prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ラスト・サムライ」

2004年02月14日 | 映画
これだけ堂々たるスケールで明治の日本を再現するのは、逆に日本ではムリだろう。アメリカより日本の方が好評(ファースト・ランの最終日でほぼ満席)なのは、「ブラックレイン」に似てそれ以上の現象と思える。

戦国時代みたいな鎧武者や忍者軍団といった定番(海外にはこれらを出さないと、納得しない客も多いのか)以外は、演技・衣装・装置どれも違和感なし。逆になんか物足りないくらい。クライマックスの戦闘シーンで、反乱軍は右、政府軍は左ときちんと整理した形で構成しているのは、黒澤の「影武者」「乱」あたりを参考にしたか。

終盤、明治天皇に拝謁するシーンのトム・クルーズの肩に“7”の文字がかたどられた肩飾りがついている。カスター将軍の第7騎兵隊を現わしたものだろう。カスターの先住民に対する傲慢さがトラウマになっていたのを、あえて背負って現れたということか。
(☆☆☆★★★)


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