八間山(はちけんざん)を登る目的で、私達は群馬県中之条町六合(くに)地区(旧六合村)にある野反湖に向かった。2010年6月1日
湖畔の富士見峠登山口近くにある植栽地では、シラネアオイ(白根葵)の花が見頃を迎えていた。そこで、花を見てから登ることにした。結果は目的変更となってしまった。あまりにも見事な白根葵の花の行列に出会い、花見に時間を使い過ぎ、八間山の頂上まで行く時間がなくなったからである。
ダム湖は新鮮な雪融け水で魅力的な色を帯びていた。しかし、晴れていたが、積乱雲がかなり発生していた。ちなみに、この日の午後、にわか雨があった。
富士見峠にて、野反湖ダム方面を眺める。
八間山に登る前に、野反湖案内板と白根葵の植栽についての協力依頼文を見た。協力依頼文を読むと、私達は植栽地を横目でみながら八間山山頂に直行することができなくなった。
その理由は、乱獲(盗掘)によって絶滅寸前までになった、鳴神山(群馬県桐生市)固有種のカッコウソウ(勝紅草)が移植地(植栽地)に定着するまでに、ボランティアの方々による約20年間の努力があったことを、私達は思い出したからである。15年間の努力! 聞いてはいたが、その年数と株数の多さに感動した。
植栽地は八間山を少し登った場所にある。そこでは、白根葵の花に感動している人々の姿があった。また、新聞関係者が取材を行っていた。新聞には、どのような構図の写真が掲載されるのであろうか。
ここでの花の列を前にして、私達には谷川岳旧道で白根葵の花に出会ったときのことが(先週土曜日)蘇ってきた。ところで、花の大歳時記(角川書店)に、「白根葵は野草とは思われないほどに大きな紫色の花を咲かす。」とある。風を受けて舞う花の姿を見ると、私達は歳時記の説明に合点してしまう。
色彩、形、模様において、花にはさまざまな個性があった。次第に、私達は自然の仕掛けにトラップされていった。八間山の山頂まで登る時間がなくなり、午後の空模様が心配になってきた。目的変更、じっくりと花を見ることにした。
さて、斑入り(あるいは、絞り)のような花が開いていた。白根葵の花弁は萼(がく)片とのことだ。そうなると、斑入り(あるいは、絞り)のようなものがあっても不思議ではないか。
白根葵三昧。植栽地を離れようと決心したとき、時は見始めてから2時間以上も経っていた。
六合中学生とボランティアの努力の結晶として
昨年、私達はここでマツムシソウの花などを楽しんだ。野反湖は、標高1,500 mにて、群馬・長野・新潟の県境に位置している。気候は太平洋側気候と日本海側気候の中間であり、変動が激しく降雨量、降雪量も多い。そして、湖周辺には、300種以上の高山植物がある(以上、野反湖ガイドマップから)。次回は、山登りを優先し八間山のみならず白砂山まで登ってみたい。歩きと花見の的確な時間配分、これは私達にとって大きな課題である。
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ショウジョウバカマ(花の背丈は高くない。花の色には変化があった)、八間山登山口付近にて。
ヒメイチゲ、八間山登山口付近にて。
ミツバオウレン(キンポウゲ科、オウレン属の多年草、本州(中部以北)や北海道の亜高山から高山帯に分布)であると思ったが、根性葉をはっきりと撮らなかった(無念)。今年(2015年)の宿題。
前ブログ「こつなぎの写真ノート」から加筆転載。
大部分の画像が表示されない状態になっていましたので、再び画像をアップロードをしました。2015年3月4日