尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

飛沫感染と空気感染ー「新型コロナウイルス」をどう考えるか

2020年03月10日 22時11分58秒 |  〃 (新型コロナウイルス問題)
 新型コロナウイルス(2019 Novel Coronavirus)が引き起こした全世界的な波紋について考える前に、そもそも「コロナウイルス」について確認。「コロナ」(Corona)というと、何となく太陽の何かだったなと思い出す。ウィキペディアを見ると「太陽表面にあるもっとも外縁にある電気的に解離したガス層」と出ている。何だかよく判らないけど、まあ太陽はこの際いいとして、その前を調べるとギリシャ語で「王冠」である。英語の「crown」の語源だという。写真を見ると、なんでこの名前が付いたか判る。
(コロナウイルス)(皆既日食時の太陽コロナ)
 なるほど、どっちも王冠だ。そしてウイルスは「空気感染」ではなく「飛沫感染」で広がる。ここで言う「飛沫」(ひまつ=しぶき)は咳やくしゃみの時に飛び散る唾液だが、医学的には「水分を含んだ直径5マイクロメートル以上の粒子」だとある。1マイクロメートルは1000分の1ミリメートルで、ものすごく小さい世界の話だ。唾を飛ばして熱弁する人が時々いるけど、大体は大きな飛沫ですぐそばの人しか影響しない。一方、突然勢いよくくしゃみをした場合など10メートルぐらい飛ぶこともあるという。

 細菌はウイルスよりずっと大きいので飛沫中には10個ぐらいしか含まれない。しかしウイルスは10分の1マイクロメートル程度なので、飛沫中に数十から数百個含まれて感染を広げてゆく。これが「飛沫感染」だが、5マイクロメートル以下の粒子(飛沫核)は軽いので空気中に漂って広がる。その飛沫核から感染するのを「空気感染」と呼ぶという。しかし飛沫核も落ちていくし、乾燥すればウイルスの感染力はなくなる。それでも感染力が落ちないのは、結核麻疹(はしか)、水痘(みずぼうそう)の3つだという。後は空気感染しない。しかし「はしか」の流行が起こる可能性もあるので注意が必要だ。
(飛沫感染と空気感染の違い)
 今回世界中に新型コロナウイルスが広がり、当初は僕も「感染力が強いウイルスなのか」と思ったこともある。しかし、どうもちょっと違うような理解に変わってきた。どんどん広がるのは、SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行(2002年11月から)に比べても、経済のグローバル化が進行し中国の存在感も比べようもないぐらい大きくなった。そのことが思った以上の世界的広がりを見せている原因だろう。日本においては「屋形船」「ライブハウス」「スポーツジム」などで感染のケースがあった。

 それとともに、「家族感染」が多い。最近はどこから感染したか判らないケースが増えてきたが、その場合でもすれ違いざまに空気感染したことはあり得ない。どこかで「濃厚接触」があり「飛沫感染」したに違いない。そういうことを考え合わせると、過剰に感染の心配をする必要もないと思う。今絶対に必要なことは、医療に過大な負担を掛けて医療関係者に感染が広がり、そこから「院内感染」を起こすことだ。「マスク」や「アルコール消毒液」も病院や福祉施設に重点配布するべきだ。

 まだまだ考えるべきことが多いけど、ここで一端切っておきたい。本日は「東京大空襲75年」の日で、明日は「東日本大震災9年」の日だ。本来そういうことを書くべきなんだろうが、今のところ今回のウイルス問題を書いておきたいと思っている。
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