素晴らしくニュアンス豊かな白黒撮影、ムダに凝らずにいつのまにか引き込んでしまう冴えわたるカッティング、ジャズのぞくぞくするような使い方など、映画的な快感横溢。白井佳夫は「こういう映画は確実に映画ファンを増やしますからね」と監督のロバート・ワイズとのインタビューで語っていたが、今みたいにやたらとアトラクション化、イベント化していない普通の映画だけれど、映画以外の何者でもない。
強盗場面を派手に描くより、その前の強盗たちが決行前にそれぞれ時間をつぶしている情景がカットバックされて、いよいよという時に王手という感じで鐘が鳴るあたりなど鳥肌もの。
ロバート・ライアンふんするハリー・ベラフォンテ黒人に対する偏見から犯罪計画が壊れるという構想は、今から見ると古くなっている感は否めない。
(☆☆☆★★★)