「教員のなり手不足問題」を書いたが、結局は「教職の尊厳」を取り戻す以外に根本策はないだろう。そのためには「自主研修」を大切にすることが重要だ。しかし、書いても実現しないし、もう自分には関係ないから止めておく。もう一つ「教育実習のあり方をどうするか」という問題がある。ほとんどの人には関係ないけど、多分社会的には意識されていないから書いておきたいと思う。
いろんな資格を得るためには、「実習」が義務づけられていることが多い。人と接する資格の場合、実際に現場で実習を行うことは大きな意義がある。特に医者とか教師の場合は、実習がすごく大事だというのは、多くの人が納得するだろう。自分が生徒だった時代に、教育実習生が来たことを覚えている人も多いんじゃないだろうか。この教育実習というのは、学生の方も大変だし、受け入れる学校の方もなかなか大変だ。はっきり言えば「迷惑」なことも多いけど、思えば「自分も多分迷惑を掛けた」わけだから「お互い様」と思って引き受けるしかない。
この教育実習の何が問題なのか。内容もあるけれど、なんと言っても時期である。別に法的な決まりはないけれど、大体の教育実習は「大学4年生の6月前後」に行われている。昔もそうだったし、今もそのようである。これじゃ「就活」と丸かぶりじゃないか。人によっては事実上の「内定」が決まっているかと思う。今の「就活」を前提にするのもおかしいが、実習が決まってるから仕方なく来たけれど、実はもう「採用試験は受けない」という学生が多いのだ。その反対に、民間企業は考えず教員志望だった人が「教育実習で自信喪失した」なんて場合はもっと困る。それから就活じゃ大変である。
実習期間は小学校は4週間、中学校は3週間、高校は2週間が基本になっているようだ。小学校教諭を目指す人は、大体教育学部で専門的な勉強をするから、ここでは除外。問題はその他の学部で学んでいる中高の場合。附属の学校があって、そこで実習が出来る大学もないではない。でも、大体の場合は「実習先は自分で探す」ことになる。探すというより、基本は「母校に頼み込む」わけだ。卒業した生徒が教師を志して、教育実習をしたいと母校にやってくる。うれしい気持ちもないわけじゃない。でも今は異動が激しく、「恩師」はいないことが多い。それどころか、「母校」がないことさえあるだろう。
教員の仕事は授業だけじゃない。むしろ「生徒指導」や「進路指導」の方が重要だろう。だけど、個人情報の絡む指導を実習生にさせるわけにはいかない。それに「職員会議」にも出席しない(ことが普通だ)。もし教員になったら、ともかく毎日毎日授業を担当しなければいけない。だから、とりあえず実習では「授業」がある程度やれればいいだろう。最初は担当教員の授業を見る。部活動に参加することもないではないが、基本は管理職や主任などによる学校の説明を聞き、授業の準備をする。そして実際に授業をさせて貰って、最後に「研究授業」を行う。そのための指導案作成が大変なのである。
それ以上に大変なのは、毎日毎日書かないといけない「教育実習日誌」だ。「教育実習」で画像検索すると、実習先で撮った生徒と一緒の写真がいっぱい出てくる。なんだか見てると、自分も数十年前を思い出して懐かしくなってくる。そんな写真は使えないけど、「日誌」が出てきた。どこの大学かは知らない。最初からマスキングされていた。この日誌を書くのも大変だが、見る方の指導教員もえらく大変なのである。そして「教養主義」みたいなものが消え去った現代においては、時々「こんなことも知らないのか」という実習生が増えてきた。そんな声も聞くことが多くなったような気がする。
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どうすればいいのか、僕はよく判らない。専門科目を修得したことを以て、その教科の授業を担当する資格を得る。教職科目を修得したことを以て、教育に携わる資格を得る。そういう考え方で行けば、「大学4年で実習を行う」ということを変えられない。でも実際の学校では、専門的に勉強したことを教えることはほとんどない。特に社会科(地理歴史、公民)や理科では、高校だと科目別に採用試験があるのに、免許は同じで時には何でも教えなくてはいけない。だから、「大学3年で教育実習」でいいんじゃないだろうか。だがもっと抜本的な改革も考えられる。
「教育実習」で初めて学校の内部に入るのではなく、一種の「インターンシップ」を実習に先だって義務づける。「学校ボランティア」や「部活指導員」を単位認定することでもいい。その後に同じ学校で実習を行う。学生の負担は大きいかもしれないが、採用試験の「一次試験免除」ぐらいしてもいいんじゃないだろうか。ただ地方から大都市の学校に進学した場合、母校でボランティアする時間が取りにくい。まあ母校じゃなくてもいいわけだけど。いろんな問題もあると思うけど、僕が言いたいのは評価に値する学生なら「一次試験免除」にするぐらいの方策を取ってもいいんじゃないかということだ。
いろんな資格を得るためには、「実習」が義務づけられていることが多い。人と接する資格の場合、実際に現場で実習を行うことは大きな意義がある。特に医者とか教師の場合は、実習がすごく大事だというのは、多くの人が納得するだろう。自分が生徒だった時代に、教育実習生が来たことを覚えている人も多いんじゃないだろうか。この教育実習というのは、学生の方も大変だし、受け入れる学校の方もなかなか大変だ。はっきり言えば「迷惑」なことも多いけど、思えば「自分も多分迷惑を掛けた」わけだから「お互い様」と思って引き受けるしかない。
この教育実習の何が問題なのか。内容もあるけれど、なんと言っても時期である。別に法的な決まりはないけれど、大体の教育実習は「大学4年生の6月前後」に行われている。昔もそうだったし、今もそのようである。これじゃ「就活」と丸かぶりじゃないか。人によっては事実上の「内定」が決まっているかと思う。今の「就活」を前提にするのもおかしいが、実習が決まってるから仕方なく来たけれど、実はもう「採用試験は受けない」という学生が多いのだ。その反対に、民間企業は考えず教員志望だった人が「教育実習で自信喪失した」なんて場合はもっと困る。それから就活じゃ大変である。
実習期間は小学校は4週間、中学校は3週間、高校は2週間が基本になっているようだ。小学校教諭を目指す人は、大体教育学部で専門的な勉強をするから、ここでは除外。問題はその他の学部で学んでいる中高の場合。附属の学校があって、そこで実習が出来る大学もないではない。でも、大体の場合は「実習先は自分で探す」ことになる。探すというより、基本は「母校に頼み込む」わけだ。卒業した生徒が教師を志して、教育実習をしたいと母校にやってくる。うれしい気持ちもないわけじゃない。でも今は異動が激しく、「恩師」はいないことが多い。それどころか、「母校」がないことさえあるだろう。
教員の仕事は授業だけじゃない。むしろ「生徒指導」や「進路指導」の方が重要だろう。だけど、個人情報の絡む指導を実習生にさせるわけにはいかない。それに「職員会議」にも出席しない(ことが普通だ)。もし教員になったら、ともかく毎日毎日授業を担当しなければいけない。だから、とりあえず実習では「授業」がある程度やれればいいだろう。最初は担当教員の授業を見る。部活動に参加することもないではないが、基本は管理職や主任などによる学校の説明を聞き、授業の準備をする。そして実際に授業をさせて貰って、最後に「研究授業」を行う。そのための指導案作成が大変なのである。
それ以上に大変なのは、毎日毎日書かないといけない「教育実習日誌」だ。「教育実習」で画像検索すると、実習先で撮った生徒と一緒の写真がいっぱい出てくる。なんだか見てると、自分も数十年前を思い出して懐かしくなってくる。そんな写真は使えないけど、「日誌」が出てきた。どこの大学かは知らない。最初からマスキングされていた。この日誌を書くのも大変だが、見る方の指導教員もえらく大変なのである。そして「教養主義」みたいなものが消え去った現代においては、時々「こんなことも知らないのか」という実習生が増えてきた。そんな声も聞くことが多くなったような気がする。
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どうすればいいのか、僕はよく判らない。専門科目を修得したことを以て、その教科の授業を担当する資格を得る。教職科目を修得したことを以て、教育に携わる資格を得る。そういう考え方で行けば、「大学4年で実習を行う」ということを変えられない。でも実際の学校では、専門的に勉強したことを教えることはほとんどない。特に社会科(地理歴史、公民)や理科では、高校だと科目別に採用試験があるのに、免許は同じで時には何でも教えなくてはいけない。だから、「大学3年で教育実習」でいいんじゃないだろうか。だがもっと抜本的な改革も考えられる。
「教育実習」で初めて学校の内部に入るのではなく、一種の「インターンシップ」を実習に先だって義務づける。「学校ボランティア」や「部活指導員」を単位認定することでもいい。その後に同じ学校で実習を行う。学生の負担は大きいかもしれないが、採用試験の「一次試験免除」ぐらいしてもいいんじゃないだろうか。ただ地方から大都市の学校に進学した場合、母校でボランティアする時間が取りにくい。まあ母校じゃなくてもいいわけだけど。いろんな問題もあると思うけど、僕が言いたいのは評価に値する学生なら「一次試験免除」にするぐらいの方策を取ってもいいんじゃないかということだ。