prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「チキン・リトル」

2006年01月18日 | 映画
伏線の張り方と拾い方が独特。それもドラマ内部の伏線というより、観客がディズニー(ハリウッド)作品というので予め持っているイメージや、昔からよく知られた話にひっかけたものが多い。

チャーリー・ブラウンをヒヨコにしたようなチキン(弱虫)・リトルが最初に空の一部が降って来て頭に当たった大変だというところは、もちろん団栗が頭に当たって空が降ってきたと騒いだヒヨコという昔からあるたとえ話からだろうと思ってみていると、不思議なことにテレビ局のカメラやスクールバスにも団栗のマークがついている。なぜだろうと思っていると、これがラストで一応オチがつく。意味がよくわからないが。

普通だったら、野球でリトルがヒーローになるところをクライマックスにしそうで、この後どうなるのだろうと思っていると、なんと本当に空の一部が降ってくる。そこから「未知との遭遇」ばりの展開になり、さらに「E.T.」までが入ってくるので、なんだこれは思うと、さらになんと「オオカミ少年」の話の逆みたいになる。それで話は「E.T.」のまま、いきなり「宇宙戦争」風の戦闘に突入するのでぎょっとした。そういうこちらが見知ったシーンに引っ張られて、しばしば逃げ水みたいにすかされたりむっとしたりしながら展開を追うと、ラストではきちんとハリウッド・エンディングを、しかも映画館で上映中のシーンを借りて展開するといった凝り方がお楽しみ。
パロディとかオマージュとかいうのでなく、もう先行作品が観客には常識だと見越した上で、駆け引きを仕掛けているみたいで、それがあまりに自信満々なのには、裏づけがあるにせよ、ちと鼻白んだ。

シナリオ&ストーリー部門のスタッフの数、20人以上。
(☆☆☆★)



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