ネット上のニュース記事などで盛んに報じられており、ご存知の方も多いかと思いますが、今朝(現地時間は昨夜)スペイン北西部のサンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)で高速列車が脱線、70名を超える多数の死者発生し、他に100名を超える多数の負傷者も発生という大惨事が発生しています。
この場からも不幸にも亡くなられた方の冥福を祈ると共に、負傷された方の早期回復を願いたいと思います。
今月はアメリカ・サンフランシスコで発生したアシアナ航空・B777機の着陸失敗事故をはじめ、カナダ・ケベック州で貨物列車が脱線・炎上した事故、フランス・パリ近郊でプラットホームに列車が激突して大破した事故など、過去に類を見ない程多数の死亡者発生を伴う重大事故が発生しています。
それも安全管理体制や人員養成、設備面などで問題点が多い発展途上国ではなく、いずれも公共交通機関における事故が比較的少ない先進国と呼ばれる国々において発生しているのも、極めて異例と感じます。
既に複数発生した重大事故事案の中でも、特に今日スペインで発生した脱線事故は死傷者数も甚大で、制限速度の大幅超過が事故の主因と報じられていますが、高速鉄道においてこの様な事故が発生するとなると、安全管理体制の精度が極めて低いと言わざるを得ない気がします。
事故の映像などを見ると、過去にドイツで発生した高速列車・ICE1の脱線事故(路面電車や地下鉄など、比較的低速の列車で用いられる弾性車輪を用いていた事が一因)を思い出すものがあり、高速鉄道以外の鉄道事故も含めるとなると、近年の日本国内では異例の甚大事故となったJR福知山線脱線を連想されられます。
日本の新幹線ではシステム上まず考えられない事故かと思いますし、高速鉄道の元祖・日本に比べると高速鉄道の歴史が浅い各国において、既に幾つかの重大事故が発生している中、新幹線の旅客死亡事故(駆け込み乗客の転落を除く)を聞かないのは相当な事と感じます。
日本の新幹線が在来線とは完全に独立した高精度なシステム(新在直通ミニ新幹線の在来線区間を除く)という事も大きいかと思いますが、航空機や高速鉄道など高速で運行する交通機関程、事故が発生した場合の被害も甚大になりますので、要員教育などの労務管理だけでなく、同種事故が起こせない安全管理システム整備を行い、再び類似したニュースを聞かなくても済む事を願いたいものです。
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