牛乳についても、推奨派と非推奨派で喧々諤々の論争がありますが、
現在のところ、国の後押しのせいか(?)、
牛乳は健康食品として、あまねく行き渡っているようです。
著者の山田氏は非推奨派で、「牛乳信仰を疑え」(P.104)と。
P.109 牛乳や乳製品を最も消費する国ほど骨折率が高いことを示す
調査結果もある。
骨は決してカルシウムだけからつくられるわけではなく、
マグネシウムをはじめとする他のさまざまな栄養素も必要
食生活が欧米化した日本で骨粗鬆症が急増しているのも、
これで説明がつきます。
カルシウムが多いものを食べれば骨が強くなる」というほど単純なものではない
骨粗鬆症はカルシウム欠乏による病気ではなく、
動物性タンパク質のとり過ぎによる病気だ。
動物性食品や乳製品は硫黄の豊富なタンパク質である。
硫黄は体内に余分な酸を生じさせ、この酸が骨を通過することで
カルシウムが溶かされ、その後尿として排泄される。
このことは動物性タンパク質のみに起こり、
「タンパク質由来の高カルシウム尿症」という病名がつけられている。
牛乳ほど「政治的」な食品はないでは?と思うほど、その可否はハッキリ喧伝されています。
親しい人達の中に
1.背が伸びますように 2.筋肉が増えますように、と念じて、運動の後にガブ飲み
3.卵一個と牛乳1本を毎日摂るのは当たり前
と、信じている人がたくさんいます。
その信仰に水をさすような、この著者の意見は、マスコミからは無視され、
異端扱いされるので、こういった意見を知らない人のほうが多いのだと思います。
私自身は、コーヒーに入れる少量と、手作りカスピ海ヨーグルトで50ccくらい。
ほんの僅かなので、ま、いいか…………と、思っています。
「元来、頑健である」ということも、
「どうでもいいか……」という気持ちに繋がるのですが、
P.115 牛乳や乳製品が好きでたまらないのなら、
嗜好品としてとる程度は否定しません。
ただ、保育園や幼稚園、学校、ひいては各家庭においてまで
強制的に牛乳を飲ませようとする風潮が、
一刻も早くなくなることを願わずにはいられません。
上記の著者の意見には大賛成です。
日本では、政府&マスコミの発言は、圧倒的に産業界・医療界寄りです。
世界中には色々なデータ、臨床例、論文、医療常識があるのに、
それが庶民に伝わってきません。
日本人の英語教育が実を上げていないのは、
「日本人が英語の論文やニュースを自由に読めるようになると困る」から
わざと<英語苦手国民>を作り続けているのでは?と、勘ぐりたくなります。