先日MAKIKYUが東京都心へ出向いた際には、東京都交通局の各交通機関(上野モノレールを除く)が乗り放題となる「都営まるごときっぷ」を使って都内を動き回っていたのですが、その際には4月に運行を開始した観光路線バス「東京→夢の下町」に乗車する機会もありましたので、今日はこのバスに関して取り上げたいと思います。
「東京→夢の下町」は東京駅(丸ノ内北口)~両国駅間を、日本橋・秋葉原・上野・合羽橋(Kappabashi)・浅草を経由して運行するバスで、「S-1」という系統が付けられていますが、昼間30分間隔という分かりやすい運転間隔で運転されるこの路線は、観光路線バスとは言っても通常の23区内都営バスと同じ200円均一で乗車でき、バス共通カードやPASMOでの利用は勿論、割安な「都営まるごときっぷ」などの一日乗車券や、フリーカード(23区内都営バス全線が乗車可能な定期券:通勤用は持参式)などでも乗車できる点は、非常に有難いものです。
車両も首都大学東京との産学連携によるデザインのバスを使用しており、ステンレスの外板が目を引くレトロ調デザインは、一般の都バスとは全くの別物ですので、一目で「東京→夢の下町」である事が識別でき、観光路線バスに相応しいものと言えますが、これが新造車両ではなく、一般の都営バスで使用していた日野製ノンステップの中型ロング車・レインボーHRの改造である点は驚かされ、よくここまで改造したものと感心させられます。
(普通に考えればこれだけ特徴的なバスは、路線車ベースにしても最初からこの様な形態で登場します(中型中古車を改造した松本電鉄100円バスなどの例外はありますが…)し、排ガス規制が厳しく車両使用年数が限られる大都市圏では尚更という気がするのですが…)
このバスは外観だけでなく、車内もかなり特徴的なものとなっており、ゆったりとした配列の座席や間接式の照明などは、都バスをはじめとする一般路線バスとは随分異なるものですが、つり革に至るまで独自のモノを用いている程で、車両デザインに関しては相当なこだわりを感じさせられます。
また現代の水準に見合う観光路線バスという事で、バリアフリー対応などは勿論ですが、日本語以外にEnglish・한국어・中国語の4ヶ国語で案内放送を行い、LCDモニターでもこれらの案内を行っていますが、これは日本の公共交通機関の外国語対応では、一般的レベルといえるLEDによる英語字幕案内のみの都バス一般路線や、自動放送による英語放送(浅草線と新宿線に乗り入れる京王車両を除く)とLEDによる英語字幕案内が行われている都営地下鉄などに比べて、外国人観光客への対応という観点では非常に優れており、国際都市・東京に相応しい観光路線バスと言えます。
一般路線と同等の運賃で乗車でき、割安な一日乗車券類なども通用する路線で、これだけの多言語によるサービスを行っている点は、非常に評価できると感じたもので、隣国の首都・Seoulを走る観光向け路線バス(Seoul City Tour:MAKIKYUは乗車した事はありませんが、日本語による放送も行われている様です)などは一般路線とは別運賃で、非常に割高な価格設定(現地の物価はおろか、日本の感覚から考えても…)となっており、一般路線バスとは乗車券類の互換性などもありませんので、「東京→夢の下町」を見習って欲しいと感じたものですが、外国語案内放送の内容は、한국어の次停留所案内で、彼の地では一般的な「이번」(イボン)ではなく、一つ先の停留所を案内(韓国の市内バス車内放送では、次の停留所名を案内した後に、その次の停留所名を案内する放送が一般的です)する際によく用いられる「다음」(タウム)を用いている点などは、外国語には疎いMAKIKYUでも少々違和感を感じるものでした。
(彼の地からの訪問客が乗車した際は、意味は一応通じそうですが…)
あと「東京→夢の下町」は停車停留所数を絞り、実質的に急行運転を行っていると言っても過言ではない運行形態となっていますので、速達性と共に、観光客向けに鉄道並みの分かり易さを実現しており、車内で日本語をはじめ、English・한국어・中国語による路線沿線の案内パンフを配布するなど、案内面は至れり尽くせりという感があります。
東京に慣れている方は勿論、東京での路線バス乗車は初めて…という地方や海外からの訪問者にもおススメできる路線と感じましたが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も、割安価格で多種多様な交通機関への乗車が楽しめる「都営まるごときっぷ」などで東京を廻られる機会がありましたら、是非「東京→夢の下町」への乗車を検討してみては如何でしょうか?
こちらは都営地下鉄車内の中吊り広告で存在が気になり、東京駅に足を運んで乗車したのですが、この路線は通常の都営バスと同じ200円均一で乗車でき、都営地下鉄などでも通用する「都営まるごときっぷ」も通用しますので、まるごときっぷで都内を廻る所用などがありましたら、是非乗車されると良いかと思います。
あと東京駅周辺を走る異色なバスとして、丸の内シャトルに関する記事を追加しましたので、もし宜しかったらこちらもご覧頂ければ幸いです。