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私の所属している、「北海道そば研究会」が設立30年を迎え、本日奈井江町にて、設立30周年記念式典と祝賀会が開かれました。
そもそもこの会は、奈井江町のお蕎麦屋さん「からまつ園」の仙台御主人の佐藤道夫さんを中心に、昭和63年11月に会員わずか8名で発足をしたものです。
会の目的は、会則の第2条に「道産蕎麦の良さを広く一般に普及させることによって、その消費拡大に努める」ことと「手打ちそば技術の研鑽を通して会員相互の親睦を図る」とされており、これが現在まで踏襲されています。
30年間で通算の会員数は397名ですが、その後鬼籍に入られたり退会されるなどして、現在もまだ登録をしている会員数は134名。
およそ北海道での素人手打ちそば愛好会の嚆矢はわが会であり、ここで学んだ会員がその後道内各地域でそれぞれの蕎麦打ち同好会を立ち上げてきたというのが北海道の手打ち蕎麦会の一つの歴史になっています。
蕎麦打ち指導で全道を巡り、蕎麦の打ち方の一つの型を確立したのもわが会の初期のメンバーの皆さんたちの功績です。
そういう意味で、最も歴史ある蕎麦打ちの会ですが、一番のピンチは設立10年目に訪れました。
なんとこの年に、会設立の原動力であった佐藤道夫さんが62歳にして急逝されたのです。
会としては精神的支柱を失い、大ピンチを迎えましたが会員全員の協力でこの難局を乗り切って今日に至り、設立30周年の日を迎えることができました。
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式典は約80名の参加者を迎えて夕方5時から始まり、斉藤馨会長の式辞ののち、空知振興局、奈井江町長、浦臼町長などのご来賓からもお祝いの挨拶を頂きました。
来賓の一人は、「まずこの会を設立したという事も立派ですが、蕎麦を打つ方は個性が強いと言われる中、この会を30年間も継続してこられたことが立派だと思う」と述べられ、会場の笑いを誘いました。
会の活動もありましたが、この間の行政や生産者などの努力もあって、今や北海道産の蕎麦粉は一定の評価と地位を得ることができました。
ただ現下の課題は、やはり会の高齢化と若者不足。時代を担う若いうち手がなかなか入会してこず、様々なイベントでも高齢者が目立つようになりました。
私の年齢では平均年齢よりまだしたくらいなので、これからの北海道の手打ちそば文化を担い、継承してくれる若者の登場が期待されます。
それにしても懐かしい人たちとも会えて、良い同窓会になりました。
趣味と実益と友達付き合いと、そして練習を通じて心の張りが生まれる手打ちそばの世界。皆さんもいかがでしょうか。
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