ちょっと驚くべき記事を新聞で読んだ。ネットで新聞を検索しても、僕が「とんでもない」と一番思った点が出ていない。見逃している人も多いかと思い、あえて紹介しておく次第。
新聞記事は朝日新聞(6月6日付第3社会面)にある、「中学に賠償命令 高知地裁『自殺調査を怠る』」と言う記事である。学校は高知学園が経営する私立高知中。
産経新聞のサイトから裁判の内容を見てみると、
「2009年に自殺した高知市の中学1年の男子生徒の両親が、いじめが原因だった疑いがあるのに調査を怠ったとして、学校法人高知学園と当時の担任教諭ら2人に計800万円の損害賠償を求めた訴訟」で、判決は学校側に190万円の慰謝料を認めるというものだった。
両親は「死亡は自殺によるものという事実を伏せて、学校内で実施した調査は不十分」と主張。学校側は「調査は十分だった」と反論し、自殺の非公表は他の生徒が受ける影響の大きさを考慮したためとした。
遺書はなかったけれど、「通夜の際に友人が『先輩が(男子生徒に)死んだらいいと言っていた』と手紙で遺族に伝えた」という事実などがあったので、両親はいじめがあったのではないかと学校に全校調査と報告を求めた。(当然でしょうね。)しかし、学校は自殺の事実を伏せて一部の生徒からの聞き取りにとどめた。
判決は「自殺の事実を多数の生徒に伝えたうえで、いじめや嫌がらせの有無を全校的に調べる義務が学校にあった」と認定した。このような義務が裁判で認定されるということは、今では当たり前のことで各学校、各教員はきちんと認識していなくてはいけない。
ところで、これだけだったら、とんでもないことだけど驚くほどでもないだろう。まあ日本のどこかには、いじめで自殺する子供もいて、きちんと対処しない学校もあって、裁判になることも残念ながら時にはあるかと思う。
とんでもないことが書かれているのは、そのあとの新聞記事。
さらに担任教諭が霊媒師の話として、「男子生徒は3年前から死ぬことに興味を持ち、今は騒ぎになったことを後悔している」などと伝えたことも、「生徒の人格の冒瀆で、魂の平安を願う両親への配慮を欠いた」と判断した。
おいおい、この学校では生徒がなんで自殺したのかを、霊媒師を使って調べようとしたのかい。ってことは、霊媒師に金を払って、「死んだ生徒の霊」を呼び出してもらった、ということだよね。そしたら、いじめ自殺ではなくって「死への興味」だったんだと霊媒師を通して生徒の霊が語った、と。
「霊」というものがあるのか、「死後の世界」があるのか、「霊媒師」が死後の霊にコネクトできるのかなどの問題には、人それぞれ様々な考え方もあるかと思うけど、この問題に関して言えば「呆れ返ってものも言えない」というしかない。
生徒が自殺したという悲しい出来事があり、いじめかどうか、学校にも責任があるかどうか、いろんなことがありうるわけだけど、誰が今の日本で「生徒の霊を霊媒師に呼び出してもらって聞いてみよう」などと思うんだ。この学校と教師は、とんでもないとしか言いようがない。
新聞記事は朝日新聞(6月6日付第3社会面)にある、「中学に賠償命令 高知地裁『自殺調査を怠る』」と言う記事である。学校は高知学園が経営する私立高知中。
産経新聞のサイトから裁判の内容を見てみると、
「2009年に自殺した高知市の中学1年の男子生徒の両親が、いじめが原因だった疑いがあるのに調査を怠ったとして、学校法人高知学園と当時の担任教諭ら2人に計800万円の損害賠償を求めた訴訟」で、判決は学校側に190万円の慰謝料を認めるというものだった。
両親は「死亡は自殺によるものという事実を伏せて、学校内で実施した調査は不十分」と主張。学校側は「調査は十分だった」と反論し、自殺の非公表は他の生徒が受ける影響の大きさを考慮したためとした。
遺書はなかったけれど、「通夜の際に友人が『先輩が(男子生徒に)死んだらいいと言っていた』と手紙で遺族に伝えた」という事実などがあったので、両親はいじめがあったのではないかと学校に全校調査と報告を求めた。(当然でしょうね。)しかし、学校は自殺の事実を伏せて一部の生徒からの聞き取りにとどめた。
判決は「自殺の事実を多数の生徒に伝えたうえで、いじめや嫌がらせの有無を全校的に調べる義務が学校にあった」と認定した。このような義務が裁判で認定されるということは、今では当たり前のことで各学校、各教員はきちんと認識していなくてはいけない。
ところで、これだけだったら、とんでもないことだけど驚くほどでもないだろう。まあ日本のどこかには、いじめで自殺する子供もいて、きちんと対処しない学校もあって、裁判になることも残念ながら時にはあるかと思う。
とんでもないことが書かれているのは、そのあとの新聞記事。
さらに担任教諭が霊媒師の話として、「男子生徒は3年前から死ぬことに興味を持ち、今は騒ぎになったことを後悔している」などと伝えたことも、「生徒の人格の冒瀆で、魂の平安を願う両親への配慮を欠いた」と判断した。
おいおい、この学校では生徒がなんで自殺したのかを、霊媒師を使って調べようとしたのかい。ってことは、霊媒師に金を払って、「死んだ生徒の霊」を呼び出してもらった、ということだよね。そしたら、いじめ自殺ではなくって「死への興味」だったんだと霊媒師を通して生徒の霊が語った、と。
「霊」というものがあるのか、「死後の世界」があるのか、「霊媒師」が死後の霊にコネクトできるのかなどの問題には、人それぞれ様々な考え方もあるかと思うけど、この問題に関して言えば「呆れ返ってものも言えない」というしかない。
生徒が自殺したという悲しい出来事があり、いじめかどうか、学校にも責任があるかどうか、いろんなことがありうるわけだけど、誰が今の日本で「生徒の霊を霊媒師に呼び出してもらって聞いてみよう」などと思うんだ。この学校と教師は、とんでもないとしか言いようがない。