prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「沈黙の追撃」

2006年01月27日 | 映画
アメリカ映画にしてはずいぶんチャチだなあと思って調べてみたら、ビデオ用作品でした。カットの数が足りないもので、ワンカットの中でコマをとばして擬似的にカットを割ったように見せるなど、ずいぶんセコい真似をしている。

演出もサボりぎみだが、スティーブン・セガールも太ってサボりぎみ。思い出したようにぱんぱんと銃を撃つが、ラスト近くまで身体を使ったアクションは見せない。それも脈絡なく銃を捨てて突然現れた黒人と格闘を演じたかと思うとたちまちやっつけて銃でトドメをさす。手抜きのプロレスみたい。

マインドコントロールで側近に要人を殺させたりするマッド・サイエンティスト(アーネスト・ボーグナインを若くしたようなニック・ブリンブル)というのが悪役なのだが、いつ洗脳して何が人を殺させるキーになっているのかちゃんと描いていないものだから、文字通り話が見えない。帰りに年配の女性客が旦那にわけがわからなくて眠ってしまったとボヤいていた。
クライマックス、オペラハウスで暗殺計画が進行するという「知りすぎていた男」か「ゴッドファーザーPART3」ばりの趣向だが、演出が力量不足もいいところで誰がどこで何やってるのか、わかりゃしない。音楽も全然生かせていないし。

監督はダグラス・ヒコックスの息子のアンソニー・ヒコックス。といっても、どちらもあまり知られてないか。ダグラスの「スカイ・ライダーズ」は、祖母がテレビで見て、「こんなに面白い映画見たことない」とバカに喜んでいた。それほどとは思わなかったけれど。

マツケンサンバの振付師・真島茂樹が試写会のゲストで登場、何の関係があるのかと思ったら、映画の舞台が南米なので南米→サンバ→マツケンサンバという恐るべきこじつけ。アホか。
(☆☆)

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