prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「この世の外へ クラブ進駐軍」

2004年02月22日 | 映画
俳優の演奏する手の動きは音楽に合ってはいるけど、ジャズのフィーリングがなくて、譜面通り弾いているみたい。エンドタイトルで本物のミュージシャンが出てくると、落差は歴然。

ドラマ自体がそうで、価値観が崩壊した世界のはずが割と公式的な道具立てや展開が多くて、自由に弾ける感じがしない。哀川翔のインチキ日系人の通訳のみ生き生きとしていた。

闇市などのセットは大がかりだが、人間たちが栄養のいい顔をしているのはどうしようもない。ベースキャンプで演奏していた連中には、後の芸能界の大物が多いので(中には、大手芸能プロの社長になった在日なんてのもいる)、いくらでも面白いネタありそうなものだが。

最初にカメラが前進して基地のクラブに入っていくところで、音楽が画面の右から聞こえてきたのがカメラがぐるっと180度回っても相変わらず右から聞こえる。ジュークボックスの音楽かと思って聞いていたが、そういうわけでもなくて、意味のよくわからない音楽処理。まだまだ日本映画は音楽を使いこなせないよう。
(☆☆)


本ホームページ