出来たことが驚きです。

 

私「こんなデザインの統一された街並み作りは他のところでは滅多にお目にかかれません。なぜこんな事がここでは出来たのでしょうか」
M先生「それは、最初にその当時の知事さんが偉くって、『私はここをはいつくばってでも良い町にする』と公言したことがきっかけのようです。その発言は政治的な意味合いを強く持ち、そのためこの幕張のまちづくりには歴代極めて優秀なスタッフが集められました」
「なるほど、人材を集めたのですか」

「ところが人間としては優秀だったのですが、ことまちづくりや景観づくり、建物のデザインといった専門的な領域は全く分からない人たちばかりでした」
「おやおや」

「しかしそれがまた逆に幸いしました。彼らは『自分たちは分からない』ということが分かったので、専門家を集めてその意見には実に真剣に対応してくれたのです。その結果、デザイナーや専門家たちが大いに腕をふるうことが出来たのです」

 立派なリーダーの存在とそれを受け止める優秀なスタッフたちの合作のようですね。

    ※    ※    ※    ※

 

 まちの中は車道と歩道の段差がほとんどない上に、路上駐車はたくさん見受けられます。このあたりは…?

M先生「路上駐車はありだと思うんです。人と車の共存を許容出来るまちにしようというのがコンセプトです。だから幹線道路は別として区画の中には信号をつけていません。車はゆっくり走って歩行者に気をつけるべきエリアだという認識を持って欲しいということなのです」
私「それは随分大胆ですね」

M先生「最近は信号をつけろという意見が出始めたり、中の道路を飛ばすタクシーなども見受けられて、始まった当時(1995年)の理念が薄れかけているのが心配ですが、まあ住民の力で解決出来るでしょう」

 街並みは一階部分にお店を入れて、その上が住居という形態を基本形にしていて、統一が合って実にきれいです。

 ぜひ機会があれば一度ご覧ください。

 個性的なロの字型の住居については次号でお届けします。
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