父を地雷処理の現場で失い、自分も偶然発射された銃弾を頭に受けて摘出できないまま退院した男が、地雷と銃弾を作っていた武器メーカーと似たような同業メーカーとを「用心棒」の桑畑三十郎のように争いを煽って、共倒れに持ち込む。
その手練手管と仲間の廃品回収に集まっているおかしな仲間の性格付けが見もの。
「アメリ」をはじめ、変てこなキャラクター造形や映像センスが売りの監督だけれど、今回は良心派的なテーマを扱っているのが目新しい。
大爆発シーンで倒れたガラスケースの中にピースマークがあるのが皮肉な効果。頭の中の弾丸がドラマ的にあまり生かされないのは物足りない。
撮影は「エディット・ピアフ」も担当した日本人の永田鉄男。
(☆☆☆★★)