prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「シンペイ 歌こそすべて」

2025年01月16日 | 映画
音楽映画としてはどれも聞き覚えのある曲で、あ、この曲も中山晋平作曲なのと何度も思った。
メロディが親しみやすく列車内の「ゴンドラの唄」のくだりにせよあたまからメロディを押し出さず、徐々にドラマを組み込むように処理している。割と史実に忠実っぽい。

なんだか見覚えのある顔立ちの俳優ばかりだが、それもそのはずで中村橋之助、三浦貴大、渡辺大、緒形直人、真由子と二世あるいはそれ以上の俳優総出演。

どういう製作体制で作られたのかわからないが、美術装置の質感がロケセットらしいがかなり厚みがある。
室内に置かれた古ぼけたオルガンが後年立派なピアノになるのを似た構図で繰り返して見せるのがわかりやすい。借金を返すのをいちいち律儀に描いている。

ラスト近くで戦時色が濃くなってくるありがちな展開は重くなる前に躱した感。