第二回中央公論文芸賞受賞作~~「八日目の蝉」 角田 光代 著

ドラアにもなったし、映画にもなったので、物語の流れは分かっていましたが・・・、
「本」となるとまた違った感じがするかも~~と思って読んでみました。
不倫相手の家から「赤ちゃんを誘拐した」女性・・・、何人かの人たちに助けられながら、逃げて、逃げて、瀬戸内海の小豆島にたどり着きます。
そこで、幸せに暮らしていけると思っていました・・・だが一枚の観光写真に写りこんだことから「逮捕」されます。
4年間を誘拐した犯人といっしょに暮らした子どもは、本当の両親の元にかえるのでしたが、しっくりといかない家庭。
その子が大学生となったとき、逃亡生活の一時期にいっしょに暮らしたことのあるお姉さんのような人と再会。
彼女の助けを借りながら、犯人といっしょに暮らした日々を思い出し、場所を訪ねてみるのです。
それは、「不倫という親と同じ形で「自分のお腹に新しい命が宿った」から・・・。
偽りの母と子であった4年間でしたが、愛に満ちた日々であったことを懐かしみながら刑期を終えた犯人の女性は、なつかしい小豆島に渡りたいと思いつつ、目の前にすると足が動かなくなる・・・ただただ島を眺める日々・・・。
「八日目の蝉」とは、
「蝉は長いこと地中にいて、地上に出て一週間で命がつきる」と、言われていることから、「八日目の蝉」は、他の蝉より強運なのか・・・、
あるいは、他の蝉が見なくても良いものまで見てしますことで、つらいからか・・・、
考え方は、本を読む人それぞれの想いで違うのでしょう。
どんな理由があっても「誘拐」という罪を許すことはできませんが、「この偽りの親子」が、いつまでも幸せに暮らしていけたら・・・と、ハラハラしながら読みました。
その後の二人・・・どんな風に人生を刻んでいくのでしょうか・・・。
こちらは「映画」のパンフです。
