MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

福山市内を走る鞆鉄道~鉄道廃止からかなりの月日が経過した今日でも社名は…

2013-03-20 | バス[中国]

先月MAKIKYUが広島県東部・福山市周辺へ足を運んだ際には、福山市内を走る「鞆(Tomo)鉄道」を初めて利用したものでした。

鞆鉄道という社名を聞くと、福山周辺の事情に詳しい方を除けば「何処の鉄道?」と感じる方も居られるかと思いますが、同社は現在鉄軌道の運営は行っておらず、公共交通に関してはバス専業事業者になっています。

とはいえ社名が示す通り、かつては福山駅から鞆の浦にかけての軽便鉄道を運行していました。

この鉄道の廃止からは既に50年以上、鉄道事業者よりもバス専業事業者としての歴史の方が長い状況ですが、それでも社名に「鉄道」の名前を残し続けています。

現在のメイン路線となっている福山駅~鞆港間路線は、かつての軽便鉄道代替路線と言っても過言ではなく、路線バスに形は変えても地域の公共交通を担い続けています。

この路線で終点の一つ手前にある「鞆の浦」バス停の隣接する「ともてつバスセンター」でも、鉄道営業当時の資料や写真の展示などを行っているなど、かつて鉄道を走らせていた事を後世に伝えようとする姿勢は評価できる気がします。

ちなみにMAKIKYUが先月福山で乗車した鞆鉄道のバス路線は、この福山駅~鞆港間の路線と、鞆の浦(鞆車庫始発、鞆の浦・鞆港バス停を経由)~松永駅間の2路線でしたが、前者は鞆鉄道のメイン路線だけあって、昼間でも概ね15分程度と、土地柄の割には結構な便数の運行があり比較的至便です。

車両も専ら大型路線車が用いられ、MAKIKYUが乗車した際には、派手なラッピングが施されており、写真では分かり難いのですが、中扉が4枚折戸となっているのが特徴的な某都道府県交通局の中古車に当たったものでした。


三菱エアロスターKという時点で、車齢はどう見ても20年越え確実、年式の古い車両も散見される鞆鉄道でも、割合古参の部類に入る車両です。


旧年式の大型路線車&大都市圏中古車が好きなMAKIKYUにとっては大歓迎と感じる車両で、他にも自社発注の日産ディーゼル車など、割合古参の車両が活躍する姿が見られたものでした。

 
その一方で車両入れ替えも進み、中には新車の中型ノンステップ車や、最近地方事業者で数を増やしている大都市圏中古の中型ロング車(ワンステップ)が活躍する姿も見られ、車両入れ替えと共にバリアフリー対応も徐々に進んでいます。

現在の福山駅~鞆港間路線などは、新旧様々な車両が入り乱れて走っている状況で、比較的本数が多く確保されていますので、昼間などは目当ての車両が来るまで数本やり過ごすのも…という状況です。

福山駅~鞆港間の路線は、途中で瀬戸内海を望む車窓や、終点・鞆港でのT字路切り返しでの折り返しも特徴で、鞆港での折り返しは運行本数なども考えると、よくこの様な運行形態が…と感心してしてしまう程です。

そして乗車したもう一つの路線、鞆車庫~松永駅間の路線は、この路線を使うと鞆の浦周辺を観光しながら、往復で異なる路線を利用できるという点でも注目です。

松永方の区間便などを合わせると地方の路線バスとしてはそこそこの本数が確保されているのですが、鞆方の運行本数は片道当り指の数以下、時間を合わせて予定を組まないと、かなり利用し難い路線と言えます。


ただ鞆方の運行本数が少なく、路線バスがこの路線のみとなる区間は、非常に狭い路地の様な道を走るために、マイクロバス(日野リエッセ)限定となっている様ですが、クランク箇所などではマイクロバスでもかなり厳しいと感じる程の狭路、一般車同士でもすれ違いに難儀する箇所も数多く存在し、乗務される方は大変だろうと感じる路線です。

それでも以前は中型路線車を充当していた様で、これだとクランクなどは切り返しせずに曲がる事が出来るのだろうか…という状況に
比べれば、乗客として乗車する面白みは若干薄れる反面、乗務員側から見れば幾分か負担が軽減されたのでは…とも思います。

鞆車庫~松永駅間の路線は、運行本数が限られて使い難いダイヤですが、鞆の浦観光などで鞆港周辺へ足を運ぶ機会があれば、予定が組めるなら是非一度は…と感じたものです。

また鞆鉄道は事業規模こそ決して大きくないものの、一般路線以外に福山を発着する高速バス路線の一部(しまなみ海道経由今治行きの一部便など)も運行しています。


MAKIKYUはこちらには乗車する機会はありませんでしたが、一般路線車の白と緑系の配色に加え、ピンク色を交えた装いとなっており、福山駅で姿を見かける事ができました。

福山は鞆鉄道以外に、広島県東部では最大のバス事業者となっている中国バスの拠点、またしまなみ海道経由の高速バスは、中国バスや船会社系の高速専業事業者、瀬戸内運輸(四国方)などと共同運行を行っています。

しまなみ海道経由のバスと並び運行本数の多い県都・広島への路線は、広島方事業者も参入するなど、路線バス感覚で乗車できる座席定員制高速路線では、多数の事業者のバスが見られ、機会があればこれらの路線にも…と感じたものでした。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
リエッセの今後は? (佐々木義明)
2013-03-30 14:45:53
日野リエッセと言えば関東バスと小田急バスの『ムーバス』と言うイメージが有りますが、こちらも『ポンチョ』に置き換えられて武蔵野市から姿を消すのは残念ですが、南関東での排ガス規制の関係で仕方がないと思います。
画像を見て、広島の福山に有る『鞆鉄道』でムーバスの初期車両が余生を送っているのは嬉しいです。
返信する
もう結構な年式の車両もありますので… (MAKIKYU)
2013-04-01 13:54:00
佐々木義明様こんにちは。

意外と新しい車両と言う印象がある日野リエッセも、初期の車両は1990年代製、大都市圏の排ガス規制区域では既に車検継続不可となっている車両ですので、結構な数が地方へ転出し、第2の地での活躍をしていますね。

大型車や中型車などに比べ、独自仕様の部分が少なく、おまけに改装を経るとなれば、余程特徴的な仕様だったり、元事業者の面影を強く残している車両でない限り、事前情報がないと中古車であると識別するのが困難な気がします。

また現在リエッセは製造中止、同クラスのバスを国産新車で入れるとするならば、ポンチョかローザしか…というのは頂けないもので、大都市圏コミュニティバスとしての需要だけでなく、地方閑散路線での使用なども考慮するならば、リエッセの製造再開か、同クラスの路線型マイクロバス(ワンステップor2段ステップ)の登場を望みたいものです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。