尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

月山で素晴らしい雲海を見たー日本の山③

2019年03月23日 23時20分56秒 |  〃 (日本の山・日本の温泉)
 北海道の山はずいぶん行ってるけど、利尻山の次は東北にしたい。東北もずいぶん行ってるから選択に苦労するけど、最初に山形県の月山(がっさん、1984m))を選ぶことにした。月山羽黒山湯殿山と並んで「出羽三山」と呼ばれた。修験道の山として有名だから、若いころから気になっていた。その後、芥川賞を受賞した森敦「月山」が書かれ、村野鐵太郎監督「月山」として映画化された。どちらも素晴らしく、名前も詩的な月山は憧れの山だった。
 (月山遠景)
 月山に行ったのはもう30年以上前だと思う。夏のメインの旅行は終わって、8月20日前後に数日時間が取れた。調べてみると、夜行寝台列車で鶴岡まで行ける。(現在はなくなっている。)鶴岡からは月山8合目までバスがある。車を持ってなかった時期なので、バスを使うことになるが、車だと駐車場所に戻らないといけない。月山に限っては湯殿山までの縦走をした方がいい。それがないと「出羽三山」の魅力半減だと思う。

 朝早く鶴岡で降りて、まず羽黒山で途中下車。羽黒山というけど、登山というより羽黒山神社参拝である。国宝の五重塔があり、宿坊もいっぱいあるのに驚いた。どこかで朝昼を食べているはずだが、記憶はない。再びバスに乗って月山八合目1400m)まで行く。お花畑と残雪の中を修験者の装束の人々とともに木道を登っていく。残り二合目のはずだが、高低差600メートル近くあるし、夜行で朝からだから結構疲れた。
 (月山神社と頂上小屋)
 しかし、頂上に疲れを吹き飛ばす素晴らしいものがあった。もともと頂上小屋に泊ることにしていた。荷物を置いて周りを散歩する。夕方の頂上は一面お花畑が咲き乱れている。そして周りに雲海が広がっていた。月山は山形県中央にあり、周囲はすべて有名な山である。それが全部雲海の上に頂上が見える。あれが鳥海山、あれが朝日連峰、あれは蔵王山…、全部見えるじゃないか。こんなすごい雲海はその後も見たことがない。日帰りじゃなくて泊るべきだ。
(月山テレカ)
 次の日は湯殿山方面へひたすら下りてゆく。かなり急坂もあるが、途中から素晴らしい尾根歩きになった。天気に恵まれないとつらいだろうが、晴れていればこんな気持ちいい道もない。そして2時間ほどかかって湯殿山に着いた。「これが湯殿山だったのか」と驚く。写真撮るなと書いてあって、検索しても湯殿山本体の写真が見当たらないと思う。僕も撮らなかった。岩に触れれば満足。これじゃ何だかわからないと思うが、それでいいのだ。要するに「湯殿山」というけど、通常のピークじゃないのである。いつか行った時のためにここには書かないから、是非直接見て欲しい。
 (湯殿山までの道)
 それで帰っても良かったんだけど、ガイド本を見てたら酒田に寄りたくなった。本間美術館山居倉庫土門拳記念館などを訪れた。土門拳の写真が素晴らしく、後にもう一回行っている。その当時はまだ藤沢周平を読んでなかったので鶴岡は観光しなかった。庄内地方はこの旅行ですごく印象に残り、21世紀になって湯田川温泉の藤沢周平ゆかりの宿を訪ねたりした。月山も頑張ればまた登れないこともないと思う。車がなかったので、月山山麓のミイラなどを見ていない。肘折温泉も行ってない。是非また庄内を旅してみたいと思ってる。
コメント
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