日本映画編に続いて、キネマ旬報の外国映画ベストテンを紹介。
①ジョーカー(トッド・フィリップス監督、米)
②ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(クエンティン・タランティーノ監督、米)
③アイリッシュマン(マーティン・スコセッシ監督、米)
④運び屋(クリント・イーストウッド監督、米)
⑤グリーンブック(ピーター・ファレリー監督、米)
⑥家族を想うとき(ケン・ローチ監督、英)
⑦COLD WAR あの歌、2つの心(パヴェウ・パヴリコフスキ監督、ポーランド)
⑧ROMA/ローマ(アルフォンソ・キュアロン監督、メキシコ)
⑨象は静かに座っている(フー・ボー監督、中国)
⑩バーニング 劇場版(イ・チャンドン監督、韓国)
次点以下は、⑪ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス ⑫帰れない二人 ⑬ブラック・クランズマン ⑭サタンタンゴ ⑮荒野の誓い ⑯ハウス・ジャック・ビルト ⑰マリッジ・ストーリー ⑱女王陛下のお気に入り ⑲存在のない子供たち ⑳ボーダー 二つの世界
比較として映画雑誌「スクリーン」のベストテンも紹介。
①ジョーカー ②グリーンブック ③ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ④アイリッシュマン ⑤女王陛下のお気に入り ⑥ROMA/ローマ ⑦運び屋 ⑧ブラック・クランズマン ⑨家族を想うとき ⑨COLD WAR あの歌、2つの心
毎日映画コンクールと報知映画賞の外国映画賞も「ジョーカー」。まだ発表前のブルーリボン賞や日本アカデミー賞は別にして、日刊スポーツ映画大賞や日本映画ペンクラブ賞が「グリーンブック」だった以外はほぼ「ジョーカー」の圧勝だったと言っていいだろう。
(「ジョーカー」)
今年は割と順当な結果だと言える。好き嫌いはあるとしても、批評家が投票で選ぶなら「ジョーカー」が1位だろうというのはほとんど誰にでも予測できる。そのぐらい、完成度も面白さも社会性も突き抜けている。ただし「入れたくない」人がいることも想像できる。それは判らないではないが、やはり作品の力は「グリーンブック」や「アイリッシュマン」より上だと見るのが順当な評価。「パラサイト 半地下の家族」が2019年公開だったら、また違ったかもしれない。
キネ旬もスクリーンも大体同じ作品が選ばれている。だから割と順当な年だったことになるが、微妙に違ってもいる。「女王陛下のお気に入り」がキネ旬18位というのは、低すぎると思う。300年前のイギリス王家に仕える女同士の争いという内容が、遠い世界を扱うようでいてヨルゴス・ランティモス監督の才気が爆発したような映画である。一方、僕は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」や「ROMA/ローマ」は過大評価じゃないかと思う。まあタランティーノやキュアロンの作品はいつも同じように思うんだけど。でもまあベストテンに入るのは納得できる。
ところで僕のベストワンは、ポーランド映画、冷戦下に引き裂かれた恋人たちを描く「COLD WAR あの歌、2つの心」である。短い映画だが圧倒的な情感にあふれている。隅々まで練り込まれたモノクロ映像の美しさも絶品。僕は2回見ているが、2度目の方がよく理解出来た。「ROMA/ローマ」のモノクロ映像が美しいという声が多かったが、僕は「COLD WAR あの歌、2つの心」の映像美の方が心に沁みた。続いて、キネ旬20位以下だがイタリア映画「ドッグマン」(マッテオ・ガローネ監督)やドイツ冷戦時代を描く「僕たちは希望という名の列車に乗った」(ラース・クラウメ監督)を入れたいのである。
(COLD WAR あの歌、2つの心)
近年のベストテンは批評家の票がばらける。キネ旬では71人が投票しているが、「ジョーカー」には37人しか入れてない。10点(1位)にしたのは、そのうち5人である。ところが「ROMA/ローマ」と「バーニング 劇場版」も同じく5人が1位にしている。この3作が強い吸引力を持っていたのかもしれない。
今年は最近になく、キネ旬もスクリーンもベストテン入選作品は全部見ていたし、ブログにも書いていた。そういう年は珍しい。見逃しがあるもんだけど。11位になっている「ニューヨーク公共図書館」は見てない。アメリカの有名なドキュメンタリー映画監督フレデリック・ワイズマンの作品だが、ワイズマン映画は長すぎて見たことがない。時々どこかで特集上映があり、見に行こうと思うんだけど、3時間も4時間もかかるので敬遠してしまうのである。すごく面白いという評判なんだけど。
①ジョーカー(トッド・フィリップス監督、米)
②ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(クエンティン・タランティーノ監督、米)
③アイリッシュマン(マーティン・スコセッシ監督、米)
④運び屋(クリント・イーストウッド監督、米)
⑤グリーンブック(ピーター・ファレリー監督、米)
⑥家族を想うとき(ケン・ローチ監督、英)
⑦COLD WAR あの歌、2つの心(パヴェウ・パヴリコフスキ監督、ポーランド)
⑧ROMA/ローマ(アルフォンソ・キュアロン監督、メキシコ)
⑨象は静かに座っている(フー・ボー監督、中国)
⑩バーニング 劇場版(イ・チャンドン監督、韓国)
次点以下は、⑪ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス ⑫帰れない二人 ⑬ブラック・クランズマン ⑭サタンタンゴ ⑮荒野の誓い ⑯ハウス・ジャック・ビルト ⑰マリッジ・ストーリー ⑱女王陛下のお気に入り ⑲存在のない子供たち ⑳ボーダー 二つの世界
比較として映画雑誌「スクリーン」のベストテンも紹介。
①ジョーカー ②グリーンブック ③ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ④アイリッシュマン ⑤女王陛下のお気に入り ⑥ROMA/ローマ ⑦運び屋 ⑧ブラック・クランズマン ⑨家族を想うとき ⑨COLD WAR あの歌、2つの心
毎日映画コンクールと報知映画賞の外国映画賞も「ジョーカー」。まだ発表前のブルーリボン賞や日本アカデミー賞は別にして、日刊スポーツ映画大賞や日本映画ペンクラブ賞が「グリーンブック」だった以外はほぼ「ジョーカー」の圧勝だったと言っていいだろう。
(「ジョーカー」)
今年は割と順当な結果だと言える。好き嫌いはあるとしても、批評家が投票で選ぶなら「ジョーカー」が1位だろうというのはほとんど誰にでも予測できる。そのぐらい、完成度も面白さも社会性も突き抜けている。ただし「入れたくない」人がいることも想像できる。それは判らないではないが、やはり作品の力は「グリーンブック」や「アイリッシュマン」より上だと見るのが順当な評価。「パラサイト 半地下の家族」が2019年公開だったら、また違ったかもしれない。
キネ旬もスクリーンも大体同じ作品が選ばれている。だから割と順当な年だったことになるが、微妙に違ってもいる。「女王陛下のお気に入り」がキネ旬18位というのは、低すぎると思う。300年前のイギリス王家に仕える女同士の争いという内容が、遠い世界を扱うようでいてヨルゴス・ランティモス監督の才気が爆発したような映画である。一方、僕は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」や「ROMA/ローマ」は過大評価じゃないかと思う。まあタランティーノやキュアロンの作品はいつも同じように思うんだけど。でもまあベストテンに入るのは納得できる。
ところで僕のベストワンは、ポーランド映画、冷戦下に引き裂かれた恋人たちを描く「COLD WAR あの歌、2つの心」である。短い映画だが圧倒的な情感にあふれている。隅々まで練り込まれたモノクロ映像の美しさも絶品。僕は2回見ているが、2度目の方がよく理解出来た。「ROMA/ローマ」のモノクロ映像が美しいという声が多かったが、僕は「COLD WAR あの歌、2つの心」の映像美の方が心に沁みた。続いて、キネ旬20位以下だがイタリア映画「ドッグマン」(マッテオ・ガローネ監督)やドイツ冷戦時代を描く「僕たちは希望という名の列車に乗った」(ラース・クラウメ監督)を入れたいのである。
(COLD WAR あの歌、2つの心)
近年のベストテンは批評家の票がばらける。キネ旬では71人が投票しているが、「ジョーカー」には37人しか入れてない。10点(1位)にしたのは、そのうち5人である。ところが「ROMA/ローマ」と「バーニング 劇場版」も同じく5人が1位にしている。この3作が強い吸引力を持っていたのかもしれない。
今年は最近になく、キネ旬もスクリーンもベストテン入選作品は全部見ていたし、ブログにも書いていた。そういう年は珍しい。見逃しがあるもんだけど。11位になっている「ニューヨーク公共図書館」は見てない。アメリカの有名なドキュメンタリー映画監督フレデリック・ワイズマンの作品だが、ワイズマン映画は長すぎて見たことがない。時々どこかで特集上映があり、見に行こうと思うんだけど、3時間も4時間もかかるので敬遠してしまうのである。すごく面白いという評判なんだけど。